サンチュウリュウ発表30周年記念講演会レポも佳境に
入りました。^^
デイノケイルスの話の後は、北海道むかわ町穂別で見つかった
ハドロサウルス類の化石発掘調査についてです。^^
皆さんも現地調査の模様は、ニュースやNHKの特番でご存じと
思いますが、念のためむかわ町立穂別博物館の機関紙にリンクを
貼りましたので、ご覧ください。
この化石は2003年に、アンモナイト化石を収集している
堀田良幸さんが、ノジュールから取り出した化石を首長竜のものと
勘違いして、地元の博物館へ寄贈したところから始まります。
首長竜だと思っていたので、東京学芸大学の佐藤たまき准教授へ
調査を依頼したところ、これは恐竜の骨だから小林准教授が
専門ですよと、お鉢が回って来たそうです。^^
そして第一次、二次発掘調査で、埋まっている化石を掘り出し
現在は個々の化石をクリーニングしながら、研究を進めている
最中なんですね。
※写真:福井県立恐竜博物館常設展示より、オロロティタン
現時点で判っていることは、7,200万年前白亜紀後期の
マーストリヒチアン前期の海成層から見つかった、
ハドロサウルス類の恐竜で、大腿骨が1.2mあり、推定全長は
8m、体重は7.2tと推定されています。^^
ハドロサウルス類には中空のトサカの無いサウロロフス類と、
鼻腔に繋がったトサカのあるランベオサウルス類に分かれますが
むかわ町の化石は、見つかった足の指の長さ等の比率や、
歯の化石の特徴から6割の確率で、ランベオサウルス類との
ことでした。^^
※写真:科博モンゴル展より、サウロロフス
※図版:ウィキペディアより、チンタオサウルス
同じ時代に東アジアから見つかっているハドロサウルス類は、
サウロロフス類はモンゴルからサウロロフス、ランベオサウルス類は
中国からチンタオサウルス、東シベリアからオロロティタンが
見つかっていますので、可能性が高そうなオロロティタンの
復元画が良く使われる理由だそうです。^^
小林准教授によると、兵庫のランベオサウルス類の調査も
行っているそうで、同じ時代と言うことで同じ種類かどうかも
調べている最中なのですが、ランベオサウルス類は下あごに
かなり特徴があるそうなので、兵庫の化石が新属の可能性が
高いとのこと、そのため付ける名前を慎重に考えていると
仰ってました。・・・なぜなら、むかわ町の化石も同じ種類の
可能があるため、北海道産の恐竜に兵庫の名前は避けたいよね、
と言うことらしいです。^^;
また、未発表なので詳しくはお伝えできませんが、出てきた頭骨
の部位は上顎骨以外も出ており、種の判断が容易につきそうだ
とも言っておられました。^^
それから海成層からはノドサウルス類とサウロロフス類の化石が
良く見つかるそうですが、一般的に陸の恐竜が海底に沈む確率は
天文学的な数値ですから、何か特殊な理由があるのでないか・・・
その辺りを研究すると面白いと思っていますとも仰っていました。^^
以上で講演の内容は終わりです。
つづいて質疑応答ということで、幾つかの質問をお伝えします。^^
Q:デイノケイルスは背骨が含気化して巨大化したとの事ですが、
速く走れるタイプに進化したものはどうだったのでしょうか?
A:他のオルニトミモサウルス類も骨は結構スカスカですが、
デイノケイルスはさらにスカスカでした。
Q:デイノケイルスの足の構造で速く走るための構造、
アルクトメタターサルは進んでいたのでしょうか?
A:アルクトメタターサル:足の甲の中指が細くなり走った際の
衝撃を吸収する構造ですが、デイノケイルスにはありません
でした。ガルディミムスやベイシャンロングにもありません。
このほかにも質問はありましたが、記事の中に盛り込みましたので
割愛しますね。^^
あと個人的に閉会後にお聞きしたことをお伝えします。
Q:デイノケイルスの骨格写真を見た際に、かなり猫背でバランスが
悪そうでしたが、実際はどうだったのでしょうか?
A:骨盤の角度がかなり斜めについているため、必然的に鳩胸
ポーズになり、首が曲がる形になって猫背姿勢になりました。
Q:むかわ町のハドロサウルスをランベオサウルスの可能性が高いと
した理由はなんですか?
A:ランベオサウルス類とサウルロロフス類の違いは、足や指の骨の
各部の比率にもはっきりとした違いがあり、区別できる。
以上で記念講演会のレポは終了です。
質疑応答を含んで、3時間の長時間でしたが、大変興味深いお話を
聴くことが出ました。^^
改めてお二人に感謝したいと思います。
このような場がもっと増える嬉しいのですが、研究者の方々も
忙しいですから、あまり無理も言えませんよね。^^;
最後に記念で購入したサンチュリュウのフィギュアを・・・
明日5日からは池袋で第23回東京ミネラルショーが始まります。
円安の影響が怖いですが、良いご縁を期待したいと思います。
ではまた。^^
入りました。^^
デイノケイルスの話の後は、北海道むかわ町穂別で見つかった
ハドロサウルス類の化石発掘調査についてです。^^
皆さんも現地調査の模様は、ニュースやNHKの特番でご存じと
思いますが、念のためむかわ町立穂別博物館の機関紙にリンクを
貼りましたので、ご覧ください。
この化石は2003年に、アンモナイト化石を収集している
堀田良幸さんが、ノジュールから取り出した化石を首長竜のものと
勘違いして、地元の博物館へ寄贈したところから始まります。
首長竜だと思っていたので、東京学芸大学の佐藤たまき准教授へ
調査を依頼したところ、これは恐竜の骨だから小林准教授が
専門ですよと、お鉢が回って来たそうです。^^
そして第一次、二次発掘調査で、埋まっている化石を掘り出し
現在は個々の化石をクリーニングしながら、研究を進めている
最中なんですね。
※写真:福井県立恐竜博物館常設展示より、オロロティタン
現時点で判っていることは、7,200万年前白亜紀後期の
マーストリヒチアン前期の海成層から見つかった、
ハドロサウルス類の恐竜で、大腿骨が1.2mあり、推定全長は
8m、体重は7.2tと推定されています。^^
ハドロサウルス類には中空のトサカの無いサウロロフス類と、
鼻腔に繋がったトサカのあるランベオサウルス類に分かれますが
むかわ町の化石は、見つかった足の指の長さ等の比率や、
歯の化石の特徴から6割の確率で、ランベオサウルス類との
ことでした。^^
※写真:科博モンゴル展より、サウロロフス
※図版:ウィキペディアより、チンタオサウルス
同じ時代に東アジアから見つかっているハドロサウルス類は、
サウロロフス類はモンゴルからサウロロフス、ランベオサウルス類は
中国からチンタオサウルス、東シベリアからオロロティタンが
見つかっていますので、可能性が高そうなオロロティタンの
復元画が良く使われる理由だそうです。^^
小林准教授によると、兵庫のランベオサウルス類の調査も
行っているそうで、同じ時代と言うことで同じ種類かどうかも
調べている最中なのですが、ランベオサウルス類は下あごに
かなり特徴があるそうなので、兵庫の化石が新属の可能性が
高いとのこと、そのため付ける名前を慎重に考えていると
仰ってました。・・・なぜなら、むかわ町の化石も同じ種類の
可能があるため、北海道産の恐竜に兵庫の名前は避けたいよね、
と言うことらしいです。^^;
また、未発表なので詳しくはお伝えできませんが、出てきた頭骨
の部位は上顎骨以外も出ており、種の判断が容易につきそうだ
とも言っておられました。^^
それから海成層からはノドサウルス類とサウロロフス類の化石が
良く見つかるそうですが、一般的に陸の恐竜が海底に沈む確率は
天文学的な数値ですから、何か特殊な理由があるのでないか・・・
その辺りを研究すると面白いと思っていますとも仰っていました。^^
以上で講演の内容は終わりです。
つづいて質疑応答ということで、幾つかの質問をお伝えします。^^
Q:デイノケイルスは背骨が含気化して巨大化したとの事ですが、
速く走れるタイプに進化したものはどうだったのでしょうか?
A:他のオルニトミモサウルス類も骨は結構スカスカですが、
デイノケイルスはさらにスカスカでした。
Q:デイノケイルスの足の構造で速く走るための構造、
アルクトメタターサルは進んでいたのでしょうか?
A:アルクトメタターサル:足の甲の中指が細くなり走った際の
衝撃を吸収する構造ですが、デイノケイルスにはありません
でした。ガルディミムスやベイシャンロングにもありません。
このほかにも質問はありましたが、記事の中に盛り込みましたので
割愛しますね。^^
あと個人的に閉会後にお聞きしたことをお伝えします。
Q:デイノケイルスの骨格写真を見た際に、かなり猫背でバランスが
悪そうでしたが、実際はどうだったのでしょうか?
A:骨盤の角度がかなり斜めについているため、必然的に鳩胸
ポーズになり、首が曲がる形になって猫背姿勢になりました。
Q:むかわ町のハドロサウルスをランベオサウルスの可能性が高いと
した理由はなんですか?
A:ランベオサウルス類とサウルロロフス類の違いは、足や指の骨の
各部の比率にもはっきりとした違いがあり、区別できる。
以上で記念講演会のレポは終了です。
質疑応答を含んで、3時間の長時間でしたが、大変興味深いお話を
聴くことが出ました。^^
改めてお二人に感謝したいと思います。
このような場がもっと増える嬉しいのですが、研究者の方々も
忙しいですから、あまり無理も言えませんよね。^^;
最後に記念で購入したサンチュリュウのフィギュアを・・・
明日5日からは池袋で第23回東京ミネラルショーが始まります。
円安の影響が怖いですが、良いご縁を期待したいと思います。
ではまた。^^