初野晴 『トワイライト・ミュージアム』を読了しました。
以下、ストーリーとは若干無関係な感想。
R25に連載されている高橋秀美のコラム『結論はまた来週』で一貫して伝えられている、と
勝手に解釈しているのは
「あなたは自分の意思でそれを選んでいますか?」ということ。
メディアの影響力や時勢の移り変わり、しばしば生じる国家単位のお祭騒ぎに焦点を当てて
ちょっと待て。
と安易な結論を許さない。
『トライライト・ミュージアム』はもちろんS.F.なのですが、史実を基にして描かれる
「ちょっと待て」を微塵も考えられない人々。
それらの人々を操るかの如く考える隙を与えない人々。
考えることを諦めず抗う人々。
以前『退出ゲーム』を貸した職場の先輩から
「面白かった。けど、高校生なのに何でも知りすぎじゃね?」と感想を受けたけど
本書の主人公も同様に若干14歳ながらその実は学芸員たちと会話ができるほど。
いいんですよ、S.F.だから。
多分、大事なのは情報・知識・智慧の階層構造がきちんと活きる、と分かること。
「Boy meets 何とか」(Boyは本書に合わせて・・・)のジュブナイルは、ジュブナイルだからこそ
Boyでなくなった我々大人に大事なことを思い返させることができる。
自戒を込めてあと一つ。
ひねくれた言い方をするならば
「ちょっと待て」と言われて素直に待つのはただの馬鹿です。
努々忘れること無かれ、俺。