今日、アメリカに戻ります。その出発前に、久々にレシピをアップ!


これは私の母の故郷の郷土料理。同じその地方でも、各家庭によって炊き方(関西では煮ることをご飯同様に炊くと表現することが多い)や味付けは多少違い、私が今日ご紹介するのは、我が家に代々伝わる炊き方です。


とにかく旨くて、これを食べたら、もう市販のきゃらぶきなんてのは絶対に口に出来ないという佃煮です。


やまぶきの千本炊き

和・美・Savvy Cooking

4週間前実家に帰ると、冷蔵庫に千本炊きにそっくりなやまぶきの佃煮が入っていました。一口食べると、これは母の作ったものじゃないってのが、すぐに分かりました。


父曰く、ご近所の奥さんが毎年煮てくれるそうな。でも、母の千本炊きの味に慣れ親しんでしまっている父は、その佃煮の味付けが気に入らなくて一切食べないので、もらう度、もったいないって理由で母が一人で何日にも分けて食べきるそうです。


”炊く前のやまぶきをくれたら、婆さんが美味しい千本炊きを炊いてくれるのに...”ってのが、母の作る千本炊きを誰よりも愛する父の愚痴。(笑)


私も父に同感で、父娘してまったく手を出さないため、2日経っても3日経っても、そのきゃらぶきは一向に減りませんでした。ご親切でおすそ分けしてくれたご近所の奥さんには申し訳ないのだけど、正直閉口しとりました。そこで...


煮なおすことを考えた私。爺さんに、"私が炊きなおしてみて上げるわ”と提案したら、父...


”あかん、あかん、もうすでにわしがいっぺん炊きなおしてみたんや”と言うではないかいな。(笑)


母が動けなくなり、手を加えてみるものがおらず、料理なんて出来ないのに爺さんは、しょうゆや砂糖を適当に加えて煮なおしてみたみたい。


でも味は、ますます不味くなってしまって、とうとう、もったいないが口癖の父に、あっさり捨てるといわせるほど不味くなってしまった。(爆)


だからやまぶきを買って来て、薄っすら記憶に残っていた母の作り方と、舌が覚えている味付けを頼りに、生まれて初めて作ってみました。


そしたらすんごく美味しくできて、父も大喜び!


だから来年以降の為に、母やばあちゃん、そのまたばあちゃんが目分量で作っていた千本炊きのレシピを、ブログに数字とともに残しておくことにします。


<材料 450ml程度の保存瓶約1つ分>

やまぶき...600g(茹でて皮を剥いた後の目方)
しょうゆ...150ml
きざら...150g
酒、みりん...各大さじ2
塩昆布...25g(ふじっ子の減塩塩昆布1袋)


<作り方>

1.ふきは洗い茹で易いように半分に切る。沸騰しているたっぷりの湯に入れて下茹でする。茹で時間はふきの太さなどによって、細いものなら10分弱、太目のものであれば20分程度しっかり茹でる。

2.1をざるにあけ、水を何度も替えながら完全に冷まし水切りする。皮を丁寧に剥き、3~4cmの長さに切り分けて水に浸ける。途中数回水を替えながら、4~5時間浸けてあく抜きをする。

3.鍋にしょうゆ、きざら、酒、みりん、塩昆布を入れて火にかける。煮立ってきたらしっかり水切りしたふきを入れ、再び煮立ったら、真ん中にはさみで切れ目を入れたリードキッチンペーパー、もしくはあく取りシートをかぶせ、蓋をし1時間半程弱火で煮る。

4.落し蓋代わりのペーパーを取り除き、再び蓋をして、20~30分、煮汁の量が減るまで煮詰める。(焦がさないように注意!)


水を使わずに煮ているので、消毒した瓶に詰め、冷蔵庫で上手に保存すれば、1年経っても食べれる保存食っす。食べる時は乾いた箸で食べる分だけを取り出し、即冷蔵庫に戻します。


今日からは一人で食事をすることになる父。大好きな千本炊きも、毎回食卓に並ぶことでしょう。


父は甘やかされて育っている子供よりも偏食!とにかく好き嫌いが多いのと、自分の好きな食べ物でも、味付けが気に入らなかったら食べない人。


なもんで、アンチ冷凍保存で派、何が冷凍できて何ができないかまったく知識のない私が、ネットで調べ、冷凍できるもので父の好きなものばかりを1か月分作りだめし、1回分ずつジプロックやタッパーに分け冷凍保存しました。


解凍の仕方や温め方を、大きな字で書いて冷蔵庫に貼り、必ず毎日1つは食べるようにと言ってるんですが、どうかな...食べるかな...めっさ心配。


母のことも心配。でも、あっちは24時間完全看護で看護師さん達が注意を払ってくれる。けれど父には、それがないでしょう。母のこと以上に心配で仕方ない。


4週間、死ぬほど疲れたので、とにかく一度アメリカに帰りたい。旦那にもシーちゃんにもベイ坊にも会いたい!


でも、後ろ髪引かれて仕方ないよぉ。(涙)