シアトルと日本の間には17時間の時差があり、カレンダーはほぼ1日遅れ。その上、日本ではイヴにご馳走を食べるのに対し、海外ではクリスマスのご馳走は25日に食べるのがお決まり。なもんで、既におせちの話題で盛り上がりだしたこの時季に今更の話題です。(汗)


悪夢のような1年だった2013年を締めくくる、我家のクリスマスのご馳走ざんすぅ。今年はちょっとフレンチーにしてみましたよん。


この献立は、去年のクリスマスからずっと温め続けていたレシピ。なのに、盆、正月、クリスマスと言うと、朝から酒浸りの私は、その大切なレシピを酒を飲みながら実行に移したもんで、2つ大失敗をかましてしまいました。


それでも結果はオーライ。ホッ!あせる私にもミシュランの星星下さ~~い!な、プロ顔負けのご馳走がでけましたワン!(笑)


骨抜きダックの肉詰め with ベーコンオレンジグレービー


去年のクリスマス、エゲレスの義妹宅に滞在した時、エゲレスのテレビ番組の1つ、マスターシェフっつうのをみました。


その番組の中で、私の大好きなフランス料理の老舗・ルーファミリーのミッシェルジュニアが、見事な手さばきでダックの骨抜きをし、フィリングを詰めてテリーヌ風に焼いたんすよぉ。それみて私、興奮しました!(YouTube でそのシーンが見れます!)


ダックに限らず、鳥のお腹の中にはカーカスと呼ぶ大きなガラが存在するわけで、縦にスゥーっと切り分けるわけにはいかない。でも、骨を完全抜いて、代わりにテリーヌ風のフィリングを詰めてローストしたダックは、当然ながらスイスイ縦に切り分けられ訳です。


なんかねぇ、不可能を可能に換えるレシピで、来年のクリスマスには、私も絶対にダックを骨抜きし、フィリングを詰めてローストして、不可能を可能にしてやる!と、大げさな話抜きに心に決めたわけです。


それが、先日 サムゲタン を作った時、これまた私の大好きなシェフ・ジャックペピンのYouTubeが、私みたいなド素人にでも、ミシュランの星を持つ高級レストランのシェフと同じことを、自宅で出来るってことを立証してくれました。


ますます、今年のクリスマスには我家のチンケなテーブルに、ガブローシュかウォーターサイドイン(どちらもルーファミリーのレストラン)っつう料理を並べてやろうと意気込んだわけです。前もってコストコで冷凍のダックを買って来て準備を始めました。


クリスマスイヴ。朝からそのダックを解凍しました。その日は旦那も会社が休みだったし、もう気分はクリクリクリスマスだったから、夕方から夫婦でワインを飲み始めました。(笑)


サムゲタン用の鶏の骨抜きが、めっさ綺麗にできて調子に乗っていた私、その晩、止めておけば良いのに、ダックの骨抜きがどうしてもしたくて、ほろ酔いで抜きを始めたんです。でも...


まず、ダックはチキンほど骨抜きが簡単じゃない!チキンの何倍も脂っこい鳥だから皮にも当然脂肪が乗りに乗っています。(笑)だからか、めっさ破れ易い!ペピン氏のやり方で大胆に皮と身を骨から引き裂いたら、皮の薄い背の部分に何箇所も穴が開いてしまった!(涙)


そして致命的な大失敗は、ダックはチキンと違い、明らかにこちらが胸の面と判断がつき難い形をしている、いや、正確に言うと、素面ならすぐ分かることだが、酔っ払いには胸が背に見え、胸の面を2つ割りにしてしまったのです。(涙x涙)


もう、最低!年に一度のクリスマスのご馳走用肉が、イヴの夜になって台無しになってしまったのだから。当地はクリスマスってぇと店は殆ど休み。当日買いなおすことが出来ない。1年温め続けたレシピを、その“傷物ダック”で実行する羽目になりました。(涙x100)


翌日、クリスマス当日。まずは抜いたガラや脚、手羽の骨の処理。これは翌日26日、エゲレスではボクシングデーという祝日の献立に、ストックとして利用する予定。


鶏と違い、脂肪が兎に角多いダック。煮こぼす代わりにまず、焦げ付かない加工が施された鍋で、油を引かずに骨を蒸し焼きし、脂肪分や注入されている水分を抜くだけ抜きました。


その骨を綺麗に洗って、鍋も洗剤で洗い、出来る限り余分な脂肪を取り除いてから、たっぷりの水と共に再度火にかけて、ぐつぐつと1時間くらいボイルしてストックを取りました。骨に残っていた肉は割いてやると、犬ころ達が喜んで食べましたワン。わんわんわんわん


ダックのお腹にはジブレッツと呼ぶ臓物や首が入っていたので、それは一度煮こぼして血の気を取り除き、洗って、鍋も綺麗にし、骨とは別に水を張ってグツグツボイルしましたよん。こちらはグレービー用のストックです。


もう1つ、こちらはフィリングに使う鶏レバーの処理。生のままフィリングに使うのは、どうも気持ちが悪くて、5分くらいボイルして血の毛や汚れを取り除きました。


綺麗に洗って、水分を拭き取り、細かくみじん切りして準備完了。


この鶏レバーと共にダックのお腹に詰めたフィリングの材料は、私の備忘録として材料を記しておきたいと思います。めっさ旨かったので、絶対にリピートしたいレシピ!


<フィリングの材料>

豚ミンチ...200g
鶏ミンチ(もも肉のミンチ)...200g
鶏レバー、上記の通り処理済みのもの...120g(加熱前の目方)
たまねぎ、極力みじん切り...大1/4個
生パン粉、白い食パンをフープロにかけたもの...カップ1/2~1
卵...1個
パセリのみじん切り...大さじ2
にんにくのみじん切り...2かけ
オレンジの皮...1/2個分
オレンジ汁...1/2個分
グランマニエ...大さじ1
塩ブラックペッパー...適宜
味の素...適宜


これらをハンバーグの肉種同様に手で練りました。


さて、フィリングの準備が出来たら、いよいよ、問題の“破れかぶれのアヒルたん”にこれを詰めてゆきま。(汗)


胸の分厚い部分の肉を包丁で削いで、身の薄い部分にまず補ってやります。開いたダックの面をほぼ全体に同じ厚みに調整したら、その上にフィリングを広げます。骨を抜いたももの部分にもフィリングを詰めマッスル。


ここでさぁ、本来なら胸の部分が下になっているから、背の部分を左右から寄せてきて包めば良いのだけれど、なにせ“全開の胸”でしょう。よいしょっ、こらしょっと、両胸を真ん中に寄せてきて包みました。


これでタコ糸をかけ始めたのだけれど、何せ、背の部分には穴がたくさん開いてしまったもんで、なかなか上手に糸がかけられない。引っ張っても引っ張っても、フィリングが穴から外に漏れてきてしまう。困ってしまい、投げやりになりかけた私に、旦那が名案!


背の穴の開いた部分を爪楊枝か竹串で塞いでから、タコ糸をかけてはどうかと...


さっすが旦那!先に穴塞ぎをし、再度胸の面を閉じてタコ糸をかけたら、なんとか、破れかぶれのアヒルたんもロースト出来る形になりました。(滝汗)


ダックは私が塩や油を使って焼く数少ない肉の1つ。普段なら表面にオリーブオイルを塗り、結構たくさんの塩を擦り込んで焼くのですが、今回は何も使わず、そのままじっくり中温で蒸し焼きしたかったのね。


で、オーブントレーに水を張り、ダックが水に浸からないように底上げして、更に、焼けたとき取り出し易いようにラックに載せ、トレーの中に入れましたとさぁ。ところが...


ここでまたまた大きな失敗をしていることに気が付いた!ハイ、昨日はクリクリクリスマスだから、朝9時過ぎから泡を飲んどりました。そうです、失敗はまたまた酔っ払いだったから起こったこと...(滝汗)


フィリングにポークファット、つまり、脂身の多いベーコンを加えるのを忘れてしまったのです!


またまた旦那にアドバイスを乞うたら、ベーコンをダックの表面に載せてやいたらどうかと。これまた名案!そのアドバイス通りに、ベーコンをダックの表面に載せて焼くことにしました。


180度のオーブンで1時間半焼き、一度取り出して焼け具合をチェック。ナイフを刺したら、まだ赤い肉汁が飛び出したので、再びオーブンに戻し30分焼きました。


計2時間焼いた後は、ベーコンを取り外してダックだけをオーブンに戻し、温度を200度に上げ、約30分、脂の多いダックの皮をこんがりと焼いて脂肪燃焼させました。


山あり谷ありでやっと出来上がった骨抜きダックの肉詰めがこちらですぅ!(汗x100)本来ならこの胸の面には切れ目がないから、まるで骨のあるダックをローストした様な形になるんだよね。


ベーコンを載せて焼くつもりなんかしてなかったから、それをどう料理に盛り付けるか考えた結果、小さくハサミで刻んで、グレービーに加えることを即興で思いつきました。


ジブレッツで取ったストックはペーパーで漉し、ベジタブルストックを加えて火にかけました。煮立ったらベーコンとオレンジ汁(1/2個分)を加え、塩、ブラックペッパーで味を調えました。


いつもはグレービーにはドライシェリーかブランディーを加えますが、昨日はこちらにもフィリング同様にグランマニエを大さじ1杯加えとります。水溶き小麦粉でとろみをつけたら出来上がり。


付け合せの野菜はローストポテトにローストビーツ。このビーツはオレンジ色のもので、ゴールデンビーツって言うんだったかなぁ...?フレンチーな料理だから、フレンチビーンズ(いんげん)のさっと茹でたものを青いものに。(笑)


1年前、テレビでみたミッシェルジュニアの料理とは大幅に違うものになってしまったけれど、皿に取ってグレービーをかけると、まんざらじゃないでしょう。様になっておりマッスル!


脂っこい肉だけれど、兎に角丁寧に脂抜きして作ったので、グレービーにだって脂肪のリングは出来ていません。とってもクリアーで、和好みの日本人でも美味しく食べれる、あっさりした味に出来上がりました。


夫婦でクリスマスクラッカーを引っ張り合い、中から飛び出した、超ショーもないジョークで盛り上がってから、いよいよ、怒涛の一年の締めくくりのご馳走に食らいつき!!!(爆)


今年最後の大掛かりな料理は、間違いなく、今年一旨い料理に出来上がりました!


考えてみると、20年ちょい前エゲレスで暮らし始めた時には、クリスマスと言うと七面鳥を焼くしか脳がなかった私。ここまで料理の腕が上がったってことを、昨日はマジ、われながら自分をほめてやりたかったです。


たくさん飲んで、美味しい料理を食べて、欲しかったものをプレゼントしてもらい、旦那も上機嫌!


旦那には失敗続きのクリスマスディナー作りを手助けしてもらっただけじゃなく、このうんち一年、本当にいつも側に居て私のことを支えてくれたことを、心より感謝しています。


この人が居なかったら、マジ、私、どうなっていたか分からないと思う。これからも私の人生には、まだまだいろんなことが起こるだろうけれど、何があっても、この人が側に居てくれれば、その苦境を乗り切れるかなと言う気がします。


そして、最後になりましたが、決しておろそかにしたことはないのが、拙ブログを毎日楽しみにしてくださっている読者の皆様です。


私が辛い時、温かい言葉をかけてくださったり、そっと影から見守っていてくださったり、それぞれに表現の仕方は違っても、ブログを発信している私には、読者さん一人一人の思いやりがひしひしと伝わって来た1年でした。


まだ1週間ほどありますが、この場を借りて、皆様に心より御礼を申し上げます。本当に、本当に、この一年、有難うございました。これからも倍旧のお引き立てを賜りたいと、厚かましいことを期待しております。どうぞよろしくお願いいたします。


あっ、次回ダックの骨抜きをする時は、“素面でする!”を肝に銘じておきますですぅ...(滝汗)

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