昨日、私は、6年間、ことある毎に旦那に嫌味を言われながら、それでも断固負けず放置し続けたことを、とうとう成し遂げました!(滝汗)


まぁ、そのおかげで、すんごく美味しい、本格的スペイン料理を晩ご飯に食べることは出来たのですが...(笑)


牡蠣とイカのパエリア

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6年前、旦那が今の会社に転職した時、2ヶ月間の研修で単身シアトルに長期出張しました。しかしそこは日本の会社とは違う!会社の都合で夫婦を2ヶ月も離れ離れになるのは申し訳ないと言って、私の航空運賃やホテル代まで会社が出してくれたのです。


これには、驚いたね!お言葉に甘え、大阪から東京への引越しを、旦那なしで両親に手伝ってもらって済ませた後、旦那に合流し、シアトルに3週間滞在させていただきました。初めてのシアトルでした。


その時、私の大のお気に入りショップとなったのが、パイクストリートマーケットにあるシュール・ラ・ターブルと言うキッチンショップでした。


当時、日本ではシリコン製というとフライ返し程度だったのが、この店ではありとあらゆるものがシリコン製であることに超驚き、アイデアの宝庫アメリカらしく、エゲレスや日本のキッチンショップにはない斬新な商品のオンパレードが、私を大きく引きつけました。


このキッチンショップはアメリカ各地にチェーン展開しています。しかしアメリカに関しては全く無知だった私は、パイクストリートマーケットにしかないと思い込み、以降、旦那の出張にくっついてシアトルに来ると、必ずこの支店まで足を運んだものです。(笑)


そのキッチンショップに初めて行った時に買ったものの1つが、このカーボンスチール製のパエリアパンです。天井からぶら下がったいろんなサイズのパエリアパンを見てたら、どうしても欲しくなって、直径34cmのを20ドルほどで衝動買いました。

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昨日までパエリアパンは、買った時のまま値札までついていました。(爆)

この鍋でパエリアを作るのが楽しみだったワン。ほんだから帰国して即、パエリアを作ろうと思い、鍋を取り出しました。しかし...


私は計算間違いをしていた!!!


と言っても、それは鍋のサイズが二人家族には大きすぎるとか、そんな単純な計算間違いではない。


鍋を使う前に、えれぇ~手間なことをしないといけないのと、使った後も毎回、そのえれぇ~手間なことをしないといけないという、鍋を買ったがために生じる余分な手間を、計算間違いで背負ってしまっていたのです!(苦笑)


スチール製の鍋だから、まず使う前に保護膜を綺麗に洗剤で洗い流し、その後、英語ではシーズニングと呼ぶ、いわゆる「空焼き」、「油ならし」をしないといけないのです。


私はこの手の手間なことが実に大嫌いな人。説明書を読んだだけで、ドドドッと鍋に対する関心はドンビキ。(爆)旦那が、ほんじゃぁわしがやってやる!と言ってくれたけれど、ここでまたまた別の大きな問題も生じました。


実はこの問題こそが、手間よりも何よりも、私の大きな計算間違いだったと呼ぶべきなのですが...


使った後は洗剤をつけてごしごし洗わず、汚れをさっと洗い流したら、再びシーズニングしてから仕舞うようにと説明書には書いてあった。でもよ、それだと、鍋にはパエリアの残り香が、いつも多少ついているってことっしょ!


私は一見怖いものなしの“和田アキ子素人版”み大女だけど(爆)、実は、ゴッキーが怖くて怖くて仕方ないのです!


その怖がり方は異常で、その為に大阪では、賃貸アパートなのにうん万円自費でゴッキー消毒してから入居し、東京ではあいつらを避けて28階に暮らしていたのです。


日本では、家の中にゴッキーがクンクン匂いをかぎつけてやってくるようなものは、一切、置いていませんでした!それが、パエリアの残り香が常についた鍋なんかを、どないして家の中、しかもキッチンに、この私が仕舞えるとというのです。冗談はよせの世界!!!(笑)


これが理由で、旦那にはアホ扱いされ続けながらも、アホでもボケでも構わないからと、私は絶対にこの鍋を日本では使わなかったのです。(笑)


シアトルはエゲレス同様、幸いゴッキーはおりません!ホッ。


あっ、でもエゲレスでも場所によってはゴッキーが出るんだよね!一人暮らしの時2回ほど出て、気絶しそうになったしぃ。だからここでも100%安心はしていないけれどね。(汗)


先週末、スーパーの魚売り場を通りかかった時、ふと、その店で前にパック入りの牡蠣を買ってフライにしたら、美味しかったことを思い出した。


旦那は牡蠣が大好きだから、1週間の献立予定は狂ってしまうことになるけれど、売っていたら買って、牡蠣料理を作って上げようかな...と探してみたら、ありました、ありました!

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買って来たそれを旦那に見せ、何を作って欲しいか聞いたら、ご飯がメインの献立が苦手な旦那が、パエリアをリクエストして来たのです。


これまではパエリアと言うと、シーズニングの手間とパエリアの残り香を避けるために、 炊飯器で簡単パエリア ばかり作っていた。(汗)


でも、日本ではマンションの28階までも私を追っかけてきた天敵ゴッキーも、シアトルにまで姿は見せないだろうと信じ、6年間、値札を付けたまま放置していた鍋を取り出し、面倒なシーズニングをし、本格的にパエリア鍋でパエリアを作ることにしたのです。


昨日のパエリアにはパプリカとケイエン(カイエン)ペッパーを使い、うちの旦那好みのスパイシーな味付けにしています。もし、下のレシピで作ってみようと思われる方がいましたら、スパイスの量はお好みの辛さに調整してくださいませ。結構辛いっす!

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アメリカって食い物は安いのに、なぜかスパイスは結構高い!
雨オバ達料理をしないから、売れないので高いのか知らん...?(笑)
ワールドマーケットと言う萬屋で買うと、かなりお手ごろ価格。
最近ではスパイスはなくなると、態々この萬屋まで買いに行っています。


<材料 直径34cmのパエリア鍋1つ・約5~6人分>

白ワイン...150ml
牡蠣...15粒程度
チキンストック、顆粒または固形スープの素をパッケージの分量より少し薄めに湯に溶く...1.2リットル
オリーブオイル...適宜
冷凍イカ、解凍しておく...180g
レモン汁...1./2個分
脂身の多いベーコンまたは豚バラ、細かく刻む...2枚
笹身または鶏の好みの部位、細かく刻む...100g
フランクフルト(細)またはチョリッソの名で売っているスパイシーウインナー、5mm輪切り...2本
サフラン...ひとつまみ
たまねぎ、みじん切り...小1個(私はシャロット大2個使用)
にんにく、薄切り...2~3かけ
パプリカ、ヘタと種を抜き1cm角切り...1個(赤がベターでも高いので安い緑を使用。汗)
マッシュルーム、石突を取り除き薄切り...5~6個
トマト、皮を剥き角切り...中2個
冷凍グリーンピース...1/2カップ
冷凍茹で剥き小海老...120g
パプリカパウダー...大さじ1
ケイエンペッパー...小さじ1(←お好みの辛さに調整要)
パセリの葉のみじん切り...1/2カップ
トマトペースト...大さじ1
塩ブラックペッパー...適宜
リゾット米または日本米、洗わずに使用...375g(2.5合)

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<作り方>

1.フライパンに白ワインを加え火にかける。煮立ってきたら洗って水気を切った牡蠣を入れ、さっと火を加える。牡蠣は一旦皿に取り出し、鍋底に残ったワインはペーパーで漉して、チキンストックに加える。

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2.1のフライパンにオリーブオイルを熱しイカをさっと炒め、牡蠣と同じ皿に取り出す。レモン汁を牡蠣とイカにふりかける。鍋底にイカのジュースが溜まっていたら、1同様にペーパーで漉してチキンストックに加える。

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3.パエリア鍋、もしくは大きめのフライパンを熱し、油を引かずにベーコンを炒める。ベーコンから脂が浮き始めたら、笹身とフランクフルトも加え、笹身に赤身がなくなる程度までさっと炒める。2とは別の皿に一旦取り出す。

4.3の鍋底に溜まったベーコンファットでサフランを1分足らず炒め、その強い香りを多少飛ばす。たまねぎを加え、薄黄色く色づくまでよく炒める。にんにくも加え、更に1分程度炒める。

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ベーコンもしくは豚に脂身が少なかったり、鍋が老朽化している場合は、
多少のオリーブオイルを加えて肉類を炒めると良いです。
必要に応じ、たまねぎを炒める際にもオイルを追加してくださいまし。

5.4にパプリカとマッシュルームを加え2分程度炒める。次にトマト、グリーンピース、小海老を加え、更に1分程度炒める。

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6.5にパプリカパウダーとケイエンペッパーを加え、全体にスパイスがコーティングされるように木べらでよく混ぜながら1分程度炒める。

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7.6にワインやイカ汁の加わったチキンストックの約9割(1.2リットル程度)を加える。煮立ってきたらパセリのみじん切り(一部ガーニッシュ用に残す)、トマトペースを加え、塩、ブラックペッパーで軽く味を調える。

8.7に米を加える。木べらで混ぜて米を全体に行き渡らせたら、火を弱め、15分程度、米が水分を吸収し、表面に姿を見せ始めるまで煮る。

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9.味見をし、必要に応じて調味料を追加し味を調える。肉類を加え全体に満遍なく混ぜる。牡蠣とイカを平均にトッピングし、木べらの背で軽く米の中に押し込む様にして更に15分煮る。ストックの減り具合と米の硬さに応じ、残りのストックを必要に応じ追加する。

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10.残りのパセリをガーニッシュし、鍋ごと食卓へサーブ。


私、普段使っている鍋でも、洗ったらそのまま仕舞い込むだけの横着もんですが、旦那は使用後は、オイルと塩を使いちゃんとシーズニングしてくれます。(汗)なもんで、昨日初めて、そのシーズニングなるものを自分でしましたよん。

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でもね、こうしてゴールデンカラーになるまで空焼きし、油をならすと、ご飯を炊いても全く焦げ付かず、正直、ビックリでした!やっぱ、ひと手間ってのが、料理を美味しく作るコツなんですなぁ...シミジミ。


6年間、天敵ゴッキーを恐れる私に一度も使ってもらえなかったパエリア鍋。やっと日の目、もとい“火の目”を見る時を迎えました。(涙)出来上がったパエリアは、やっぱねぇ、炊飯器で作るのとはちゃいます!めっさ、旨そう!!!

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こういう料理の時は、取り分けるのは必ず旦那の仕事です。大好きな牡蠣も、イカもたっぷり入ったパエリア。彼好みにスパイシーな味付けにもしました。

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私、昨日初めて聞いたのだけど、旦那にはパエリアの思い出があるらしい。


旦那の両親は彼が6歳の頃に離婚し、その後母親の再婚相手の仕事の都合でオーストラリアに渡った旦那は、夏休みになると、3つ下の妹を連れてエゲレスの父親の元に、子供二人で大旅行をしていたみたい。


その父親にある年、二人はスペイン旅行に連れて行ってもらったそうです。そこで食べたパエリアが、ちょうど昨日のパエリア同様に、牡蠣とイカがメインだったらしい。


ご飯の炊き具合もその時のパエリアにそっくりだとかで、旦那はもう、大、大、大満足に、子供の頃を回想しながら本格的パエリア鍋で作ったパエリアを堪能していました。


鍋はその後、さっと洗剤をつけて手洗いし、空焼き、油ならしをしました。


パエリアの残り香が、虫の臭覚に察知されるかも知れない鍋を、ちょっと恐々なんだけど、ゴッキーが出没しないことを祈りながら、仕舞い込んだゴッキーフォービアの私...叫び叫び叫び