(先ずは、久々に昨日、英語のブログ を更新しました!汗 食べた外人さんから、作り方を教えて欲しいと言われていたのを、なかなか英語にでけなんだのですぅ...)


昔、エゲレスに住み始め、毎週末自ら、サンデーランチと呼ぶ日曜日のご馳走を作り出した頃、別名“サンデーロースト”とも呼ばれるからには、日曜日の食卓にはローストした肉を絶対に並べないといけないものと、思い込んでおりました。


でも、実際にはローストした肉だけではなく、冬の寒い時季などは、前日から時間をかけてじっくり煮込んだシチューが、日曜日のご馳走として食卓に並んだりするのです。アイリッシュ系の家庭など特にそうじゃないか知らん?


食事に招待され、ローストした肉の代わりにシチューがサーブされると、体の芯から身も心もポカポカ温まり、私なんかはこっちの方がずっとずっと嬉しかったりします。


昨日の日曜日、我家もサンデーランチ(正確にはうちはサンデーディナーの時間だったけれど)に、前日から仕込んだシチューをいただきました。


牛すじの英国風ダンプリング入りシチュー

和・美・Savvy Cooking

コストコジャパンの店舗が日本の各地にオープンし、日本でもアメリカのスーパーで売っている様な、大きな肉の塊が簡単に手に入るようになりました。


私も東京に住んでいた頃には最寄のコストコに行く度、アメリカンビーフの大きな塊を買って来ては、煮込んだりローストしたりしていました。


私なんか海外生活が長い分、輸入肉に対して抵抗がありません!もちろん、焼いたりすき焼きには断然柔らかい国産牛を食べたいけれど、じっくり時間をかけて煮込む料理には、反って硬い輸入牛の方が美味しく作れます!


一度日本のスーパーでシチュー用の輸入肉を手にカゴに入れてたら、横にいたご夫人が輸入牛に目をやるご主人に対し、私に聞えよがしに嫌味っぽく、“輸入肉なんかあかん!あかん!硬とうて食べられへんがな!”って言ったんですよね。


よっぽど、“こら、オバハン、ちゃんと調理したら柔らこうて旨いんや。料理もよぉせんくせに、偉そうに抜かすな!”って怒鳴ってやろうかと思ったけれど、抑えて、抑えて...黙って言われるがままに堪えました。(笑)


しかしながら、コストコで売っているような煮込み用の輸入牛の大きな塊を買って来ると、脂肪や筋の多さには、本当驚かされますよね!(爆)


あの脂肪や筋を取り除かずに料理すると、脂っこすぎたり硬かったりするので、私はこまめに全部取り除いてから料理に使います。しかし、その取り除いた部分の目方を量ると、肉の重さの25%位はあるんです!


25%って言うとよ、2キロの肉なら500g!それを全部脂っこいから、硬いからって捨てちゃってたら、勿体ない!勿体ない!


この脂肪や筋こそ、最近の日本では精肉より高価になって来た、“牛すじ”じゃないですか!


なら、捨てたりでけしまへん。赤身とは別の調理法で、脂っこくなく、とろけるように柔らかく煮込んで食べようでは、あ~~りませんか!(笑)


雨牛の大きな煮込み肉の塊を買って来ると、私はまず脂肪や筋を全部取り除いてから、使う分ずつ赤身の肉を小分けします。そして脂肪や筋は1つにまとめ、赤身の肉とは別に冷凍して、後日牛すじ料理に利用するようにしています。


脂肪や筋は少々赤身がついているくらいに大胆に取り除き、細かく切り分けてしまわず、最低でも5cm角程度の大きさにしておくと良いです。かなり長時間煮込む為、小さく切り過ぎると溶けてなくなり、シチューに肉が入ってない!って家族から苦情がでたりするんだす。(笑)

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解凍した脂肪や筋をひたひたに浸かる程度の沸騰してる湯で、数分、赤身がなくなるまで茹でます。お湯の中で脂肪や筋を洗うようなつもりで、トングなどを使ってゆすりながら茹でると良いです。

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この下茹でした脂肪と筋をざるにあけ綺麗に洗います。鍋も一度洗剤で汚れを綺麗に洗い流します。


脂肪や筋は適当な大きさ(最低5cm角以上)に切り分け、汚れを洗い流した鍋に酒100mlとたっぷりの水と共に入れ火にかけます。沸騰してきたら火を弱めて蓋をし、1時間~1時間半じっくりと茹でます。

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茹でてやわらかくなった脂肪と筋はお皿に取り出し、茹でた湯は鍋に蓋をしそのまま完全に冷まします。冷蔵庫にスペースがあれば、鍋ごと入れて冷やすと尚良いです。


ここまでを前日にやっておくと、当日は既に半分柔らかくなった脂肪や筋が即料理に使えて便利です。


調理をする当日。鍋を開けると写真の通り白い脂肪が表面に浮いています。この脂肪の中にコラーゲンが含まれていると言って重宝がる人もいますが、私は完全に掬い上げて処分しちゃいます。

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私なんかさぁ、サプリのコラーゲンを2年くらい服用したんだよ。でも、効果なし!なぁ~~んも変化がないから、お金の無駄遣いと思って止めちゃったわよん!(笑)


食べ物で摂取するコラーゲンとなると、多分そのサプリ以下じゃないかと思う?夕べコラーゲン鍋を食べたから、今日はお肌がプリプリってのは、勘違いだと思うんですよね。


牛筋のこの脂から十分なコラーゲンを摂取しようと思ったら、相当な料理を食べ続けないとダメなのじゃないか知らん?バターの量とか頑張って減らしているのに、本も子もない、肥満になっちゃうわよ。(爆)


表面に浮いた脂肪を取り除いた後、私は更に上質のキッチンペーパーでストックを漉します。これで完全に透き通った牛すじのストックが取れました。牛すじの風味はしっかり生かしながら、出来る限り脂肪を取り除いたヘルシーストックです。


ではいよいよ英国風シチュー作りで~す!


昨日準備したシチューの具は、牛すじの他に、たまねぎ、にんにく、じゃがいも、人参、スウェーデン株、パースニップ、マッシュルーム、セロリ、パプリカです。

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ハーブはパセリのみじん切りとタイムの葉、それにローレル。


調味料は英国もののビーフストック・OXOキューブと、トマトペースト、塩、ブラックペッパーです。それに今回は前夜の飲み残しの赤ワイン100mlほどと、味の素のエゲレス版“旨味”・リー&ペリンウスターシャーソースも加えてみました。

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ちなみにビーフストック(日本なら味の素のコンソメが良いです)+トマトペースト+リーペリンの組み合わせで、デミグラスソースの風味になるんですが、市販のデミグラスを使ったビーフシチューと違い、まろやかな風味のシチューに出来上がって美味しいです。


余談ながら、アメリカのお料理番組を見ていると、よくこのリーペリンを使っているんですが、アメリカ人の発音がめっさ笑えるのね。“ウォーセスターシャイヤー・ソース”(爆)ウォーセスターと綴って、ウスターとエゲレスでは発音します。


大きな深鍋にオリーブオイルを熱し、まずたまねぎを数分しっかり炒めます。旦那曰く、エゲレスの料理なんて調味料と言えば塩こしょうくらい。たまねぎをしっかり炒めて風味をつけることが、シンプルな調味料だけでも美味しく料理を作るコツなんだ、ってさぁ。(笑)


たまねぎがしんなりしてきたらにんにくを加えて炒め、次にその他の野菜を加えて数分炒めます。但し、私はにんにくが好きだから加えますが、エゲレスではにんにくは比較的新しい野菜で、昔ながらの英国料理のレシピにはにんにくは含まれていません。

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ちなみにじゃがいもの煮くずれが気になる場合は、
シチューがほぼ出来上がってから加えて、
30分くらい煮込むと良いです。


前夜にボイルした牛すじ、ハーブ、トマトペースを加え、別の小鍋で沸騰させ固形ビーフストックを溶かした牛すじのストックを注ぎ入れます。(OXOキューブはなかなか溶けないので、こうして予め溶かしております。)

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あとは煮立ったら蓋をし、火を弱めて2時間くらいじっくりと煮込みます。


ちなみに昨日はOXOキューブを3個使ったのですが、このキューブには粉分が含まれているので、煮込んでいると自然にシチューにとろみがついてきます。


しかし味の素のコンソメは、でんぷん分は含んでいてもOXOキューブほどのとろみはつかないので、コンソメを使い、シチューにとろみを付けたい場合は、野菜を炒め終わった段階で小麦粉を大さじ1ほど加えて全体に絡めてか、ストックを注ぎいれると良いです。


シチューが出来上がりました!でも、ここでもう一手間かけ、ダンプリングを加えて英国風団子汁にしませう!

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丸く形成したダンプリングを、ことこと煮えているシチューの表面に浮かべ、再び蓋をして30分煮込んだら、この通り、ぷっくらとダンプリングが膨らみました!(必ず煮立って居るシチューに入れてくださいね!)

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ダンプリングの生地はスコーンに似ています、食感はアメリカンマフィンのようです。これでもう別途パンなど準備しなくても、具沢山のシチューとダンプリングでお腹は一杯になります!


冬のある日曜日。ローストした肉ではない、ウインターディッシュなシチューが、サンデーディナーの食卓に並びました。しかもそのシチューに使った肉は、処分されるはずだった脂肪や筋!

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牛すじで煮た英国風シチューの味は、どこか大阪の牛すじおでんの味に似ています!で、食べ方はおでんと同じ!ツンと鼻を突くような、辛口のイングリッシュマスタードをつけて食べると、めちゃめちゃ美味しい!

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牛すじの英国風ダンプリング入りシチューのレシピは こちら に収めております。
ダンプリングのレシピもそのブログにリンクを貼っていますのでご参考に。
但し、コンソメキューブで作ったものは、味は同様に美味しくても、
英国製のビーフストックで作ったほど、色は濃くなりません。


マスタードも瓶入りのじゃなく、昔、日本のおっかさん達が粉のからしを練った様に、粉マスタードを好みの辛さに練って食べるんです。旨んめぇ~~~!!!


牛すじはとろっとろでした!赤身の肉を煮込んで、ホロホロになる食感よりも、大阪人の私には、やっぱ、この筋の食感ってのはたまりません!


ちなみに牛すじカレーなんてあるけれど、私も作ったりしますが、本当に牛すじの風味を楽しみたかったら、香辛料の効いたカレーなどに加えず、シチューやおでんにするのが最高に美味しい食べ方だと私は思うな。


昨日はダンプリングもスエット(ケンネ脂)を使って作りました。でもこの近所の英国パブ自家製のケンネ脂が、どうも焼肉の香りがしてしかたない!夕べもやっぱ、ダンプリングは焼肉風味でしたワン。(爆)


大量に作ったシチュー。今晩はそれを温めて食べるだけなので、夕飯の準備が省けるのが嬉しい!