今回ハワイ旅行をするのに空港の書店でガイドブックを買いました。飛行機の中でそれをぺらぺらめくっていたら、数あるハワイの郷土料理の中で、一際私の目を惹くものがありました。


ロコモコ

クッキングリッシュの会

ハワイ島のヒロという地域で、レストランを営んでいた日系人が発案したというこの料理は、郷土料理と呼ぶには歴史が浅すぎるのかも知れないけれど、いかにも日系移民らしいアイデアで、私的には食べる前から大ヒットの料理だったのです。


私は人生の1/3を海外で暮らした、米人です!(←言っときますが、アメリカ人じゃありませんよ、コメジンです!爆)


その私はパンは嫌いじゃないけれど、正直ご飯時に米の代わりにパンを食べても満腹感がありません。パンは私にとってはスナックでしかなく、いっくら美味しく焼き上がったものでも、ご飯に取って代わることは絶対に不可能なのです!


ロコモコが出来た背景に、発案者に私の様な米へのこだわりがあったかどうか、その辺りはわかりません。でもなんとなく、日本を離れ海外に暮らしても、パンじゃない米が食いたいんだ!風の大和魂が感じられる料理で、米人の私としては嬉しくなりました。


私がハワイに行ったのは今回が初めてでした。だからお恥ずかしながら、ロコモコなる料理はガイドブックで見るまで知りませんでした。


日本で一般的にハンバーグと呼ばれている、合挽きと山盛りのパン粉を練ったハンバーグ風練り物とは違い、牛肉100%の本物のハンバーグが、バンズじゃなくご飯で食べられる。もう到着前から、食べてみたくて、食べてみたくて私は興奮していました。


そして1週間の滞在中、当然食べました。しかも、2回も!(笑)


まず1つ目のロコモコは、ワイキキ・カラカウアアヴェニューに面したレストラン&バー『ルル』で、ブランチに食べました。

クッキングリッシュの会

ご飯にクォーターパウンだサイズのハンバーグが2つと、オーバーイージー(白身を焼いた後にひっくり返して黄身の面も焼く焼き方)が2つ載り、たまねぎとマッシュルームのグレービーがかかったものです。


見ての通り、グレービーと呼ぶよりはデミグラス風。そしてその味も、子供の頃母が市販のシチュールーで作ってくれたビーフシチューにそっくり。ノスタルジックなところがなんとも言えず旨くかった!値段は確か15ドルくらいでした。(日本円にして1500円足らず)


2つ目は、コオリナリゾートから車で7~8分のところに位置するショッピングセンター内の、その名も『ロコモコ』と言うカフェで食べました。日本で言うならチェーンの牛丼屋のようなカジュアルな店です。

クッキングリッシュの会

店内はグリシースプーン(大衆食堂の意)らしく、ざわざわと活気がありました。

クッキングリッシュの会

そこで出て来たのがこのロコモコです。値段はワイキキの1/3程度。お皿もお持ち帰り出来る様に発泡スチロールの容器です。

クッキングリッシュの会

ここもやっぱりハンバーグ2つにオーバーイジー2つ。かかっているグレービーは、ルルで食べたものよりずっと色が薄く、正直見た目はあんまり美味しそうではありませんでした。


ところが、これが意外や意外にばか旨だったのです!私の作るコンソメ仕立てのオニオングレービーの味にソックリで、薄味好みの日本人にはばっちりの味付けでした。


ロコモコはガイドブックで見て想像した通りの味でした。ハワイ滞在中、飽食夫婦はいろんなものを食べましたが、その中で一番美味しかったのがこのロコモコでした。絶対に家に帰った作ろうと思って帰国したのです。(笑)


しかし自宅に帰りいざ作る段になると、デミグラス仕立てにするかコンソメ仕立てにするか、どっちも捨て難く美味しかったので悩んでしまいました。そこで、私はこの2つの中間的グレービーを、下のレシピの通りに作ってみました。


<材料 3~4人分>

(ハンバーグ)
たまねぎ...中1/2個
パン粉...1/2カップ
牛乳...大さじ3程度
牛赤身ミンチ...約500g
卵...1個
トマトピューレ...大さじ1
リー&ペリンウスターシャーソース...大さじ1
ホールナツメグ、削っておく...1/2個
塩黒こしょう...適宜
味の素...適宜
サラダ油...適宜

(グレービー)
コンソメスープ、熱湯に固形コンソメ1個を溶いたもの...400ml
ハインツちょっとだけデミグラスソース...1袋(70g入り)
バター...10~15g
たまねぎ、薄いくし形切り...中1個
マッシュルーム、石づきをとり薄切り...4個
にんにく、薄くスライス...1かけ
小麦粉...大さじ山盛り1
塩黒こしょう...適宜
味の素...適宜
ブランディー...大さじ1

(目玉焼き)
サラダ油...多め
卵...4個

(その他)
ご飯...お好みの量
パセリのみじん切り...適宜(お好みで)


<作り方>

1.ハンバーグの下準備をする。たまねぎはフードプロセッサーを使わず、包丁でコンコン、コンコン念入りにたたいて、解けかけのぐちゅぐちゅの雪のようになるまで細かくみじん切りする。パン粉に少量の牛乳を加え湿らせる。

2.ボールに牛ミンチ、1のたまねぎとパン粉、その他の材料を全て入れ、肉だねに粘りが出るまで練り混ぜる。4等分し形を整え、サラダ油を熱したフライパンで両面を焼く。

3.グレービーの下準備をする。熱いコンソメスープにデミグラスソースを加えよく混ぜ合せておく。

4.小鍋にバターを熱し、たまねぎをしんなりするまで3~4分炒める。マッシュルームとにんにくを加え更に1~2分炒めてから、小麦を加え混ぜ合せる。

5.4に3を徐々に加える。粉のだまが出来ない様によく掻き混ぜながら加えてゆく。

6.5が煮立ったら調味料で味付けし、ブランディーを加えて1分程煮る。

7.卵を焼く。フライパンに厚めにサラダ油を熱し卵を割入れる。スプーンで卵に油をかけながら、黄身がこんもり白っぽくなるまで焼き上げる。(焼き過ぎにはくれぐれも要注意!)


皿にご飯を盛り、その上にハンバーグ、目玉焼きを載せて、グレービーソースをたっぷりかけたら、この通り、ロコモコの出来上がりです。我家ではグレービーはグレービーボートに入れて食卓にサーブし、食べる寸前にソースをかけました。


ハワイのよりはちょっとソフィストケイトされているでしょう!?(笑)

クッキングリッシュの会

ハワイで食べたロコモコは、黄身を調理し過ぎない様にとお願いしたにも拘らず、どちらも結構堅焼きの黄身で、その点だけ私は不満でした。


でも自宅でサニーサイドアップをイギリス風に焼くと、この通り、とろ~~~りした黄身がグレービーに混ざり合って、本当、美味しかったです!

クッキングリッシュの会

ちなみに上の分量でグレービーを作ると、結構さらさらのソースが出来上がります。


こってりコーンスターチでとろみをつけたグレービーが嫌いなので、我家では薄めに仕上げましたが、濃いソースがお好きな方は、小麦粉の量を少し増やすか、もしくは加減を見てから水溶き小麦粉で濃さを調整して下さい。


こちらの記事は2009年11月10日、『今日のいちおしレシピ』として、レシピブログさんの“洋食ブログ”でご紹介して頂きました。有り難うございました。

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