年の瀬も押し詰まり、連日多忙でブログの更新もままなりましぇん。(苦笑)


今年は私、最高のクリスマスディナーと共に、最高のおせちも両親と旦那に作って上げ様と考えており、手に入り難い食材は日本から持ち帰ってきたり、和な野菜などはウワジマヤで購入したり、そしてそれらをそろそろ調理し始め、それで今多忙を極めているんです。


なもんで、クリスマスにローストした肉のリメイク料理を記事にしようと思っている間に、大晦日が目の前となり、いまさらこんな記事をアップすると、「アサヒはん、あんさん、未だクリスマスの話をしてまんのん?もう正月でっせぇ~」と笑われそうなんですけど...(滝汗)


ブロス ~ローストグースのリメイク料理~


和・美・Savvy Cooking

グース(ガチョウ)は同じ大きな鳥でも七面鳥のような白い肉ではなく、アヒルなどと同様に黒っぽい色の肉。一見すると鳥というよりは豚やラムを思わせる様な色をした肉です。骨がかなり丈夫で大きく、だから、同サイズの七面鳥よりは食べるところが少ないです。


とは言えど、たった4人で4キロもあるガチョウに、更に500g近いポークスタッフィングをお腹に詰めて焼いたら、到底クリスマスの1日では食べきれる量ではありません。


今年のクリスマスは日曜日でした。月曜日は我が家の辺りのごみの回収日で、且つ、今年最後の回収日。その日を逃したゴミは我が家のガレージで年越しすることになります。


なもんで私は、クリスマスのディナーの後即ガチョウを解体し、身と骨、それにスタッフィングに分けてしまい、年内中にガチョウの残骸をゴミ屋さんに回収してもらうことにしたんです。


骨はそのまま即捨てたりなど、そんなもったいないことはいたしません。ローストチキンなどと同様にぐつぐつ炊き出してストックを取り、ペーパーで漉してしっかり脂抜きをした後冷蔵&冷凍保存し、スープやラーメンの汁、それに父の大好きな中華風朝がゆのストックに利用します。


ガチョウの肉は脂っこさが半端じゃありません。私はだからローストした肉から出る肉汁を使ってグレービーは作りません。グレービーは前日にジブレッツを炊き出し、脂抜きしたクリアーなストックを使って、あっさりした味の食べやすいスープ感覚のものを作るようにしています。


かと言って肉汁は処分するのかと言うと、これまたそんなもったいないことはいたしましぇん!トレーに残った肉汁には大量の凍りを投入して急激に冷やし、上に浮いてきた脂肪を綺麗に取り除いてから、ボウルに移して一晩冷蔵庫で冷やします。


そして翌日。前日に大方の脂を取り除いたにも拘わらず、ボウルの表面には新たに脂が浮いてきているので、今度はキッチンペーパーで漉してもう一度脂抜きをします。


この写真が翌日の朝2回目の脂抜きをした後の様子。キッチンペーパーにたまっているのはガチョウの肉汁から出た脂です。クリアーなスープは骨を炊き出して取ったストック同様に、冷凍&冷蔵保存して料理に使います。

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ちなみにアヒルやガチョウの脂で芋をローストすると、サラダ油で焼いたローストポテトはもう二度と食べれないと言うほどの旨さなんですけどね。(笑)


グレービーと言うと、通常、ローストした後にたまった肉汁で作るのがお決まり。けど、私はガチョウに限らずどんな肉でも、肉汁の脂抜きをせずそのまま即グレービーに使うことはしません。作り方は昔ながらのものとは異なりますが、私のグレービーはずっと健康的。


古い手法ってのは将来に引き継がれていくべきですが、健康に良くないってことが分かっていることまで、将来に引き継いでいくことはないと思っています。その時代、その時代の生活習慣に合わせ、調理法も改善していくことは同様にとても大切なことだと考えています。


100年前の人達はグレービーを作るのに、肉汁の脂抜きをする必要などはなかったんですよ。なぜなら、週に一度ローストする肉から出る肉汁にに含まれ脂肪は、動物性脂肪に欠けるその時代の人たちにとっては、大切な摂取源だったからです。


しかし、それを現代に生きる我々が同じようにやったのでは体がもちませんでぇ。我々の生活では毎日十分すぎるほどの脂肪を摂取しているからです。


鶏肉の皮は食べません、太るからって言う人が、なんで肉汁でグレービーを作ることには疑問を抱かないのか!私にはそれが不思議で仕方ないんですよ。


ビーフでもチキンでも、ポークでもラムでも、そしてガチョウでも、余分な脂は摂取せず美味しくいただきたい、それが私のモットーなので、伝統的な作り方とは大きくかけ離れていても、私は私なりに納得のいく作り方でグレービーを作っています。


ガチョウのお腹に詰めたスタッフィングも粗末にはいたしません!これはサンドイッチにするとバカ旨!特にイギリスのHPブラウンソースと共にパンにはさんで食べると、もう、旨いのなんのって!

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朝はパン食の両親に、私は毎朝トースト共になんかかんか作ってあげるようにしています。昼にはご飯をたべさせることもあれば、サンドイッチを作ってあげることもあります。


今週初め、このポークスタッフィングのサンドイッチをランチに母に作って上げたら、「あんたには毎朝トーストと一緒に食べるのにいろんなものを作ってもらっているし、美味しいサンドイッチも何度もたべさせてもらったけど、これに勝るものはないね!」と感想を述べとりました。


HPソースの味にほれ込んじゃった母は、帰るまでに英国万屋に行きHPソースをお土産に買って帰るそうです。(笑)


さて、年の瀬が押し詰まって忙しいとか言いながら、お話好きのオバハンは、今日もまただらだらと余計な話ばっかりしてしまいました。(汗)


今日は朝の内に黒豆を炊き、午後一にアラスカンサーモンの昆布巻きを作り、そして今、1週間近く悪臭を放ち続けた棒だらを煮とりまして、それが出来上がるまで暇で、ブログでも更新しないとやってられません。(爆)


ここで大変なことが発生!停電!2時間近く電気が完全に切れてしまうことに。棒だらの出来具合も暗くて確認できなければ、炊飯器が使えないから晩ご飯も作れず、結局外食し先ほど戻ってきました。電気はその間にバック・トゥー・ノーマル。(ホッ!)


ガチョウの肉の残りはクリームシチューにしようかと考え、クリスマス前に生クリームを買っておきました。しかし、ガチョウの持つこの独特な風味は、クリーム仕立てではなく、ローストラムの残り同様ブロスにした方が良いと考え、急遽リメイクの仕方を変更しました。

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たまねぎ、リーク(西洋ねぎ)、人参、セロリ、にんにくを炒め...

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残ったガチョウの肉と、2度脂抜きしたガチョウの肉汁、そして麦を加えて、コトコトコト、コトコトコト2時間近く煮込みました。

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麦を加えると自然なとろみがつき、さらさらのスープよりいっそう体が温まるような感じがします。当日に焼いたソーダブレッドと共に、ブリティッシュウインターディッシュの1つ、ブロスの晩ご飯が始まります。

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この前日、植物園のイルミネーションを見損なった夜、我が家はパブ飯を食べに行きました。そこで父と旦那は同様に麦の入ったスープを食べたのですが、この晩二人は私の作ったブロスを食べながら、しみじみ声をそろえて...


やっぱ、あんさんの作ったものは旨い!


と正直な感想を述べていました。当たり前ですやん!私は顔こそ平坦で目の細い東洋人でも、中身は英国人以上の英国人やよって。(笑)私のブロスは、旦那の英国人のおばさんがお世辞抜きに、美味しいからレシピを書いて送って欲しいと手紙を書いてきたほどなのですよ。

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ガチョウの肉は鶏肉みたいに柔らかくないので、父や母の歯にはちょっと歯ごたえありすぎたようです。美味しいから食べたし、歯に合わないしから食べれないで苦労したクリスマスの夜。しかしそれもスープすると柔らかくなって、問題なく美味しく食べれました。


この手のスープにはソーダブレッドやスコーン(甘くないもの)が良く合います。ブロスもソーダブレッドも両親にとっては初めての味でしたが、ひょっとしたら父などは、ローストグースそのものより、リメイクのこのスープの方が良かったのかも知れません。


クリスマスが終わって5日以上経つと、ローストした肉があまって困っているって家庭も少ないでしょうが、ちなみに私の経験から言うと、ローストチキンの残りはクリーム系のシチューやパイが良く合います。


ローストターキーはカレーに(なぜかエゲレス人は残りの肉でカレーを作りたがる!笑)、ビーフは先日ご紹介した通り。ポーク、ラム、そしてグースなどは、私が作ったブロスでリメイクすると非常に美味しくいただけます。


ローストラムの残り肉を使って作るブロスのレシピがこちら にあります。よろしかったら参考にしてみてください。


さて、私は明日は伊達巻や松風焼きなど、オーブンを使って作るおせちに励みたいと思っています。

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