我が家は以前、イギリス式に日曜日には肉をローストしサンデーミールを食べることが多かったのですが、シアトルに来てからと言うもの、週末は家探しで自宅を空けることが多く、結局週末はご馳走どころか普段の日より酷い食事ってことも少なくありません。


昨日の月曜日、その埋め合わせと言うわけでもないんですが、久々に旦那が泡を開けたくなるような、ちょっと手の込んだものを晩御飯に作りました。


バタフライドポークフィレのマッシュルームスタッフィング巻き

クッキングリッシュの会

バタフライってのは、バターでフライ(炒める)したって言う意味ではありません!バタフライ、つまり蝶々の意味です。


先月旦那の誕生日に丸鶏を骨抜きし開いて1枚のシート状にしましたが、今回は豚のフィレ1本を開いてシート状にしました。このように肉の塊を開いてシート状にすることを、蝶々が閉じた羽を開くのに似ていることから、バタフライと英語では表現します。


うちが家を探している地域にコストコの本店があります。そんなもんで、ついついハウスハンティングの後コストコに立ち寄ってしまうのです。旦那も私も、常識を超えた化け物サイズで商品を売るコストコを歩くのが大好き。


なにせ夫婦して人並みはずれたデカイ体格の私らには、あそこで買い物し、超、超デカサイズの商品と、それを食いすぎたがためにデカくなりすぎた雨人達を見ると、自分らより上手がおったとホッとするんですよ。(爆)


さて、そのコストコで昨日買ったのは豚のフィレ。私は豚フィレってあんまり好きじゃないんです。豚は超やすもんのばら肉、これが一番旨い!フィレはフライにしたら柔らかいけれど、それ以外の料理には脂肪が少なすぎ、パサパサして美味しくないから嫌い。


しかし日本のカツサンド大好きの旦那が、このフィレで作ったカツサンドを今週は差し入れしたいと言い出し、仕方なく、牛のフィレくらいあろうという極太の豚フィレ2本がツインパックで計2.5キロ、1500円位と言う破格の品を買ってしまいました。


けど、カツサンドに2.5キロ分のフィレを揚げたら、とんでもない数のサンドイッチが出来てしまいます。(汗)だから1本はバタフライし、詰め物を巻いてローストすることにしたのです。


で、1つのパックを開けたら、なんと、フィレは2本入ってました。どうりで外から見たら牛のフィレより太いはず。ツインパックでフィレが計4本入っていたってことになります。

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ではこのフィレ1本を、これからバタフライします!


豚フィレの余分な脂を取り除いたら、まず横に1本スパッと上から下まで切れ目を入れます。この時、全部切り落としてしまわないよう、約1cmの厚みを中に残すように上手に包丁を入れます。

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約1cmの厚みを残した部分を中心に、蝶々が羽を開くようにフィレは左右に開きます。そうしたら今度はこの左右の分厚い部分も、それぞれ上と同様に中に約1cmの厚みを残し2つ割にします。

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こうして計3回包丁を横に入れた肉は、包丁を入れる前のポークフィレの約3倍の幅の1枚のシート状になります。


このシート状になった肉をラップとラップの間に挟み、テンダライザー(肉を叩く木槌)か麺棒で軽く叩き、厚みが全体に万遍になるようにします。ちなみに私はテンダライザーより麺棒を使うほうが、叩いたり延ばしたり出来るので使い勝手が良いように思いました。

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ポークフィレのバタフライはこれで完了。あとはお好みのスタッフィングを作り、それをマキマキしてオーブンで焼くだけです。スタッフィングを作るのが面倒なら、ブロッコリーなどの野菜を巻いても良いでしょう。


ここからは今回私の作ったマッシュルームスタッフィングと、ローストポークの時に必ず添えるアップルグレービーソースの材料と作り方です。


ちなみに、先日私はロール白菜を作り、中の詰めものにちょっと工夫を凝らしましたが、その自然な甘味ををつける為に使った秘密の食材2つも、今回のスタッフィングには含まれています。


<材料 ポークフィレ1本分>

(スタッフィング)
オリーブオイル...適宜
たまねぎ、みじん切り...小1個
セロリ、細かく刻む...1本
にんにく、みじん切り...1かけ
マッシュルーム、細かく刻む...8~10個(約200g)
りんご、細かく刻む...小1/4個
卵...1個
パン粉...1カップ(日本のカップサイズ、200ml)
パセリ、みじん切り...大さじ2程度
塩こしょう...適宜
味の素...適宜

ポークフィレ、上の要領でバタフライする...1本(約600g)
オリーブオイル

(アップルグレービーソース)
豚をローストした後に残る肉汁...250ml(下記参照)
アップルジュース(果汁100%)...200ml
固形または顆粒ベジタブルまたはコンソメストック...湯250ml分
塩こしょう...適宜
水溶き小麦粉...適宜
ブランディー...適宜(あれば)

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上はスタッフィングに使う野菜。
自然な甘味をだす秘密の2品は、マッシュルームとりんごでした!


<作り方>

1.スタッフィングを作る。フライパンにオリーブオイルを熱したまねぎとセロリを炒める。しんなりしてきたらにんにく、マッシュルーム、りんごを加え、フライパンの底に水分が殆どなくなり、焦げ付き始めるところまでしっかりと炒める。火からおろし完全に冷ます。

2.完全に冷めた1にその他のスタッフィングの材料を加え、スプーンでよくかき混ぜる。

3.バタフライした豚フィレをラップ、もしくはベーキングペーパーの上に載せる。手前から肉の3/4のを2で埋め尽くす。

肉の上にスタッフィングを載せる前に、先日のチキン同様に、穴の開いたところや薄いところは、中からスタッフィングが顔を出さないよう、分厚い箇所から肉を削ぎとってつぎはぎしておきます。

スタッフィングの量はこのサイズのポークにはちょっと多いかも知れません。もったいないからと全部載せず、残ったスタッフィングは丸めてポークと一緒に焼き、スタッフィングボールとして皿に盛れば、それも美味しいです。


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4.ラップ、もしくはベーキングペーパーを巻き簾代わりにし、太巻きを巻く要領で、肉を手前から前方にクルクルクルっと巻く。タコ糸で4~5箇所括る。

5.フライパンにオリーブオイルを熱し4に焼き色をつける。(チキンの時は焼いている途中ソースを塗りましたが、今回はグレービーソースだけで食べるので、先にしっかりとポーク全体に焼き色をつけました。)

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6.5をオーブン皿に載せ、180度で予熱を済ませたオーブンで1時間から1時間15分焼く。(焼き時間の計算は450gにつき25分プラス25分です。昨日は600gのポークとスタッフィングを合計し900g位と想定したので、1時間15分焼きました。)

7.6が焼き上がったら皿に取り出し、アルミフォイルをかぶせ20分程度蒸らす。

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8.肉を蒸らしている間にアップルグレービーソースを作る。ポークを焼いたオーブン皿に冷水適量と凍りを一掴み加え急激に冷やす。こうして豚の脂肪分を浮かせ取り除いてから、肉汁としてソース作りに使うとより健康的。

他の肉と違い、豚の場合はこうしてもあまり沢山脂は浮いてきません!それでも多少は脂抜きができるかと、まぁ気休めでやっている作業です。(笑)

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9.8を上質のキッチンペーパー(リードかバウンティーがベスト!)でこし、250mlをアップルジュースと共に鍋に入れ火にかける。沸騰してきたらスープの素を加え、塩こしょうで調味し、水溶き小麦粉でとろみをつける。ブランディーがあれば少々加える。

10.7からタコ糸を抜き好みの厚さにスライスして、アップルグレービーソースと共に食卓にサーブする。


夕べは旦那のリクエストでアップルソースも添えました。付け合せの野菜はブレイズドキャベツ。でも今回は捨てるのがもったいない白菜の芯も加えた変わり者です。芋は久々にソテーしました。

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普段の日の食卓にご馳走が並んだというので、泡をあけようと言い出した旦那。でも、シャンペンではありません。1本10ドルだから800円ほどのフランスのスパークリングワイン。これが結構美味しくて、シャンペンにも勝る泡でした。

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写真のポークは塊の半分です。この他にまだあと5切れ!
でも、それは夜の8時ごろまでの話で、その後旦那が1つ2つと食べ、
寝る前には完食!(爆)


豚フィレってのは長時間調理するとパサパサになるので、これまで敬遠して作ったことのなかったバタフライドフィレでしたが、スタッフィングの甘味としっとり感で、意外にも美味しい一品でした。

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ちなみにスタッフィングにはマッシュルームの他、りんごをメインにしたものや、チェリーやクランベリーなどを使っても美味しいはずです。でも、アップルソースは無駄でした。せっかく作ってもらったけれどこの料理には合わないと、旦那も認めておりました。(笑)

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