先日、バターを半減し、その分カスタードパウダーを補い、カロリーを抑えたお菓子用のタルト生地をご紹介いたしました。(その時の記事はこちら から...)


あれを作るきっかけとなった低カロリー料理ばかりを集めた本には、キッシュなど、セイボリーな料理に使うカロリー控え目タルト生地の作り方も載っていました。それからヒントを得、私は自分独自の低カロリー生地を考案してみましたよん。


その低カロリー生地で焼いたタルトケースに詰めるフィリングには、この時季にぴったりの食材を選び、しかもそのフィリングのカロリーまで、ぐっと抑えたキッシュって言うから嬉しい!


ごろごろローストパンプキンの低カロリーキッシュ

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本に載っていたカロリー控え目なセイボリータルト生地は、バターを半減し、その分をリコッタチーズで補っていました。


チーズを練りこんだタルト生地 は私も焼いたことがあるし、多分リコッタかな?と想像もついたので、カスタードパウダーほどの驚きではありませんでした。


チーズと言えどリコッタはカロリーが低い。バターの半量をこれで補ったら、確かにタルト生地のカロリーは抑えられるはず。けどね、我が家ではこのリコッタチーズ、あんまり評判がよくないんですよ。


加熱したら分離し、舌触りがざらざらして滑らかでないのが旦那も私も苦手。カネロニかチーズケーキにしか我が家では使い道のないチーズ。タルト生地を焼いた後に残るリコッタチーズの用途に困ります。


このチーズ、イギリスのスーパーでも売ってはいますが、それほど盛んに使われていた記憶がない。それに反し、アメリカにはイタリア系の人が多いからか、リコッタチーズを使ったレシピをよく見かける。


日本では輸入食料品を扱うハイカラな店にしか売ってなくて、1パック千円くらいする高価なチーズです。


大して美味しいものじゃなく、残りの使い道にも困るチーズならいっそそれを使わず、もっと一般的で、残っても他の料理にも使えるし、そのままでも食べれちゃうもので代用し、低カロリーな生地が作れないか考えてみました。


そうして思いついたのが、“水切りヨーグルト”です!


水を切って濃厚になったヨーグルトは、攪拌して滑らかにしたリコッタチーズに似てなくもない。それにヨーグルトは牛乳の代わりにスコーンなどを焼いても、バターとはまた違う、甘酸っぱい良い香りを漂わせる。


水切りヨーグルトを使って低カロリーな生地が作れる!って自信があったので、昨日、試しに作ってみました。したらね、私の思った通り、立派なタルトケースが焼けました!しかも、バターの量が少ないから、料理人泣かせのタルトの縮みも殆どない!(驚)

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このタルトケースを使って、ハロウィーンを目前にしたこの時季ならではの野菜・カボチャを主にしたベジキッシュを焼いてみることにしました。

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今アメリカではどこのスーパーに行ってもカボチャだらけ!


その現状に影響された私も、パンプキンパイを作ってみようと思い、2週間ほど前にこのエイコーンスクウォッシュっちゅうカボチャを買ったのですが、なにせお菓子作りに興味のない人だから、そのまま放置プレーになっておったのです。(汗)


その殆ど忘れかけられていたカボチャとたまねぎ、にんにく、パセリを、一度こんがりローストしてからキッシュのフィリングにしました。しかも、オリーブオイルの量を減らす為、バルザミックビネガーを加えるなどの工夫も凝らしています。


アパレイユ(卵液)も、本当なら生クリームを混ぜたいところを、低脂肪牛乳のみで作り、チーズもカロリーオフのスイスチーズを使っています。


とまぁ、バター臭い我が家にしたら珍しいカロリー控え目のキッシュ。しかしその味は、低カロリーキッシュとは思えない実に美味しいものが作れたので、レシピをご紹介したいと思います。


<材料 23cmのタルト型1つ分>

(低カロリータルト生地)
薄力粉...220g+打粉用
塩...小さじ1/4
ベーキングパウダー...小さじ1/4
有塩バター、冷蔵庫から出したてのもの1cm角切り...55g+型の底面に塗る分
水切りノン・ファットヨーグルト...55g(水を切った後の計量)
低脂肪牛乳...適宜(約大さじ3~4)
溶き卵...1個

(フィリング)
カボチャ...小1個
たまねぎ...大1個
にんにく、スライスする...2~3かけ
パセリのみじん切り...大さじ2程度
オリーブオイル...大さじ2
バルザミックビネガー...大さじ1
塩ブラックペッパー...適宜

(アパレイユ)
全卵...2個
卵黄...1個
低脂肪牛乳...300ml
低カロリースイスチーズ、削っておく...100g程度
塩ブラックペッパー...適宜


<作り方>

1.薄力粉、塩、ベーキングパウダーをふるいにかける。バターを加え、ペーストリーブレンダーか指で、そぼろ状になるまで粉にすり込む。

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バターが少ない分、重く硬い生地にならないよう、
少量のベーキングパウダーでサクサク感が出るようにしています。


2.1にヨーグルトを加え、ペーストリーブレンダーかフォークなどで粉に混ぜ込む。手に替え、牛乳を大さじ1程度ずつ加えながらスムーズな生地にまとめる。ラップに包み、更にその上からアルミフォイルに包み、冷蔵庫で最低30分休ませる。

3.タルト型の底面にバターをしっかり塗る。2の生地を打粉をした台の上で型より2回り程度大きい円形に延ばし、型との間に空気を入れないように注意しながら、型の内側に貼る。縁の余分な生地を切り落とし、フォークで底面と側面に空気穴を開ける。

4.3の型を冷凍庫に入れ最低1時間以上凍らせる。縦10cmx横5cm程度に切ったアルミフォイルを7~8枚準備する。

5.190度でオーブンの予熱が完了したら、冷凍庫から型に貼ったタルト生地を取り出し、準備したアルミフォイルをタルトの円周に折り被せ、即オーブンに入れ20分焼く。

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型に貼った生地を冷凍し、焼く寸前にフォイルで円周を被う。
これが、タルトの縮みを最小限に抑えて焼くベストな方法なのっす!!!


6.20分経ったらタルトをオーブンから取り出しフォイルを処分し、溶き卵を空気穴を埋めるようなつもりで、底面と側面に分厚く塗る。再びオーブンに戻し5分焼く。型に入ったままの状態でタルトを完全に冷ます。(溶き卵の残りはアパレイユ用卵に加えれば良いです。)

7.カボチャは種を抜き皮を剥いて、1.5~2cmの大きな角切りにする。たまねぎは楔形に8等分し層を分ける。ボウルにフィリングの材料全てを入れよく混ぜ合わせる。オーブントレーに移し、180度で予熱を済ませたオーブンに入れる。

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8.途中2回ほどオーブンから取り出し野菜の上下を返しながら、約1時間、またはカボチャに爪楊枝を刺しスーッと通るようになるまで焼く。

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9.アパレイユを作る。全卵2個+卵黄1個+タルト生地に塗った溶き卵の残り、牛乳をよく混ぜ合わせる。

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10.目の細かいざるなどを使い、チーズの入ったボウルに卵液を漉しながら注ぎ入れる。塩ブラックペッパーで味を調える。

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低カロリーチーズは日本でなら、 こんなの を見つけました!

11.ローストした野菜を完全に冷めたタルトケースに移し、満遍なく広げる。

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12.11にアパレイユを注ぎ入れ、190度で予熱を済ませたオーブンで40~45分焼く。

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私は敷いていませんが、必ずオーブントレーには
パーチメントペーパー(クッキングシート)を敷いてくださいね!


そうして焼きあがったのがこちらのキッシュです。ほんま、ええ色に焼けとりまっ!低カロリーと言えど、フルファットのキッシュに負けんくらい、ええ香りもしてまっせぇ~!プンプン...

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帰宅した旦那が、良い香りがすると指摘したので、“今日は低カロリーキッシュやで!”と言うと、“低カロリーって部分は伏せて食卓に並べてほしかったなぁ...”って。(笑)


旦那は、バターの代わりのマーガリン、生クリーム抜きでスキムに近い低脂肪牛乳、カロリーオフのプロセスチーズなんてのは絶対御免な人。乳製品はフルファットじゃないと邪道だと考える、エゲレス人ですからね。(笑)


それでも食卓にキッシュとサラダを並べると、自らナイフを取って切り分けてくれました。

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そして一口食べて、これは低カロリーとは全然思わない!いつもの濃厚なキッシュと全く変わりない!と言い、一気に2切れ(約1/3)を食べました。(笑)


大きく角切りしたパンプキンは、キッシュを切り分けるとごろごろ顔を出します。オリーブオイルと塩こしょうでローストすると、殆どの野菜はその甘味を増します。昨日のキッシュもパンプキンとオニオンの甘味が実に美味しかった!

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カボチャたん、まるで栗みたいでしょん!(笑)

バターの半量を水切りヨーグルトで代替した生地の感想は、そりゃあバター100%のに比べると、ちょっと軽い感じがします。同じサクサク感でも、BPの力を借りたサクサク感は、クラッカー風のカリッとした生地に焼きあがります。


でもね、ヨーグルトを使っていますといわれない限り、知らない人は普通に食べちゃうタルトでしたよ。私が低カロリーって前置きせずにこのキッシュを旦那に食べさせていたら、食い物にうるさい彼でもわからなかったと思う!


しかし、これを焼いてみようと思われ方には、私からいくつか作る上でのコツを伝授しますので、必ずそれを守って作るようにしてください!


1.型の底面には必ずバターを塗る!
普通のタルト生地はたっぷりのバターが粉に擦り込まれています。なので、空気穴から仮にアパレイユが流れ出しても、底生地が型に焦げ付いて離れないってことはまずありません。

しかしこの低カロリー生地は、バターが少ない上にヨーグルトを含んでいるので、アパレイユが流れ出すと、底面の生地が型に焦げ付いて離れません。

ちなみに側面は空焼き後どうしても内側に数ミリ縮むので、バターを塗る必要はありません。


2.生地に塗る溶き卵はケチらない!
私はアパレイユの全卵2個+卵黄1個を先に溶いて、それをちびちびケチりながらタルトの底面と側面に塗りました。でも、それでは空気穴が完全に塞げず、コツ1の様な結果になってしまいます。

溶き卵はアパレイユに使う卵とは別に1つ準備し、底面と側面の空気穴を塞ぐようなつもりで、分厚く2重3重に塗っておくことをお勧めします。残った溶き卵は無駄にせず、アパレイユの卵の中に加えて食べてしまって下さい。

パイ用の石を持っている方は、フォークでブスブス空気穴を開ける代わりに、石を使って空焼きをされた方が、アパレイユが流れ出す心配も少ないです。


3.タルト型を載せるオーブントレーにはパーチメントシートを!
空気穴から流れ出したアパレイユは、タルト型からオーブントレーにまで流れて行き、焦げ付いてなかなか綺麗に洗い流せません。パーチメントシート(クッキングシート)を敷いて、余分な仕事を減らしませう。


まっ、コツと言うのか、私の失敗から得た教訓ですな。(笑)切り分け&後片付け担当の旦那は、夕べ苦労しとりましたわ。(侘)


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