前々からコストコに行く度、買おうかどうしようか、手にとってはまた元に戻すを繰り返していた『ほうるもん』(笑)思いきれなかった理由の1つはそのお値段。たぶん昔はこんなの、今の価格の1/10くらいだったのではないでしょうか。


前回作ったのは10年以上も前のこと。後にも先にもそれ1回きり。その時は今ほど料理の知識もなかったから、いまそれを食べたら、ひでぇ~味っ!って驚くこと間違いなし。(笑)


今回は違いますよ!ちゃんと下処理して、飛び切り美味しいソースでホロホロになるまで煮込みました。洋食屋さんの人気レシピも、この煮込んだ『ほうるもん』で、一気に高級レストランのメニューに昇進!(笑)


牛タンハヤシライス


私が牛タンの塊を買うのを躊躇していたもう1つの理由は、外で食べる牛タンシチューがあまり美味しくないから、良い印象がなかったのです。


私の運が悪いのかもだけど、これまで外で食べたもののほとんどが、デミグラスソースの缶を使って煮た、ビーフシチュー風の味。私、あの缶入りデミグラスソースの味が、めっさ嫌いなのです!(汗)


私的には、あの缶を使ってビーフシチューを作るなら、ハウスのビーフシチューの素で作ったシチューの方がずっとずっと美味しい。


どんなに高級なブランドの缶入りデミグラスソースでも、これなら食べれると思ったものがない!あれだけは絶対に受け付けない味なのです。


結局、頬肉も牛タンも、肉星人だからそれ自体は好きなのに、外では絶対に注文しない料理になってしまった。デミグラスソースを使わずに調理したら済みのことなんだけれど、肉に対する印象まで下がってしまって、いまいち作る気になれなんだの。


また今回もコストコで牛タンを手に取り、しげしげ見つめていた私に、旦那が背中を押してくれました。買ったらええやん!これでブフブルギニョン風に煮たら、きっと美味しいでぇ...って。


確かに、赤ワインで煮たら旨いだろうなぁ...でも、煮るんだったら、あの不味いデミグラスソースを使わなくても、もっと美味しく煮れるってことを証明する煮方にしたいな...


そう思った瞬間、浮かんだのが分厚い牛タンが御飯の上に載った豪華ハヤシライス!(驚)


600gちょいで1800円もし、それで4食分のハヤシライスしか作れないと言うと高いような気もするけれど、家族4人でステーキを買ったら輸入肉でもそれよりも高くつく。それを考えたら、おったまげるほど高いものでもない。


料理は私にとってお遊びでもある。アイデアが生まれるとやってみないと気が済まない性格。今回はとうとう、手に取るだけじゃなく買ってしまいました。(笑)


牛タンの下準備から柔らかくするまでと、出来るだけ簡単な味付けでしかも美味しく仕上げる調理法をレシピにまとめました。とにかく、最高に美味しいハヤシライスです。特別な日のディナーなどに、ぜひ試してみてくださいませ。


<材料 4人分>

(ブーケガルニ)
セロリ...1本
パセリ...1本
タイム...2~3本
ローレル...1~2葉(大きさに応じ)

コストコのアメリカ産皮むき牛タンブロック...600g強
脂身の多い少し厚めのベーコン、細かく刻む...ハーフサイズ4枚
たまねぎ、薄切り...1個
ニンニク、薄切り...2~3かけ
赤ワイン...250ml
牛タンストック...500ml
味の素固形コンソメ...2個
有機ケチャップ(もしくはブドウ糖を含まないもの)...大さじ3
カゴメトマトピューレ...大さじ2
リー&ペリンウスターシャーソース...大さじ2(なければ日本のウスターソース代用可)
ブラックペッパー...たっぷり
塩...適宜
ブラウンマッシュルーム...小8個

(ルー)
室温に戻したやわらかいバター...10~20g
小麦粉...大さじ1~2


<作り方>

1.鍋に牛タンがひたひたに浸かる程度の湯を沸かす。沸騰したら牛タンを入れ、トングを使って数分ごとにコロコロ回しながら12分程度茹でる。ざるに空け、牛タンを流水で綺麗に洗う。同時に鍋の汚れも洗剤を使って綺麗に洗う。


2.綺麗に洗った鍋に牛タンを戻し、牛タンがしっかり浸かるだけのたっぷりの水(2リットル程度)を入れ火にかける。煮立って来たら火を弱めて蓋をし、1時間半ボイルする。


3.牛タンを鍋から取り出し皿に移す。完全に冷めたら4等分(または好みの大きさ)に切り分ける。ストックは蓋をし、そのまま室温で一晩置く。


4.翌日、ストックの表面に浮いた脂を取り除き、更にリードキッチンペーパーを使って濾す。500mlとり置く。ブーケガルニの材料をまとめてタコ糸でしっかりと縛る。


5.テフロン加工の煮込み用鍋で油を引かずにベーコンを炒める。(テフロン加工されていない鍋の場合は、必要に応じ分量外のオリーブオイルをご使用くださいまし。)


6.ベーコンからたっぷり脂が湧き、こんがり色目が付いて来たらたまねぎとにんにくを加え、しんなりするまで炒める。


7.
6に赤ワインと牛タンストックを加える。煮立って来たらコンソメ、ケチャップ、トマトピューレ、リーペリン、ブラックペッパーを加える。再び煮立って来たら牛タンを入れ、ブーケガルニを浮かべる。火を弱めて蓋をし、1時間半煮る。


8.1時間半経ったら味見をし、必要に応じて塩を加えて味を調える。マッシュルームを加え、蓋を戻して更に30分煮る。


9.バター10gに小麦粉大さじ1を加えてよく混ぜルーを作る。豆粒程度ずつ煮汁に加え、その都度完全に溶かし好みのとろみをつける。ルーが足りない場合は、残りのバターと小麦粉で同様にルーを作り煮汁に加える。


これを作った夜に1回食べ、その後残ったのは冷蔵庫で保存してありました。夕べはその残りを温めなおして食べたのですが、タンもオックステールやラムシャンク同様に、日数を置くと煮汁でマリネされるからか、さらに美味しくなっていました。


昨日はFBのお料理グループでポテトサラダの投稿を見、どうしても食べたくなって作ってしまいました。大きなジャガイモ3個も使って、大量作り置きおかずのポテトサラダ。


けど、うちではこれが作り置きおかずと言えないんだよね。芋大国の芋オヤジが居るから、小腹がすいたらおやつに食べてくれて、翌朝には全部無くなっているってことも珍しくない。(笑)


浅い小鉢を型代わりに使って、御飯を詰めてディナープレートの真ん中に空け、大胆に牛タンをトッピング。御飯の周りにはまろやかな風味のハヤシライスのソースをたっぷりかけましたよ。


もうね、こんな旨いもんないよ!ナイフなんか要らないの!フォークでちょっと押さえたら、この通り、タンはホロホロで砕けてしまうの。中までしっかりハヤシライスのソースの味が染みていました。


甘口で酸っぱくないソースはお子さんも気に入ること間違いなしです。


亡くなった父も、そして今ではおかゆしか食べれなくなった母も、旦那も、親類たちも、そしてカフェ時代にはスタッフ達にも、みんなから絶賛される私のハヤシライスのレシピで煮込んだ牛タン。ぜひぜひお試しくださいませ。