毎週1回、うちの旦那は会社に“愛妻”(つまり私!笑)の手作り差し入れを持って行きます。お菓子だったり、セイボリーだったり、差し入れを何にするか決めて準備するのは私の役目。


これを人に言うとみな、毎週じゃあ大変でしょう...って驚かれるけれど、イギリス時代からしていたことなので私はもう馴れっこ。それどころかこれを1週間のイベントとして結構楽しんでやっています。


さて、今週の差し入れは、これでした!


チェリーコンポート

クッキングリッシュの会

コンポートにしたものや漬けたチェリーというのは結構好きだけれど、生のチェリーってのは苺同様に私は全然関心がない。だから知らなんだのですが、私の今住んでいるワシントン州は、チェリーの産地として有名なのだそうです。


そういえば、今この辺のどこのスーパーに行っても、果物売り場には所狭しとチェリーが並んでいます。そしてそれを手にとって見ると、地元ワシントン州で採れたチェリーですと表示しています。


この前から旦那に、この地元のチェリーを使った何かを差し入れに作ってよとリクエストされていました。と言っても、好きじゃないので買って料理に使ったこともない私は、何か作れと言われてもアイデアがなくずっと保留になっていました。


が、ここに来て、先週ゲストを向かえデザートに洋ナシのコンポートを作ってから、チェリーをコンポートにすることに考えが至りました。


しかしそこで問題になるのが、種です!


洋ナシの様に大きなフルーツなら芯を残したまま煮てもよいけれど、チェリーは一口サイズだから、種を残すと食べにくくてしょうがない。


でも、さっすがはチェリーの産地として有名なワシントン州。つうか、“アメリカンレッドチェリー”と呼ぶだけあって、こんなものがキッチンショップでは売っているんです。

クッキングリッシュの会

これは一見子供のおもちゃの用ですが、チェリーの種抜機きなのです。


チェリーチョンパー(和訳すると、さくらんぼをガリガリくっちまう人と言う意味)の口にチェリーを1個ずつ入れ、頭をごつんと一押しすると、ホッチキスの様にガチャンという大きな音と共に、種だけ抜いて飲み込んでくれます。


これがあったら百人力。しかし、そう思った私が甘かった!


“チープ・イズ・オールウェイズ・ナスティー”


安物買いの銭失いとはまさにこのことで、もっと高価な種抜機を買うのがもったいなくて、日本円で千円ほどのチョッパー君を買ったのだけれど、こやつ、3つ4つ種を食うと、次は必ず喉に詰まらせて種を食ってくれない!


結局、箸で1つ1つ種が抜けているか確認し、抜けていないのはマニュアルに箸で押し出す羽目になりました。おまけにそこら中、洋服まで、チェリーの色に染まって真っ赤っか。(苦笑)


それでも愛する夫の為に、2キロもあるチェリーの種を1つ残さず抜きましたがな、私!(涙)

クッキングリッシュの会

さてこの種を抜いたチェリーで作ったコンポートは如何なるものか...作り方は次の通りです。


<材料 約10~15人分>

レッドチェリー、種を抜く...約2キロ
オレンジ汁...大きなもの1個分
三温糖...大さじ6~7
チェリーフレーバーブランディー(キルシュなど)...大さじ3~4
アロウルート(くず粉)...適宜


<作り方>

1.種を抜いたチェリー、オレンジ汁、砂糖を鍋に入れ火にかける。煮立ってきたら火を弱め30~40分煮る。(蓋をするとすぐに吹きこぼれるので、少しずらして蒸気の抜ける隙間を作っておくと良い。)

クッキングリッシュの会

2.チェリーに火が通り水分がかなり減ってきたら、ブランディーで溶いたアロウルートを加えとろみをつける。とろみがついて煮立ったら出来上がり。


うちの近所の酒屋にこのコンポートの為にキルシュ(チェリーブランディー)を買いに行ったら、同じくチェリーフレーバーで赤い色のついたブランディーを発見。コンポートの色をさらに鮮やかにしてくれるに違いないと思い、キルシュの代わりにこちらを買いました。

クッキングリッシュの会

でも、わざわざチェリーフレーバーのブランディーを買う必要はないと思います。私はお料理の先生でもあるうちの旦那にアドバイスを求めたら、キルシュといわれたのでわざわざ購入したのですが、普通のブランディーでもカシスでも全然大丈夫。


お酒もくず粉もなければ、水で溶いたコーンスターチか片栗粉でとろみをつけても、問題無しに美味しいと思います。


また、チェリーの種に関しては調べてみると、特別な機械がなくても、ストローで押し抜いたり、アイシングに使う絞り金を台に置いてそれに押し付けて抜いたら良いそうです。


今回差し入れしたチェリーコンポートは、スコーンにかけるソースにしました。生クリームも準備し、ジャムの代わりにたっぷりとスコーンにかけて食べてもらいました。

クッキングリッシュの会

今回私が焼いたスコーンは、最もオーソドックスな牛乳で作るスコーンです。材料は下記の通りです。:

クッキングリッシュの会

<材料 5.5cm型7~8個分>

セルフレイジングフラワー...230g+打ち粉と表面にふりかける分
砂糖...大さじ2
塩...ひとつまみ
バター...50g
牛乳...110~120ml+表面に塗る分


作り方はこちら のレシピを参考に。


セルフレイジングフラワーとは、イギリスやアメリカで売っている、小麦粉に既にベーキングパウダーの入った粉です。日本では見かけたことがないので、普通の小麦粉を使う場合は、ベーキングパウダー(5g)を粉に加えると良いです。


私の思いつきだけで、クランベリーソースや洋ナシのワイン煮のレシピを参考に作ったチェリーコンポートは、そのままでも美味しいですが、今回スコーンのソースにして思った以上に美味しかったので、ビックリしました。


この他、アイスクリームやクリームと一緒に食べても、またヨーグルトのソースとしても、とっても美味しくいただけると思います。

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