私、実家に帰ってきて冷蔵庫を開け、両親が賞味期限切れかけで割引になったものを買って入れてると、“ほんま、あんたら、貧乏くさいなぁ!”と、両親にブーブー小言を言います。しかしその実、私は彼らの子で、割引ものを探すのが大好きなのです!(爆)


実家に帰ってくると、歩いて2、3分のところにあるスーパーに、閉店間際に割引商品を求めて行くのが日課。(爆)この前は寿司の詰め合わせが安くなっていて買い、夜食にペロッと一人で完食しちゃったよぉ!(滝汗)


一昨日の夜もやっぱり割引商品を求めて行ってみました。大当たりの晩で、半額になった肉をいくつかゲット。夕べはその割引肉を使って、私がまだ小学低学年だった高度成長期時代を懐かしむ、爺さんの唯一大好きな鶏肉料理を作りました。


昭和のローストチキン
~骨付き鶏もも肉とキャベツ~

和・美・Savvy Cooking

東京に住んでいた頃、ある日、私と同年代の、しかも関西出身の男性を夕飯に招待し、ローストチキンを振舞いました。その時その男性がこう言ったのです。


“骨付き鶏!豪華!僕ら子供の頃、骨のついた鶏肉と言うともも肉で、誕生日や祝いごとの度、母が焼いてくれましたわ。”


同じ時代に大きくなった私には、その男性の言葉は自分の幼少時代をそのまま語っているようでした。そうそううちの実家でも、誕生日には母が、鶏の骨付きもも肉を焼いてお祝いしてくれたっけ。


でも、鶏の骨付きもも肉と言うと、私には誕生日よりももっと懐かしい思い出がある!


昔、父の会社では年に2、3回打ち上げパーティーがあり、その日は職場に酒と仕出し屋の料理が並び、就業後、同僚達と酒を飲んでから父は帰宅していました。


ある時、打ち上げに参加した人数が予定を大幅に下回り、料理がたくさん余ったとかで、もったいないから参加者で分けて持ち帰ることにしたようです。父は私の大好きな鶏の骨付きもも肉の焼いたのを、お土産に1つもって帰ってくれました。


あの骨付きのもも肉の焼いたのは、私の人生でもらった最高のお土産でした!(笑)


時はまだ1960年代半ば、アポロが月面着陸する前のことだもの。骨付きもも肉なんて高級品よ!それが突然目の前にドカンと姿を見せ、食べてぇ~~!と私にささやきかけたんです。最高に嬉しかったわ!(爆)


もう遅いから明日食べるように言う母の言葉を無視し、就寝前にペロッと平らげたことを今でも鮮明に記憶しています。


それ以降、職場で打ち上げがある度、私は決まって父に、“もも、もって帰ってなぁ!”と頼んでいました。そして父も私のリクエストに応え、鶏の骨付きもも肉の焼いたのをお土産に持って帰ってくれたのでした。


今思えば、当時は鶏の骨付きもも肉の焼いたのは、パーティー料理のメインだったのに違いありません。人数分しか注文していなっただろうから、父は自分の分を食べずに持って帰ってくれてたのでしょう。


その鶏の骨付きもも肉も、70年代に入ると全然有難くないものになってしまい、全然特別じゃない普段の夕飯に登場するようになりました。鶏の骨付きもも肉というと興奮していた私も、“またももかい!”って贅沢にもうんざりしていたものです。


それから時は40年も経ちました。今では外人と結婚し、外国に住み、骨付きもも肉どろこか丸鶏をオーブンで焼くようになってしまった私!叫び


しかし日本人の私には、時には昔母が焼いてくれたように、ジャポニカローストチキンの原点・フライパンでこんがり焼く鶏の骨付きもも肉が、無性に食べたくなる時があるのです。肉を焼いた後の肉汁で炒めるキャベツ、これもまた格別の付け合せです。


爺さんは牛肉一筋の人。でも鶏の骨付きもも肉の焼いたのだけは、牛肉に勝るとも劣らず好き。可愛そうにその昔、娘のために食べたいのを我慢し、持って帰ってくれてたんだね。改めて感謝。


最近ではかしわ屋か大きなスーパーにでも行かないと殆ど見かけない鶏の骨付きもも肉。一昨日の夜、割引もんを求めて近所のスーパーに行くと、珍しく売っていて、しかも50%引きで、2つだけ残っていた。迷わず買っちゃったわよん!


そして夕べ、子供の頃母が焼いてくれていたのを真似て焼き、爺さんと二人、バーバリアンのごとく手づかみで食らいつきましたワン!(爆)大きなもも肉を、食細の爺さんも1本完食しました。(驚)


余分な皮を切り取ったもも肉の両面に、薄く塩とハウスかS&Bの安もんのテーブルこしょうをします。昭和のローストチキンにはオサレなブラックペッパーは合いません!(笑)そのまま5~10分くらい寝かせておきます。


焦げ付かない加工のされたフライパンと、しっかり密閉状態になる蓋を準備します。ガラスの蓋を使うと、中の焼け具合が確認できるので便利。


油を引かず、皮の面を下にし、重ならないようにフライパンに並べます。蓋をしっかりして中火くらいの火にかけます。但し火力はコンロによって調節ね。このまま10~12分、絶対に蓋を開けないでじっくり焼きます。


上下を返し、また蓋をしっかりし、皮面と同様にしてもう一方の面も10~12分焼きます。上下を返し蓋をして、再度皮面を2~3分焼いたら、上下を返し、ここで酒を少々振り入れ、即蓋をして2~3分蒸し焼きにしたら出来上がり。(各面2回焼くってことね。)


お皿に取り出してアルミフォイルなどで持ち手になる骨を包んでくださいませ。冷めないようにフォイルを被せて蒸らしておきませう。


鶏肉を焼いたフライパンに、ざく切りしたキャベツを入れ、蓋をして火にかけます。数分おきに混ぜ合わせ、全体に万遍なく火が通るようにします。好みの柔らかさになったら、最後に塩とこちらはブラックペッパーで味を調え、鶏肉のサイドに盛り付けます。


下手にたれで絡めたり、マリネしてから焼いたり、ソースを作ったのでは、昭和のフライパンローストチキンは、美味しくないのです!食卓で醤油をパラパラっと肉とキャベツにかけてたべるからこそ、ジャポニカらしい旨さがある!(笑)


私は子供の頃、舌が贅沢になってだんだん鶏の骨付きもも肉が有難くなくなってしまってから、これを作る日は母に頼み、私の分は肉抜きの肉汁で炒めたキャベツだけにしてもらっていました。それくらいこのキャベツはメインの肉を超える美味しさです。


けどね、この鶏の骨付きもも肉のフライパンロースとは、日本のチキンだから出来る料理。海外の骨付きもも肉だと、別途下準備が必要です。


日本の骨付きもも肉はフライパンで焼くことを想定し、ももの部分に火が通り易いように薄くしてあるし、また血管処理もされているみたい。海外の鶏肉を同じ調理法で焼くには、焼く前に必ずももの部分に火が通り易くし、血管処理することをお勧めいたします。


また、雨のチキンの場合は、絶対にオーガニックのチキンで。ノンオーガニックの皮付きもも肉でこれをすると、皮面を焼いたら大量の脂肪が溶け、チキンが脂でグツグツボイル状態になってしまいます。ドクロ


ところで昨日、2つだけ残っていたジャガイモで、日本風なタラモも作ったの。これね、超簡単なのに、めっさ美味しくて、イチオシのタラモレシピです!

和・美・Savvy Cooking

芋を潰さないように、且つ芯まで柔らかくなるまでボイルし、水切りしてフォークで潰します。ポテトサラダを作る時同様に、熱い内に塩、白こしょう、酢を少量加えて混ぜ合わせ、そのまま完全に冷まします。


冷めたらみじん切りのパセリの葉を適宜加え、QPテイスティー明太子ドレッシング3に対し、マヨネーズ1程度、それに摩り下ろしたにんにく1かけ分とブラックペッパーを加えたドレッシングを作り和えるだけ。ドレッシングやマヨネーズの量や割合は適当です。


にんにくの摩り下ろしを加えることで、一気に本格的タラモサラータ風味のタラモが出来ます。是非お試しくださいませ。私はあんま美味しかったので、このドレッシングを1本買ってアメリカに持ち帰り、旦那にも作って上げるつもりです。