怪僧ラスプーチン
こんにちは。複雑系自営業者のコンプレクソロジストです。ごきげんいかが?
昨日の晩ご飯はチキンソテーのグレープフルーツソース。このソース初めて作りましたが、暑い夏にはうってつけだと思います。
多めのバターでグレープフルーツを炒めてワインとビネガーと砂糖をちょっと入れて、しばらく煮立ててこします。
鍋に戻して塩コショウで仕上げて出来上がり。こすのがちょっとめんどくさいけど、簡単に出来ます。
さて、本日は昨日少しご紹介したグリゴリ・ラスプーチンのお話をさせていただきます。
ラスプーチンは20世紀初頭のロシア帝国に生きた僧侶です。彼はいいことも沢山言ってるし人の役にも立ってたりしますけど、最終的な社会の評価は「怪僧」「性の権化」といったもの。
好色絶倫にして昼夜を問わず、聖職者としては非常に異端でありながらも彼は数多の奇跡を起こす超能力者として、当時のロシアに一大旋風を巻き起こしました。
彼はシベリアのど田舎で生まれ育ち、幼いころから家畜の怪我を一瞬で治したり大人の本心をズバリ言い当てたりと、その人並みはずれた能力を発揮します。
長じて後、自分の特殊な能力に気づいたラスプーチンは聖職に入り、長い巡業の旅に出ます。
そこで行われた数々の奇跡は瞬く間にロシア中に広がり、ついに当時の首都であるサンクト・ペテルブルクにまでその名がとどろくことになります。
さて、当時の皇帝ニコライ二世の息子アレクセイは血友病という重い病気で瀕死の状態にありました。医師も手のほどこしようがなく、ただ死を待つのみ。
アレクセイは末っ子でしたが、上は女の子ばかりだったため跡継ぎ問題としても非常に深刻です。
当然ですが、そんな状態のロイヤルファミリーにとってラスプーチンの奇跡の噂はスルーできるはずがありません。
呼び寄せられたラスプーチンは事情も聞かずにアレクセイのベッドの横にひざまずき、10分ほど祈りを捧げました。
昏睡状態だったはずのアレクセイは静かに目を開け、ラスプーチンが治してくれたことを知っているかのように微笑んだと言われています。
「私が奇跡を起こしたのではない。神が私の体を借りて奇跡を起こしたもうたのだ。」
こうしてラスプーチンはロシア帝国を統治するロマノフ王朝に深く関わることになります。
その後すったもんだがありましたが、どんどん王家に食い込むラスプーチン。
当然ながら周りの人達はおもしろくありませんよね。ほんと、最初から結末が分かるような展開じゃないですか。
案の定、好色なラスプーチンがニコライ二世の奥さんであるアレクサンドラと姦通しているという噂が流れ、町中にビラがまかれたりしました。
事実ラスプーチンは儀式と称し、数多くの女性をスッポンポンにして好き放題していたそうですから、こういった噂が流れるのもある意味当然です。
しかも貴賤の別なく、かなり手当たり次第だったらしい。
こうして外堀が埋められていけばいくほど、ラスプーチンとロマノフ王家は密着することになります。
皇帝は次第に周囲を信じられなくなり、ラスプーチンに頼るようになってしまうんです。
こういう風になるとおぞましい印象が特に強くなっていくものですが、案外(笑)彼はいいこと言うんですよ。
例えば
「聖人伝は、彼らがすでに聖人になってからの禁欲生活を描いています。私が思うに、これはちょっと間違っているのではないか。彼らが聖人になってからの生活について語ってほしくない。どのようにしてそこに至ったかを教えてほしいのです。彼らから何かを学ぶことができるとしたら、それ以外にありませんから。」
こんなのとか・・・うんうん、同感。(`Θ´)
彼には困っている人を助けるという思想がベースにあります。病気を治したり、的確なアドバイスを与えたり。
身近にいる人の中には
「ラスプーチンはキリストの生まれ変わりだ」
と言う人も少なくありませんでした。
それでも、人間が持つ嫉みのエネルギーはすさまじいものです。特にラスプーチンはお行儀が悪いですから、好き放題している姿が気にくわないと思われてもしょうがないでしょう。
ついに彼は暗殺されます。
しかし・・・またこれがすごい話なんですけどね。
ラスプーチンを殺そうと決意したのはユスポフという若い公爵です。
彼はラスプーチンを夕食に招き、致死量の十倍に匹敵する濃度の青酸カリをぶち込んだワインを飲ませます。
ところがフツーにこれを飲んだラスプーチンは、喉がちくちくすると文句を言っただけ・・・
「スパイシーだね!」
なんだこいつ!!!なんだこいつ!!!
ニブイとか、そういうレヴェルじゃありませんよ!(笑
ユスポフはかなりガクガクブルブルになったでしょうね。想像がつきます。
きっとユダやヘロデ王の気持ちが分かったんじゃないだろうか。
しかし、ここで引き下がるわけにはいかないんです。
ここで「あなたはやっぱり神の子だ」と言って、ひざまずくわけにはいかないんですよ!!!
歴史というものはそういうもんだと思います。
ユスポフは直接攻撃に打って出ました。
拳銃でラスプーチンを撃ったんです。
数発の銃弾のうち最初の一発が心臓に命中し、ラスプーチンは心停止、呼吸停止・・・・ついに息絶えました。
ユスポフの中では、目的を達した感慨と目の前で奇跡を見せつけられたことによる焦りが複雑に入り交っていたことでしょう。
しかし、全てはこれで終わった・・・ロシアは救われた・・・
ところがその30分後、ラスプーチンはまたしても奇跡を起こします。
生き返ったんです!!!おかえり!!
むくりと起きあがり、獣のような叫び声を上げると猛烈ダッシュで逃げ出しました。
おいおいおいおいおいおい・・・ちょっとまて・・・(`Θ´;)
元気だねー。
もうむちゃくちゃですよ。てんやわんやのしっちゃかめっちゃかですよ。
ユスポフももうヤケクソですよ。そりゃそうだろうそうだろう。
彼は門をよじ登って逃げようとするラスプーチンめがけて銃を撃ちまくりました。
そして動かなくなったラスプーチンをぐるぐるのスマキ状態にして、凍てつくネヴァ川に放り込んだのです。
翌日、当局によってラスプーチンの死体は引き上げられ、検死解剖が行われたそうです。
検死の結果、ラスプーチンの死因は
溺死!
で・・溺死って・・・
「そっちかよ!!」みたいな。
ラスプーチンを失ったロマノフ王朝は急激に傾きます。結局彼の死から二ヶ月の後にロシア革命勃発。
ロシア帝国は崩壊し、ラスプーチンが助けたと言われる血友病のアレクセイも含めて、王家の全員が銃殺されました。
ちなみにこの仲良さそうな家族がニコライ二世の家族。左下のセーラー服がアレクセイです。
この家族を巡っては一番下の娘、アナスタシアに絡んだおもしろい話がいくつかありますが、長くなるのでまた今度ご紹介いたします。
私個人の意見を申し上げると、ラスプーチンは明らかに何らかの超能力を持った人間だったと思います。
私自身ちょっとした超能力に関する体験を持っていて、以前は信じていなかったけどやっぱ目の前で何度も見ると信じるしかない・・・今ではそう思います。
もちろん彼に関する逸話のどの程度が本当のことなのか私には分かりません。
しかしラスプーチンが死んだのは1916年・・この話は2000年前の話でも1万年前の神話でもなく、たったの100年前に起こった出来事なんですよ。
特殊な能力を使って王に取り入る・・・こんなファンタジーな話がつい100年前に本当に起こったなんて信じられません。
まぁ今でもあるのかもしれんけど。
ライスは魔女だったとか・・・あ、いや、なんでもないです。CIAさんごめんなさい。
あ、あとプーチン大統領がラスプーチンの孫だっていう話、聞いたことあります。本当かどうか分からないけど、個人的には結構似て・・・あ、いや、なんでもないです。KGBさんごめんなさい。
そして、これがラスプーチン本人の写真です。
あなたはこの写真を見てなにを感じますか?
ラスプーチンはロシア帝国の崩壊も、自分の死でさえも予言していたと言われています。
たった100年前の魔人。世の中って本当に広いなと思います。