昨日ブログの記事で紹介した旦那のおばあちゃんの思い出の味・グリーンピースとレタスのスープ。そのスープには、イーストを使わず焼くパンを組み合わせました。重曹で膨らませるアイルランドの簡易パン・ソーダブレッドです。


私はイーストとの相性が悪いので、ホームベーカリーがないと絶対にパンが焼けない人。そんな私にでもこのソーダブレッドは簡単に作れるので、イギリスに居る頃からもう20年近く、ことあるごとに焼きつづけているパンです。


昔は単純に粉を水で捏ねて作っていたのが、バターミルク代わりにサワークリームを使うと良いと聞くとそれを実行し、オートミールを混ぜると美味しいことを知るとそれも実行して、20年の間に随分手のこんだものを焼くようになりました。


今回はそのソーダブレッドに更に趣向をこらしました。美味しいかな...と不安だったのですが、これまで焼いたどのソーダブレッドより、おそらく最高のものと呼んでも過言でない傑作品に焼き上がったのでご紹介します。


亜麻胡麻ソーダブレッド

クッキングリッシュの会


マクロバイオティックが見直され、現在では日本のベーカリーでもブラウンブレッドを見かけるようになり、パンやお菓子作り用に全粒粉などもスーパーで簡単に手に入る様になりました。


しかし、ふた昔前の日本では、ブラウンブレッドなんて滅多に目にするものじゃありませんでした。


その頃日本から両親がイギリスの私を訪ねてやって来て、母が、こんな黒いパン、見た目からして不味そうと食べず嫌いに不平を言ったのを覚えています。食べたらもちもちして美味しくて、滞在中ずっとブラウンブレッドにはまっていましたが。(笑)


海外では昔から、日本とは反対に白よりブラウンブレッドブレッドを好む人の方が多い様です。そしてブラウンブレッドの種類は、単に全粒粉を捏ねて焼いただけのものの他に、種々の穀物や植物の種子を混ぜたりとバラエティーにとんでいます。


家庭でもそうしたパンが手軽に焼けるように、一般のスーパーのベーキングの棚には、見たことも、名前を聞いたこともない、ありとあらゆる穀粒や種子が並んでいるんです。


私もいくつか穀粒や種子を買って来て、マルチグレインブレッドを焼いてみました。白いパンでは味わえない穀物の自然な甘味が効いていて、実に美味しく、しばらくの間はまってしまっていました。(笑)


ところが、マルチグレインと言うだけあって、粉に加える穀粒や種子の数は、どれも大さじ1程度の邪魔臭いほどの量なのに、8種類も10種類も数があるんです。なんなもんで、その内面倒になって作らなくなってしまいました。


結構大きな袋に入って売っている穀粒や種子の数々。今や我が家の食料庫の中で放置プレー状態!もったいないなぁ~何かに使えないかな~と思っていたところ、亜麻の種子はコレステロールに良いと言うのを聞いたんです。


旦那も私もコレステロールの問題はないんですが、でも、普段から気をつけておくことにこしたことはありません。


その体に良い種子をますます何かに使ってみたいと思っていたところ、ひらめいたのがソーダブレッドでした。亜麻と胡麻で語呂合わせも良く、オートミールの分量の一部をこの2つの種子にかえて焼いてみました。


ちなみに下の写真が亜麻の種子です。英語のまま、フラックスシードと言う名で日本でも売られているようです。

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亜麻の種子が手に入らなかったら、フェネルシードやポピーシード(芥子の実)を、胡麻とともに加えてみても芳ばしくて美味しいと思います。


<材料 1個分>

サワークリーム...100ml
水...適宜
全粒粉...340g
小麦粉...60g
オートミール...35g
フラックスシード...大さじ1
白胡麻...大さじ1
ベーキングソーダ(重曹)...小さじ1
塩...小さじ1
ライ麦粉または小麦粉...適宜(上からまぶす分)


<作り方>

1.サワークリームに水を加えてよくかき混ぜ合計300mlにする。

2.全粒粉、小麦粉、オートミール、フラックスシード、白胡麻、ベーキングソーダ、塩をボールに加え、スプーンでよく混ぜ合わせておく。

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3.2に1を加え混ぜ合わせ生地を捏ねる。水分が足りないようであれば少量の水を足す。但し普通のパンの様な滑らかな生地でないのが当然で、スコーン同様生地が1つにまとまったら、多少ボロボロで割れている箇所があっても問題なし。

4.3をクッキングシートを敷いたオーブン皿の上にのせ、直径15~16cmの円に形成する。中心に包丁で十字の切れ目を入れ、茶こしに入れたライ麦粉または小麦粉を全体にまぶす。

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5.220度で予熱を済ませたオーブンで約30分焼く。高温で焼くので表面の色が濃くなりすぎる様であれば、調理の最後10分程度は表面にフォイルをかぶせると良い。


そうして焼き上がったソーダブレッドがこれです!

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小麦粉より軽いタッチのライ麦粉をまぶすと、ますますアイリッシュなイメージのソーダブレッドがやけました。


亜麻と胡麻で芳ばしく、口当たりも見かけよりずっと軽くて、旦那は絶賛し食べる、食べる!最後2切れ、翌日の私のランチ用に残しておいた分まで、私がベッドに入った後夜食に食べてしまいました。(爆)


ソーダブレッドにはマーガリンではなく、やっぱり本物の濃厚なバターをたっぷり塗って食べたいですね。

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