これは一昨日の夜、ブレッド&バタープディングを食後に食べる為に、メインを軽めに汁物にした時に作ったスープです。カレー味のスープ、と言っても札幌生まれのスープカレーではありません。イギリス生まれのカレースープです。


マルガトーニ

クッキングリッシュの会

日本ではあんまり聞き慣れない名前のこのスープは、カレーが入っていてもインド料理ではないんです!


イギリスでインディアンレストランに行くと、メニューには大概マルガトーニがあります。だからインド料理と勘違いしがちですが、これは激辛カレーのヴィンダルー同様に、イギリス人が考え出したアングロインディアン料理の1つです。


インドがイギリスの植民地だった頃、イギリス人に使えていたインド人料理人が、ご主人様のリクエストに応じ作ったと言われるのがマルガトーニ。マルガトーニとはタミール語で“こしょうの水”と言う意味があります。


ヴィクトリア朝時代大人気だったこのスープは、今でもイギリス人の好物の1つです。


昔、西城秀樹が“ヒデキ感激!リンゴとはちみつとろ~りとけてる...♪”とCMで唄っておりましたが、このスープには蜂蜜こそ入っておりませんがリンゴが丸ごと入っています。(蜂蜜の代わりにチャツネを好みで加えます。)


カレーライスが和製インディアンなら、マルガトーニはアングロインディアン。イギリス版バーモントカレーと言ったところです。(爆)


このスープ、激旨なんです!!!


お味噌汁の具が無限にある様に、イギリスにはいろんなスープがあります。そして英国人の嫁である私は義母や旦那に鍛えられとりますので、自慢じゃないがスープだけはまがい物じゃない本物の旨いのが作れます!


そのスープ作りの達人(?)の私が、自分のレパートリーの中でベスト1に輝くスープは何かと聞かれたら、迷わず応えるのがマルガトーニです。それくらいこのスープは美味しいです!


カレーライスのイギリス版と私が呼ぶのには、このスープにはお米も入っているんです。濃度が濃いから温まるしお腹もいっぱいになる。ちょっぴり辛く、でも甘くもあり、なんとも不思議な美味しさのあるクロスカルチュラルなスープです。


<材料 4人分>

鶏もも肉...250~270g
たまねぎ...大1/2個
紅玉...1個
バター...25~30g
カレー粉...大さじ1
小麦粉...大さじ1強
コンソメスープ、固形コンソメを湯に溶いたもの...600ml
塩こしょう...適宜
味の素...適宜
リー&ペリンウスターシャーソース...大さじ1
白米、洗わない!...大さじ2
レモン汁...1/2個分
生クリーム...150ml

クッキングリッシュの会

<作り方>

1.鶏肉は皮を剥いで1cm幅に細切り。たまねぎは粗みじん切り。リンゴは皮を剥き芯を取り除いて細かく刻む。

2.鍋にバターを熱し鶏肉を炒める。全体にさっと火が通り焼き色がついたら一旦皿に取り上げる。同じ鍋でたまねぎとリンゴを1~2分炒め、カレー粉を加え更に1~2分炒める。

3.2の鍋に鶏肉を戻し小麦粉を加え、粉に水分を完全に吸わせてしまうように全体によく混ぜ合わせる。

クッキングリッシュの会

4.3の鍋に徐々にスープを加え粉のだまが出来ない様に完全に溶かす。塩こしょう、味の素加え軽く味付けをして、煮立って来たら火を弱め蓋をしてそのまま約1時間煮る。

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5.1時間煮込んだらウスターシャーソースと米を加え、蓋をせず時々かき混ぜながら約20分米が柔らかくなるまで煮込む。(かき混ぜず放置しておくと鍋底に米がこびりつくので注意!)


6.味見をし必要に応じて塩こしょうを足し、レモン汁と生クリームを加え煮立ったら出来上がり。


マルガトーニの意味は“こしょうの水”だからと言って、スープにこしょうを大量に入れる必要はありません。ならどうして“こしょうの水”なんて名前がついたのか?その理由は私にも分かりません。


想像するに、初めて食べたイギリス人が、カレー粉とこしょうの違いを知らず、“うーん、ペッパリーだね!”と評したのを、西洋のスープと言う料理を知らないインド人シェフは、ペッパーはこしょうだから、“ご主人様こしょうの水です。”とでも答えたのかも...(笑)

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私はマンゴチャツネの開封していない、しかも賞味期限切れかけのを棚から見つけたので使うつもりでしたが、日本のリンゴは甘いのでチャツネは入れる必要なしと判断したので入れませんでした。好みで食べる時にチャツネを加えても良いでしょう。


かなり濃いスープです。カレー味のする肉の入ったおかゆとでも表現したら、その濃さを分かってもらえるでしょう。薄いのが好きな人は、コンソメスープで薄め好みの緩さにすると良いでしょう。

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