【開催報告】I Do Cafe Vol.12 in わかやま! | 地域は子どものために、子どもは地域のために

地域は子どものために、子どもは地域のために

一般社団法人コミュニティ・4・チルドレンは、
恵まれない環境に置かれるアジアの子どもたちが、元気に笑顔で成長できる地域づくり
を応援します。

第12回のI Do Cafeでは、“I Do = 移動” とし、初めて和歌山県にて開催いたしました。


特定非営利活動法人わかやまNPOセンター様が主催となり、

近畿ろうきん地域共生推進部様とともに、コミュニティ・4・チルドレンも共催させていただきました。



今回のテーマは、

『災害時に、特別な支援を必要とする方々を支えるには 
 ~災害時に、特別な支援を必要とする方々を支えるには~』 



南海トラフ地震で甚大な被災が危惧される和歌山において、今後災害が発生した際に、

救われるべき命を救えるように、救われた後でも災害関連死で亡くならないために、

特に要援護者や要配慮が必要な方々を支えていくために、

どのように連携していけばいいか、私ができることを考える場としました。



第一部は、実践事例として、

・東日本大震災時に、避難所や福祉避難所で支援活動に行かれた介護福祉士の小窪紀枝さん、

・広島土砂災害で、福祉支援チームみ・らいずの事務局長岩本恭典さん、介護福祉士の大崎将弘さん

からお話をうかがいました。




最初に、避難所や福祉避難所で支援活動を行われた小窪さんのお話。


避難所での具体的な支援内容は、

排泄介助、食事準備、服薬介助、見守り、掃除、検温、お茶っこなどのアクティビティーなど。

施設に入ると家族と離れ離れになってしまうことから、避難所で過ごすご家族もいらっしゃったそうです。

避難所で配布される食べ物は、高齢者にとっては、食べにくいもの、普段から食べ慣れないもの、
食べられないもの、
喉に詰めやすく噛み切りにくいものが多いそうです。

また、迷惑をかけてしまうと遠慮する、汚い、使いにくいなどの理由から、トイレに行くことを我慢し、

水分摂取を控えることで、結果、脱水症状になってしまうこともあるそうです。

日中することがなく、運動不足から身体の機能低下、体力低下などにつながり、

運動不足や栄養バランスの崩れから、便秘や下痢になりやすいそうです。


災害時への備えとして、代用品がきかない「入れ歯」や「服用している薬」は忘れずに。

また、キッチンはさみ、自助食器、栄養補助食品、防水シーツ、洗面器、杖、眼鏡、補聴器なども助かるため備えておきましょう。

大きな環境の変化の中で、普段使っている「枕」などがあると安心して夜眠れたり、

本や将棋などの趣味のものは、活力になり、他の方とのコミュニケーションにもつながるそうです。


何より、避難所での生活の先には、日常の暮らしがあることをイメージしながら、

あらゆることを支援するのではなく、その方ができること、支援が必要なことなど、
一人ひとりに寄り添ったサポートが必要ではないかとおっしゃっていました。

例えば、食事準備でも、一律に配布するのではなく、歩ける方や一部介助で歩行できる方は、

一緒に配布場所まで取りに行くことで運動不足の解消や体力低下予防につなげるなど、

介助者・介護者が不足している状況で難しいこともありますが、

一人ひとりの状態を見て、支援のあり方を工夫する必要があるとおっしゃっていました。


高齢者もイキイキと過ごせる環境づくり、要支援者が支援者になる環境づくり、

要援護者を支援者としてエンパワメントしていくことが大事ではないかとおっしゃっていました。




2つ目の事例として、広島土砂災害での「福祉支援チーム」の取り組みをみ・らいずの岩本さん、
大崎さんからうかがいました。

災害支援といえば土砂撤去やガテン系というイメージがありますが、

お二人は、「被災者サポート班」として、避難所から在宅に戻られた福祉サービス利用者の健康状態や生活実態の早期確認する取り組みを、地域の社会福祉協議会、民生委員、自治会、看護師、ケアマネージャー、福祉事務所、地域包括支援センター、士業連絡会等と連携しながら展開されました。


2人1組で戸別訪問を行い、健康状態や現在のサービス利用状況の確認、
必要な災害支援情報の提供、
ニーズがあった際は支援機関へとつないでいかれました。

み・らいずのお二人は、あくまでも地元住民主体の取り組みの後方活動に徹することを大事にし、

戸別訪問の記録のデータ化、長期的な見守りが必要な住民のケースの引き継ぎなども行われたそうです。


今回の活動がよい方向へと展開した理由として、3つあげていらっしゃいました。

まず1つ目に、「地域のトップの判断と受援力の高さ」。

どこまで地域で担えるか、どこから、どういった部分が地域の外からの援助や支援が必要かを見極め、

受け入れる受援力が高かったこと。


2つ目に、「地域のキーパーソンの存在」。

キーパーソンと何度も話をし、信頼関係を築くことで、様々なところへと顔つなぎをしてくださったり、

地域の重要な集まりなどにも入っていくことができたこと。


3つ目に、「地域力の高さ」。

もともと地域力が高く、住民同士が、隣近所のこと、一軒一軒のことをよく知っていたため、

支援が必要な方の暮らしや命を守るための情報共有がスムーズだったこと。


生活の再建に向けては、福祉の力が必ず必要になってくると、み・らいずのお二人。

災害発生直後には、災害派遣医療チーム(DMAT)が必要なように、

長期的な生活の立て直しには、福祉版DMATのようなものが、今後ますます必要になってくる
とおっしゃっていました。




第2部では、参加者も発表者も入り混じりグループに分かれてワールドカフェを実施しました。

第1部での気づきや発見、自身の取り組みや質問などの共有を行いました。






最後に、I Do Cafe 恒例のお代のお支払いタイム!!

皆さんからいただいたお代の一部をご紹介!

・要支援者が支援者になるように支援する。

・地域とつながる。

・普段のくらしを支え合える仕組みを地域で本気で考える

・これからの防災の取り組みを子どもと一緒に考え合えるものを企画したい

・つながるための土台づくり

・要援護者といわれる人にも、役割や可能性があることを実践を積み上げて可視化したい。
 それを仕組み化していきたい。




実践共有くださった小窪さん、岩本さん、大崎さん、

ご参加くださった皆様、
主催くださったわかやまNPOセンター様、

共催くださった近畿ろうきん地域共生推進部様、
ありがとうございました!