アメリカのスーパーの惣菜は、本当、美味しくないです!でも、エゲレスのスーパーの惣菜は、日本のスーパーレベルに結構美味しい。


そのエゲレスのスーパーの惣菜コーナーで、必ず目にするものの1つを一昨日作り、一晩冷蔵庫で冷やして、昨日晩ご飯にいただきましたですぅ。


この前ウワジマヤで、使う計画もないのに買ってしまったうずらの卵。その使い道を考えていて、ふと、思いついたレシピです。通常は鶏、うずら関係なく、ゆで卵は入ってはおりましぇん。(笑)


Pork π(ポークパイ)

和・美・Savvy Cooking

エゲレスのスーパーの惣菜コーナーでは、予めパックに詰まったものと、デリカウンターで量り売りしているものが買えます。どんなものが売っているのかというと、日本やアメリカ同様に、万人受けするポテトサラダなど。


あと、アメリカ同様にエゲレスも人種の坩堝だから、サモサのようなアジアンなものや、ドルマデスのようなメディタリーニアンな惣菜なども売っています。でも、そこはエゲレス!もち、エゲレスならではの惣菜も売っていますよん。


スコッチエッグ、ソーセージロール、コーニッシュパスティーなど。今日私が紹介する、エゲレス伝統のポークパイも、惣菜コーナーでエゲレス人に人気のあるものの1つです。


エゲレス人、これらのミートプロダクツが本当、大好き!


ピクニックに行くと言うと持っていくし、電車に乗って遠出するというと駅弁代わりにするし、そして、結婚式の後のカジュアルなパーティー(日本の2次会に当たるもの)にも、かならず登場します!


昔、初めてエゲレス人の結婚式の後のパーティーに招待された時、私、マジ、ビックリした!場所はパブの貸切。登場した料理はスーパーでいつも目にしているエゲレスならではの惣菜オンパレード。


おまけに、パブのカウンターでビールを注文したら、金を取られるし、新郎新婦にはお祝いの1杯ずつをおごってやらねばならないし、こんな金がかかって、大したものも食わせてもらえないパーティーなら、来るんじゃなかったって後悔しました。(爆)


いやまぁ今結婚式の話は余談として、エゲレス人はこの豚肉や牛肉で作ったフィンガーフードが、兎に角大好きだと言う喩えで愚痴ってみました。(笑)


一昨日私が作ったポークパイは、家で作るとなると、エゲレスならではのフィンガーフードの中では、恐らく一番手間と時間のかかるものです。パイ生地もバターを使って作る手法とはちょい違います。


でもね、店で買うのは、たまに食べたらそれで十分な味ですが、こうして手間と時間をかけて自宅で作ると、ポークパイは実に美味しいです!スコッチエッグよりコーニッシュパスティーより、好きかも...


これまで はレシピ本を片手に作っていましたが、それらの書物を参考にしながら、今回は私の考えたレシピで作ってみました。少しでも手間を省く為に肉もミンチ肉を使い、また、うずらの卵を食べきる為に、スコッチエッグ風に肉種に詰めてもみましたよ。


ただ、1つ白状すると、パイの生地に使うラードを切らしていて、トランス型脂肪酸で体に毒なのを承知の上で、ショートニングを代用しました。(滝汗)植物性のものは私は好きじゃないんだけどね。

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ハーブやスパイスも加え、すんごく美味しく出来上がっています。手間だけど、エゲレスの伝統的な味を作って食べてみて欲しいですワン。

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ハーブは全部揃わなければ、2種類でも3種類でも。

<材料 18cmのラメキンまたはスプリングフォーム型1つ分>

(肉種)
豚ミンチ...450g
ベーコン(必ず生ベーコン!)、細かく刻む...2枚
たまねぎ、細かくみじん切り...1/2個
セロリ、細かく刻む...1本
卵...1個
パセリ、細かくみじん切り...1本
セージの葉、細かくみじん切り...5~6枚
タイムの葉...2~3本分
ローズマリーの葉、細かくみじん切り...1本分
ナツメグ...小さじ1./2
ガラムマサラ...小さじ1/2
シェリー酒またはブランディー...大さじ1(オプショナル)
リー&ペリンウスターシャーソース...大さじ1(オプショナル)
塩ブラックペッパー...適宜

(生地)
強力粉...150g
薄力粉...150g(またはオールパーポスかプレーンのみ300g使用)
塩...ひとつまみ
卵黄...1個
水...140ml
ラードまたはショートニング...100g+型に塗る分

(アスピック)
果汁100%のりんごジュース...120ml(私はりんごを擦って絞ったジュースを使用)
顆粒チキンスープ...小さじ1/2
ゼライス...1/2袋

(その他)
うずらのゆで卵...10個
溶き卵白、生地に使った卵黄と分けたものに塩少々を加え溶きほぐす...適宜


<作り方>

1.肉種の材料をボウルに入れ、手で粘りが出るまでしっかり混ぜ合わせる。ラップを被せ、冷蔵庫で30分程度休ませる。

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シェリー酒(またはブランディー)とリーペリンをオプションにしたのは、
これらを加えると、空気穴から肉汁が大量に出て表面が汚くなるからです。
肉汁が固まらない熱い内に、ペーパーで丁寧に拭き取る気力があれば、
やはりこの2つは絶対に加えたい材料です!


2.生地を作る。強力粉、薄力粉、塩を合わせ篩いながらボウルに入れる。粉の中心に凹みをつくり卵黄を入れる。周りの粉をかけて卵黄をすっぽり粉で被ってしまう。

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3.水とラード(またはショートニング)を小鍋に入れ沸騰させ、脂肪を完全に溶かす。

4.3を火から下ろし即2のボウルに加える。木べらで手早く混ぜ合わせる。

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5.粉と液体がほぼまとまったら台の上に取り出しスムーズな生地にまとめる。1/3を蓋用生地に分ける。

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6.型に貼る分の生地を熱い内に麺棒で延ばし、薄くラード(もしくはショートニング)を塗った型に貼る。

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これまでポークパイを作るのに参考にしていた本では、生地を冷蔵庫で休ませていますが、
他の書物では生地が冷めない内に延ばした方が良いとなっておったので、
今回は私も冷やさず即、生地を延ばして型に貼ることにしました。


7.肉種をパイの中に詰め、うずらのゆで卵を埋め込む。スプーンの背などで押さえ表面を平坦にする。

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8.残りの生地を延ばし型に合わせて円形に切り、肉種の上に被せる。余分な生地を切り取り、側面と蓋の生地をフォークなどを利用して貼り合わせしっかりと綴じる。中心に十字の切り込みを入れ、その四隅を外側に軽くおる。そのまま冷蔵庫で30分冷やす。

9.8の表面に卵白を塗り、210度で予熱を済ませたオーブンで1時間焼き、その後温度を180度に下げ、表面にアルミフォイルを軽く載せて焦げないようにし、1時間焼く。最後の10分はフォイルを外して焼く。

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1時間焼いた時点で、酒やソースを加えるとかなり肉汁が表面に流れ出しています。
ペーパーなどで丁寧に拭き取ってくださいませ。


10.焼けたパイはオーブンから取り出したら、型から抜かずそのまま冷ます。

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11.りんごジュースを沸騰させチキンストックとゼライスを加えよく混ぜ合わせる。ティースプーンの柄などをパイの空気穴に差し込み、破らないように注意しなが生地と肉種の間に隙間を作り、徐々に小さじ1杯分程度のアスピックを熱い内に流しいれる。冷蔵庫で一晩冷やす。


そうして一晩冷やしアスピックを固まらせたのが、こちらのPorkπ!(笑)以前からπという記号をパイの模様にして見たかったのです。でも、なんか“Pork元”に見えなくもない。(汗)まぁ、“元気印”ってことで、πに見えなくてもよろしいですか。(笑)

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肉は加熱すると嵩が減るでしょう。だからパイとの間には隙間が出来てしまいます。その隙間にストックのゼリーを入れて固まらせたパイ。だから、温めずにゼリーの食感も楽しみながら冷たいまま食べるパイです。


冷たいパイには旦那のリクエストで和なポテトサラダを作りました。でも、そうするとますますピクニックランチ風になっちゃう。(笑)そこで、この前焼いたダックのジブレッツで取ったストックの残りで、簡単なシラントロスープを作って添えました。

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うちは旦那も私もゼリー系のものはあまり好きじゃない。なのでアスピックは少なめにしています。でも、見えます、ゼリーが固まっているの?側面の生地と肉種部分に薄黄色く見えているのがアスピックです。

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でも、このアスピックは量もだけど、しっかり肉種とパイの間をゼリーで埋めれるようになるには、やっぱもっと作って熟練しないとダメだ。パイ生地が薄すぎたり破れていても、アスピックは流れ出して上手く隙間を埋めれないもんね。


肉種にシェリー酒とリーペリンを加えたら、表面はちょい肉汁で焦げて汚くなったけれど、味は最高!ハーブとスパイスもこの肉種を更に美味しくし、時々顔を見せるうずらのゆで卵の切り口も可愛い。


パイ生地の食感は普通のパイの生地とは全然ちがって、油で揚げたパンの耳風なパイです。お肉が一杯詰まっていてボリュームがあるので、18cmのパイで6~8人はお腹一杯になります。


冷凍して置くことも出来るし、1週間くらいなら冷蔵庫で保存も出来ます。これからの数日、私はこのポークパイをランチに食べるのがすごく楽しみ。エゲレスな味が口の中一杯に広がって、実に懐かしい...