日本に住んでいる人が聞くと、えっ?そんなつまんないことでハッピーになれるの...?と、笑われてしまいそうなんですが、自宅の庭で青じそや水菜を栽培し、料理に使いたい時いつでも利用できるってのは、海外に住んでいる日本人にとっては最高に幸せ!


だって、この手のものは日系のスーパーまで出向かないと、手に入らないもの!


昨日はその自家栽培の水菜を使ったお料理を作りました。シンプルな材料にシンプルな味付け。でもそれが、高度成長期に鯨を食べて大きくなった私には、どこか懐かしい味のする、とっても美味しい一品に出来上がりました。


ラムと水菜のはりはりブロス

和・美・Savvy Cooking

義父夫婦とコロンビア渓谷を旅行したり、彼らがエゲレスに帰った後掃除や洗濯に追われ、放置しっぱなしだった家庭菜園。この週末庭仕事の傍らそちらのお手入れもしました。草がボウボウで、結構大変だったワン!(滝汗)


今週末から私はまた日本なので、その前に作物の収穫も済ませておきました。


まずはトマト。全部あわせて2キロ以上あったんじゃないか知らん?夫婦二人ではいっくら好きでも一度にそんなたくさんのトマトが食べれない。そこで、大半はドライトマトにしちゃいました。

和・美・Savvy Cooking

2、3種類あるトマトを縦半分に割って(大きいのは4つ割り)種を抜き、5~6かけのにんにくのみじん切りを加えた約100mlのオリーブオイルをかけ、100度ほどの低温オーブンで7時間近く焼き、そのままオーブンの中で一晩冷ましました。


ディハイドレーターもあるんだけど、洗うのが面倒だし、トマトはガーリックオイルでオーブン焼きした方が、美味しいドライトマトが出来る!


今朝起きて瓶詰めしたのがこちらで~す。焼いている時からとっても良い香りが家中にプンプン漂っていました。味見してみると、これが最高に旨い!

和・美・Savvy Cooking

アンティパストの1つとして、このままワインのおつまみに食べても良いんだけれど、これを使った料理が作りたいワン。リゾットがいいか知らん?それともパスタ...?


かぶはまだちょっと小ぶり。でもいくつかはこのまま放置しておくと、またも、前回日本から戻って来た時のズッキーニのように化け物化しそうだったので(笑)、刈り取ってぬか漬けにしちゃいました。

和・美・Savvy Cooking

ぬか床は塩加減も発酵臭もバッチリ状態。それに漬けた小かぶは最高のお漬物。ちなみにかぶと一緒に写真に写っているきゅうりは雨のスーパーで買ったデカイイングリッシュキューカンバ。水っぽくて、漬けてあんまり美味しくない!(苦笑)


この前半分刈り取ってピクルスにしたビートルーツ 。残り半分も全部刈り取り、またまたピクルスにしちゃいました。前回は輪切りにして漬けたけれど今回は丸ごと漬け。プラウマンズランチ で食べるのが今から楽しみぃ~!


そしてズッキーニ、きゅうり、ベルペッパー(パプリカ)なども、ビートルーツ同様にお漬物にしちゃいました。エゲレス人にとっての沢庵やラッキョウ的存在・ピカリリー がそのお漬物。

和・美・Savvy Cooking

去年、ちょうど今頃日本に帰国した時、作りたてほやほやのピカリリーを絵留萌さんに差し上げました。彼女凄く喜んでくれて、自分でも私のレシピを参考に作り、味見して~って1瓶送ってくれたほどの気に入りようでした。


酸っぱいものが苦手な私は、彼女の作ったピカリリーの方が酸味がまろやかで美味しいと思ったけれど、反対に彼女は海外のホワイトビネガーで作ったピカリリーの方を好んでいました。


だからまた1瓶上げようと思って、今年は多めに漬けたのです。今回はマルクさんにも1瓶上げようと思っています。彼女、パンと豆が大好きってのは確かなんだけれど、酸っぱいものも好きって言っていた記憶があるんだよねぇ...


私が家庭菜園を始めたかった理由、それはこうして夏場に収穫した野菜や果物を、ピクルスやジャムにして長い冬に備えたかったから。


家庭菜園初めての年。中には上手く育たず枯れちゃったものもあるけれど、少なからず私の夢は実現し、保存食が作れて本当嬉しい!


水菜は種を蒔くだけで、結構手間要らずにあっと言う間に大きくなり、気が付いたら小さな花をつけているものさえありました。慌てて刈り取ったのだけれど、その水菜の束を見ていたら、幼い頃に食べたはりはり鍋を思い出してしまいました。


私、世間から非難されても、鯨の肉が大好きなんだわ。給食で食べさせれた竜田揚げ風の鯨や、夕飯の時に食べた鯨のステーキやはりはり鍋。鯨の肉なんて、もう何年も食べていないなぁ...水菜がそんな昔を懐かしく思い出させてくれました。


かと言って、アメリカで鯨の肉探しとかって騒いだら、雨人さんに後ろからナイフで刺されそうだし(怖)、代わりになる肉を捜し、たっぷりの水菜と共に、はりはり鍋をイメージした料理を作りたいと考えたわけです。


思いついたのはラム。牛や豚ではだめなんすよ。癖のある肉の代わりになる肉は、やっぱり癖のあるものじゃないと。


私の想像はばっちり的中したわよん。このブロスね、めっさめっさ旨い!!!合格


しかもラムの余分な脂肪を抜くだけ抜いて、風味だけを生かして作っているから、ラム嫌いの人でも、水菜のさわやかな風味で美味しく食べられると思います。私は麦を加えてとろみをつけましたが、パスタやラーメンを代わりに加えても絶対に美味しいと思う。


レシピは骨付きラム肉と、日本ではあまり見かけない精白丸麦を使った作り方です。後ほどジンギスカン用の肉と押麦代用の作り方も記しておきますので、水菜が簡単に手に入る日本の皆様、これから熱いものが美味しくなる季節に是非作ってみて下さいませ。


<材料 4~5人分>

ラムの骨付き首肉...1キロ強
白ワイン...100ml
固形ベジタブルストック...3~4個
塩、ブラックペッパー...適宜
パールバーリー(精白丸麦)...日本製のカップで1/2
水菜、4~5cm幅にざっくざっくと刻む...1束、またはそれ以上、たっぷりと!
刻みチャイブもくしはねぎ...適宜

和・美・Savvy Cooking

<作り方>

1.ラムがひたひたに浸かる程度の湯を沸かす。ラムを入れ、トングで摘んで揺すり洗うようにしながら、5~6分、赤みがなくなるまでボイルする。

和・美・Savvy Cooking

2.1をざるに空け流水でラムを洗って水切りする。鍋は洗剤で汚れを綺麗に洗い流す。

3.ラムを再び鍋に入れ、ワインとたっぷりの水(1.5リットル程度)を張り火にかける。ぐつぐつ煮立ってきたら火を弱めて蓋をし、1時間以上じっくりとボイルする。

和・美・Savvy Cooking

4.ラムを皿に取り出し、ストックはペーパーで漉しながらボウルに取る。ラムが手で触れるようになったら肉と骨に分け、肉は食べ易い大きさにほぐし、骨は処分する。ストックは室温まで冷めたら冷蔵庫で数時間~一晩冷やす。

5.冷蔵庫で冷やしたストックを再びペーパーで漉しながら鍋に移す。火にかけ、煮立ってきたら固形スープを加えて溶かす。塩、ブラックペッパーで味を調え、ほぶした肉と精白丸麦を加え、火を弱めて蓋をし、約1時間程度、麦が膨れて柔らかくなるまで煮る。

和・美・Savvy Cooking
ストックは2度目に漉した後、1.5リットル程度になるよう水を足して下さいまし。

6.水菜を加え、しんなりするまで4~5分煮、必要に応じて調味料を追加したら出来上がり。ボウルに盛り、チャイブかねぎをたっぷりガーニッシュする。

和・美・Savvy Cooking

ラムはダイエットにも良いって聞いたことがあるけれど、だからって、余分な脂肪を取り除かずにパクパク食べてたらデブりますでぇ!(笑)


ラムってのはめっさ脂っこい肉だから、脂肪は取り除けるだけ取り除いて調理するのが賢明です。またその方が、独特の臭みも気にならず美味しくいただけますぅ。


日本でならばジンギスカン用の肉と押麦を代用されるのが良いでしょう。その場合は、焦げ付かない加工が施されたフライパンで油を引かずに肉を先に焼きます。


肉に赤身がなくなったら穴の開いたお玉でペーパーの上に取り出し、フライパンの底にたまった肉汁や水は、惜しみなく処分しちゃいます。


鍋に湯1.5リットルと固形スープ入れて火にかけ、ぐつぐつ煮立ってスープが完全に溶けたら、別途フライパンで焼いて脂切りをした肉と押麦を加え、塩、ブラックペッパーでを調え、再び煮立ったら火を弱めて蓋をし、押麦が膨れて柔らかくなるまで30~40分煮ます。


後は上のレシピと同じ。たっぷりの水菜を加えてしんなりしたら出来上がりざんすぅ。


最近食卓にはめったに登場しなかったバゲット。昨日はシンプルな材料とシンプルな味付けのブロスを、シンプルにバターを塗ったバゲットと共にいただくことにしました。

和・美・Savvy Cooking

このブロスは旦那も絶対に気に入ると思っていたのね。思った通り、大うけでした!


ただ旦那からは、“同じブロスでもスコッチブロス のように、何十年経っても飽きず誰からも愛される料理ではないけれど、創作料理としては最高傑作の1つと言っても過言じゃない!”と、褒められているのかけなされているのか訳分からんことを言われました。(笑)


ブロスが美味しくてたくさん食べてくれた旦那は、まだ食べたことのないはりはり鍋の味を、このブロスから想像して、是非一度食べてみたいと興味津々でした。

和・美・Savvy Cooking

脂っこいラムのブロスも2回脂抜きをし、おまけに私は肉と麦を煮る時、100均のあく取りシートを使ったので更にクリアーでヘルシーなブロスに出来上がりました。


だから全然しつこくないの。風邪を引いて気分が悪い時などでも、透き通ったスープと水菜のさわやかさで、ついついたくさん食べれちゃいそうな一品。


日本に帰ったら、今回はチキンではなくラムで、ブロス好きの爺さんにもこのブロスを作ってあげようかなと思っています。ちなみに夕べ残ったブロスは、留守中の旦那の夕飯に冷凍保存しました。