当地は先週末からずっと悪天候が続いています。土日は特に酷く強風が吹き荒れ、夫婦して合羽着てシーちゃんとベイ坊をトイレに連れ出している時、幹ほどもある大きなメープルの枝が風で折れて落ちてきて、もう少しで家族全員大怪我をするところでした!(怖)


芝の種をまいたばかりの庭が湿っている時は、巨体のシーちゃんとベイ坊に暴れ回って欲しくないから、なるべく外に出さないようにしたもんで、2匹のエネルギーはたまりにたまり、それを抑えるのにおもちゃや骨にどんだけ金を使ったことか...(苦笑)


庭で遊ばせる代わりに、雨の中、ドッグパークに何度も連れて行きました。その帰り道、先週行けなかったウワジマヤにも行き、料理用の抹茶を買って来ました。その際、ウワジマヤで目についたのがオックステール。それを使い、夕べはこんなスープを作ってみました。


オックステールコンソメスープ

和・美・Savvy Cooking

このスープを、また東京ごはん映画祭のレシピコンテストに応募してみようと思っています。今回の映画は『天のしずく』と言うドキュメンタリー映画。募集テーマはスープ、映画の中で印象に残る料理はポタージュ・ボン・ファムです。


昔から私の実家では、家族の誰かが体調を壊すと、母が必ず鶏ガラを買って来て丁寧にストックを取り、それでスープや雑炊を作ってくれました。その母のスタミナ食を食べると、私ら家族はすぐに元気を取り戻したものです。


幼少の頃の母がしてくれたことを真似て、私は今、夏の猛暑にやられご飯が食べれず、ただでも痩せているのに更に痩せ細ってしまう父に、少しでも栄養をつけて上げたいと思い、野菜のおかずを煮るのにも鶏ガラでとったストックで煮たりして工夫を凝らしています。


なもんでね、この映画のあらすじ を読み、少なからず辰巳芳子先生と自分が重なってしまい、ジーンと来ちゃいました。(涙)私は辰巳先生の足元にも及ばない真似事だけしか出来ていませんが、親を思うその心に全く違いはありません!


作る過程の1つ1つに心を込め、ちょっとした手間も惜しまず、実に丁寧に作られている辰巳先生の ポタージュ・ボン・ファム 。私はクリアーなストックやスープだけれど、同様に父のために真心こめて作っています。


コンテストに応募することなど考えもせず衝動買いしたオックステール。映画のあらすじを読んで感動し、辰巳先生のポタージュスープに負けないほどの丁寧に作ったクリアーなコンソメスープを、この映画にちなんだ料理としてコンテストに応募してみたくなりました。


フォン・ド・ヴォー取り方の技法で、子牛の骨の代わりにオックステールを使って取ったストック。そのストックを何度も脂抜きや灰汁取りをしながら作った、極めてクリアーなコンソメスープです。


余分な脂肪や汚れのない、肉と野菜の旨味、それに私の愛情だけが200%詰まったスープです。(←カッコいいこと言い過ぎかぁ!爆)


<材料 2~3人分>

オックステール...中サイズのもの5~6個
たまねぎ...中1個
人参...2本(西洋人参であれば1本)
セロリ...2本
マッシュルーム...7~8個
トマト...中2個
パセリ...2~3本
タイム...2~3本
ローレル...1葉
白ワイン...100~120ml
顆粒ビーフストック...小さじ1(味の素のコンソメ顆粒小さじ1または固形1個で代用可)
塩ブラックペッパー...適宜

(その他)
チャイブまたはパセリの葉のみじん切り...適宜
イングリッシュマスタードもしくはからし...適宜


<作り方>

1.オックステールをオーブントレーまたはパイレックスの容器などに並べ、200度で予熱を済ませたオーブンで30分焼く。

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2.野菜の準備をする。たまねぎは皮を剥き薄切りし人参は綺麗に洗い皮がついたまま1~2cmに輪切りする。セロリの内1本は5~6mm幅に小口切りする。マッシュルームは石突を取り5~6mm幅に切り、トマトはへたを取り除き楔形に6~8等分する。


ブーケガルニを作る。残りのセロリのくぼみに、パセリ、タイム、ローレルを詰め、たこ糸で2箇所しっかり縛る。

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3.30分焼いたオックステールを一旦オーブンから取り出し上下を返す。再びオーブンに戻して30分焼く。

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4.合計1時間焼いたオックステールにたまねぎと人参を加え、更に5分オーブンで焼く。

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5.トングでオックステールを深鍋に移し、穴の開いたお玉でたまねぎと人参をよく脂を切りながら掬い上げ、同じ鍋に移す。オーブントレーに残った脂肪を流し捨て、ワインを加え、木べらでトレーの底の汚れをこそげ取って深鍋に加える。

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6.2リットル程度の水、残りの野菜を深鍋に入れ、ブーケガルニを浮かべて火にかける。

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7.沸騰したら火を弱め、中心に蒸気の抜ける十字の切れ目を入れたリードキッチンペーパー、もしくは灰汁取りシート(100均のでも十分役目を果たします!)を被せ、蓋をして約2時間煮込む。

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8.2時間煮たら熱い内に即、トングでオックステールを取り出し皿に移す。穴の開いたお玉で野菜を救い上げ別の皿に移す。

ストックはリードキッチンペーパーを敷いたざるで漉しながらボウルに移し、室温まで冷めたら冷蔵庫に入れ、数時間から一晩冷やす。

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9.数時間から一晩冷やしたストックを、再びリードキッチンペーパーを敷いたざるで漉し、ボウルの上に浮いたオックステールの脂肪を取り除く。ストックの内1リットルをコンソメスープ用に取り、残りのストックは後日用に冷蔵もしくは冷凍保存する。

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10.鍋にオックステールとストック1リットルを入れ火にかける。煮立って来たら顆粒ストック、塩、ブラックペッパーで味を調え、火を弱め、中心に蒸気の抜ける十字の切れ目を入れたリードキッチンペーパー、もしくは灰汁取りシートを被せ、蓋をして1時間煮込む。

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こうしてトータル調理時間4時間、2日がかりで作ったオックステールコンソメスープがこちらです!

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ちなみにストックを取るのに使った野菜の活用法として、1つアイデアを提案いたしますです。


ストックに旨味は生きているとは言え、まだ形ある野菜を処分しちゃうのはもったいない。そこで、残りのストックと共にボウルに入れハンドブレンダーでプロセスしちゃいます。

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手間だけれど、プロセスしたものを一度裏漉しします。それを鍋に入れ、塩、ブラックペッパー、お好みで風味付けに顆粒ビーフストックも少量(小さじ1/2ほど)加え、量が半分以下になるまで煮詰めてしまいます。

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出来上がりにブランディーかドライシェリーを大さじ1ほど加えると、自家製のデミグラスソースの出来上がりです。ハンバーグやスコッチエッグ、オムライスなどに合う、美味しいソースが出来上がります。

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スープとサラダ、それにパンだけの一見質素な夕飯の食卓ですが、市販のチキンスープで30分ほど煮込んだ野菜スープとは比べようのない手間隙がかかったご馳走スープ。ご馳走だからお客はん用のお皿に注いでみしたワン。(笑)

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オックステールってのは兎に角脂肪が多い!それでも2回3回と脂抜きと灰汁取りを重ねて作ったコンソメスープは、この通り、実にクリアーです!

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フォン・ド・ヴォーを取るには卵の白身を加え、そのたんぱく質を利用して灰汁を表面に浮かせ取り易くします。


でも、そんなことして黄身1個の使い道を考える余分な時間を費やさなくても、日本にはリードキッチンペーパーや、同質の灰汁取りシートと言う、外国ではあまり見かけない便利なものがあるので、私はそれをフルに活用してストックを取っとります。


スープにはチャイブがよく合います。なければパセリでも同様に美味しくいただけます。そしてどことなく風味が牛すじおでんに似たオックステールスープには、欠かせないのがイングリッシュマスタードかからしです。

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スプーンで潰せるほどホロホロに煮込んだオックステールに、からしをつけていただくのが、もう、こんな旨いもんありましぇん!の大満足感。


これもまたコンテストに応募しようと思うんだって旦那に言うと、このスープで受賞できなかったら、今後はもうコンテストで受賞しようなんて夢は抱くなと言われました。それ程このスープは美味しかったんだよね。(笑)


11月母が退院する予定なので、また帰国することになります。その時には同様にしてオックステールでストックを取ったコンソメスープを作って、父と母に食べさせてやりたいと思います。


しっかりと栄養をつけてやらないと、この前電話で聞いた話では、一旦涼しくなって止めた点滴を父はまた再開したらしい。この夏母が入院していて、40度近い炎天下を毎日のようにお見舞いに行ってたからね。


1日も早く夫婦二人がこれまで通りの生活が出来るようになることを願って止みません。母のことも心配だけれど、日々孤独化し、毎日冷凍ものを温めて食べている父を思うと不憫で仕方ない...


またまた厄介なことをお願いいたしますが、皆様に応援していただかないと、私なんぞがコンテストに受賞することは絶対にありえません。お手数ですが、こちら にアクセスして、ボタン押しまくっていただければ嬉しいです。


毎度、毎度、申し訳ございません。ご協力、心より感謝申し上げております。