あなたは人のうわさ話や悪口に対して、どんな風に反応していますか?
20代の頃は“悪口”にうまく対処することができず
ジレンマに陥っていたことがありました。
手のツメがなぜか異常に汚れている男性の先輩がいて
女性社員が「何?あのツメ!汚ったないわぁ。」と忌み嫌っていたのです。
悪い人ではなかったのですが、全体的に清潔感に乏しく(笑)
女性陣からの陰口の対象になっていたのですね。
私は別に人間的にキライではなかったし
面白い人だったのでよく話していたのですが
「うーん確かにこの人のツメ、汚すぎるよなぁ」と思いながらも
何となく本人には言いにくくかったんです。
そしてランチタイムになると「ねぇ、見たぁ?あの人のフロッピー!
真っ黒やったで~!」という同僚の話に
「ホンマホンマ。すごい黒かったわ。」とついつい同調していたのです。
そんな風にしていると、段々苦しくなってくるんですね。
自分が一貫性のない行動をとっていることが。
心理学用語に「一貫性の法則」という言葉があります。
私たちには「自分が言ったことやコミットしたことを守ろうとする」習性があります。
たとえば下記のような例です。
※A君は山ほど仕事を抱えているとします。
課長:A君はいつも僕の期待に応えてくれるから、本当に頼もしいよ。
A君:そうおっしゃっていただけると、本当にうれしいです!
課長の期待に応えるのが私の喜びですから。
課長:うれしい言葉をありがとう。実はキミにぜひお願いしたい仕事があるんだよ。
何せパソコンスキルに優れているのがキミしかいないから・・・この企画書何とかしてもらえないかな?
A君:(死にそうなんだけど・・・と思いながら)そ、そうですか。かしこまりました!
何とかします!
「課長の期待に応えるのが私の喜びですから」と言った後に依頼されたものだから、「一貫性の法則」が働いて自分の言葉に従おうとしてしまうわけですね。
「人間関係=難しいもの」というイメージがあると思いますが
ツボをしっかり押さえておけばいいのです。
そのひとつが「悪口に同調しない」ということです。
同調すると、悪口の対象になった人と親しく話すことにジレンマを感じます。
さらに「あの人もそういってたよ。」とリークされる危険性もあります。
だから常に中立的な立場を守りながら
「へぇ~。」「ふーん。」とあいづちを打って聞いておくのが無難。
「その通りですね!」「私もそう思います!」などと同意するのはやめておいた方がいいでしょう。
すると“誰かの味方”、という立場ではなく、あくまでも“自分は自分”という立場で
ニュートラルにつきあう、という一貫性が生まれるのです。