シアトル、とんでもないことになってます!あたり一面真っ白け。昨日一昨日に引き続き、雪、雪、雪、そしてまた雪、ついでにもう1、2回雪、雪な天気です。(寒)予報によると、これから水曜日にかけて、多いところでは30cmくらいの積雪になるそうです。


今週は雪と聞いていたので、金曜日にかなり買いこんでは来ましたが、何せ山奥暮らしなもんで(笑)、このまま4、5日4人が家に閉じ込められないとも限らないので、今日の午後小康状態の間を狙い、旦那と恐る恐る車を出し近所のスーパーまで買出しに行ってきました。


こちらは昨日の我が家の晩ご飯です。こんな状況下では食料があるといって油断し、次から次にパクパク食ってばかりいられないので、前夜の晩ご飯の残りでリメイクな献立考え、貴重な食料を無駄にすることなく、しかも美味しく完食いたしました。


ローストチキンのリメイク その1
~マルガトーニ~


和・美・Savvy Cooking

16年前、父と母は私を訪ねてイギリスまでやって来ました。


当時の私はそりゃあもう底なしの貧乏で、私の薄給で失業中の元彼を養い、家賃、食費、公共料金を全部賄っていたのでした。


金銭的な余裕もなければ、ガツガツした生活の中では心の余裕もなく、今みたいにはるばる日本からやって来た父と母の為に、こんなもの、あんなものと美味しいものを作ってやることもできませんでした。当時は私の料理のレパートリーも極力限られていたしねぇ~。


貧乏だったけど、それでもサンデーミールだけは絶対に欠かさなかった元彼。そのため私は毎週日曜日には、牛や豚、ラムやチキンと、かならず肉をローストしていました。両親の滞在中にも、日曜日だけはお肉をたっぷり食べさせて上げました。


そんなローストミールの中で一番思い出に残っているのが、ローストチキンを作ってあげた時のこと。


当時の私はグレービーだって筒入りの顆粒のグレービーの素を、肉汁と湯で溶いて肉や野菜にかけていたのです。それなのにそのチキンの肉汁がたっぷり入ったグレービーを母は美味しいと絶賛し、食事の最後には“ごめんちゃい!”と言って、皿の縁から啜ったりしたんですよ。(笑)


両親がアメリカに来たら、今度はとびっきり美味しいスタッフィングを詰め、とびっきり美味しくヘルシーなグレービーを作り、腹の皮が破れるほど一杯一杯食わせてやろうと思っていました。


大きな肉を焼くって言うと、えらく贅沢に思われるかも知れないけれど、2日にも3日にも渡ってリメイクしながら食べれるので、反って薄切りの肉を買ってきて料理するより、ずっとお得なのです。雪が降って外に出れない時などはうってつけの献立という訳です。


この辺りにQFCと言うスーパーがあります。


アメリカに住みだした時から近所にあって行きなれているし、なにより、若いハンサムな店員さんの一人が私のファンのようで、行くと、チラチラこっちを見、必死に私の気を引こうとするのが気分良くて、引っ越して遠くなったのに、わざわざ私はQFCまで買出しに行くことが多いのです。(笑)


そのQFCで金曜日、どえらく安いチキンを発見!これざんす。

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これね、3キロくらいあるんですよ。定価9ドルくらいするんだけど、特価で、なんと3ドルちょい。日本円にすると300円しないのよ!信じられます?私は初め信じられなくて、間違いと思い、チキンのパック手当たり次第に値段を調べましたよ。(笑)


ホルモン剤やステロイドを含むえさを食わされたチキンと言う疑いは多いけれど、毎日食べるなら問題だけど、たまに食べるくらいでは身体への害もないでしょうし、それに、驚くほど綺麗なチキンで脂肪も少なく、思い切って2つ買っておいてよかったと、今とっても得した気分!


今回はいつものポークスタッフィングにベーコンの刻んだのも加え、タイムとレモンでさっぱり味付に仕上げ、目一杯チキンのお腹に詰めて焼きました。

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皮がすごく綺麗なチキンだったので、いつもはスタッフィングを詰めたら即オーブンにぶち込むのを、皮にオリーブオイルを塗って塩を擦り込み、その綺麗な皮をカリカリクリスピーに焼いてみることにしました。


スタッフィングを含め3.5キロ優にあるチキンは、約3時間後こんなに綺麗な色に焼けてオーブンから出てきました!

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この日はローストポテトを作る代わりに、ワイルドライスをチキンスープで炊いたものを添えました。両親にとっては初めて食べるバターナッツカボチャ。二人ともえらく気に入ってたくさん食べていましたよん。

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チキンは、まさかこれが3ドルちょい?って信じられないほど美味しかったです。タイムとレモンでさわやかなスタッフィングが、またチキンの味を引き立てます。


グレービーは淡白なチキンの肉に合わせ、薄くクリアーなチキンスープのグレービー。顆粒を肉汁で溶いただけのとインスタントグレービーとは違い、ヘルシーなのに栄養価満点。おまけに味はインスタントの100倍美味しい。爺さんだってこの手の洋食は軽々完食!


さて、いくら4人で食べると言ったって、3.5キロもある肉を一晩で食べ切れるわけがありません。そこで、残った肉や残骸は、シチューやパイ、サラダやサンドイッチ、スープや爺さんの好きな中華朝粥にリメイクするのですが、今回はまず残った肉でマルガトーニを作ることにしました。


マルガトーニとはもうこのブログで何度もご紹介している、イギリスのインド料理、つまりアングロインディアン料理のスープです。味付けはきわめて日本のカレーライスに似ていて、だから、お子さんからパパ、じいちゃん、ばあちゃんまで、家族みんなで美味しくいただけるスープです


私は自慢やないが、リゾットとスープのレパートリーだけは誰にも負けまへん。しかし、そんだけたくさんレパートリーを持つ私のスープの中でも、マルガトーニはベスト3に確実に入る、我が家の大、大、大好きな美味しいスープなのです。


爺さん、昔はカレーライスが食べれなかったのね。私の子供の頃は今晩カレーと言うと、母は爺さんには小分けして肉じゃがを作ったり、それが面倒な時は刺身を買って来て別献立を準備していました。


ところが、中年以降女性ホルモンの影響か、それまで嫌いだったものが好きになり食べだした私と同様に、爺さんも男性ホルモンの影響か(?爆)、今では自分から母にカレーライスをリクエストするくらいカレーが好き。


だからこのスープは絶対に気に入ってもらえる自信があったのよん。(笑)


丸鶏の余った身と、残骸で取ったストックで作りました。作り方はこちら のかしわを使って作る方法とほぼ同じです。

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違いはたまねぎとりんごを炒めスープを注いでから、ほぐした丸鶏の残り肉を加えて煮るだけのこと。

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アングロインディアン料理らしく、リーペリンのウスターソースも使います。日本のりんごと違い、海外ではクッキングアップルやグラニースミスなど、酸っぱく渋みのあるりんごを料理に使えるので、その分マンゴチャツネで甘味を補充しました。

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昨日はスープにパンだけと言う非常に簡単な献立。手抜き風ですが、一応パンも私の手作りです。白ごま風味、フェネル風味、キャラウェイ風味の3つのテーブルロールを焼きスープと共に食卓へ。

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父も母も、そしてもちろん旦那も私も、旨んめぇ~旨んめぇ~の連発でいただいたマルガトーニ。


夕べはスープにパンだけと言う軽い夕飯にしたのには理由があります。


土曜日、雪がちょっと止んでいる隙に、日用品が乏しくなってきたのでコストコへ買出しに行き、そこで大きな袋入りの洋梨も買ってきたんです。その洋梨で、久しぶりワイン煮を食後のデザートに両親の為に作ってあげました。

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これは義母の十八番だったデザート。作っている最中から、その香りを旦那も懐かしく思い出していたに違いありません。


冷たく冷やした洋梨は、爺さんと旦那の大好きなハーゲンダッツに添え、その上からヘビークリームをたっぷりかけて食べるのが美味しい!

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って、なんか私も食べたような言い方だけど、私だけは食ってまへん。こんな甘いもん食う余裕があったら、私は辛いリキッドで腹を一杯にしたい...(爆)


洋梨のワイン煮のレシピはこちら をご覧くださいませ。


ところで耳の遠い爺さん、母と旦那、私の3人がコストコ、コストコって言うのを、昨日まで、“ひょっとこ”だとばかり思っていたみたい。洋梨を食べながら、“ひょっとこの梨、美味しいなぁ...”と言って、母と私は大笑いしました。(爆)

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