人の悪口にはどう対処するといい? | ほめ方の伝道師・谷口祥子

ほめ方の伝道師・谷口祥子

20代に対人恐怖症に陥った経験がありましたが35歳でコーチングに出会ったことで、人間関係が激変。<承認すること>が人間関係を豊かにし、仕事や人生を大きく飛躍させると気付いたことから「ほめ方の伝道師」として活動しています。


あなたは人のうわさ話や悪口に対して、どんな風に反応していますか?




20代の頃は“悪口”にうまく対処することができず
ジレンマに陥っていたことがありました。



手のツメがなぜか異常に汚れている男性の先輩がいて
女性社員が「何?あのツメ!汚ったないわぁ。」と忌み嫌っていたのです。
悪い人ではなかったのですが、全体的に清潔感に乏しく(笑)
女性陣からの陰口の対象になっていたのですね。



私は別に人間的にキライではなかったし
面白い人だったのでよく話していたのですが
「うーん確かにこの人のツメ、汚すぎるよなぁ」と思いながらも
何となく本人には言いにくくかったんです。



そしてランチタイムになると「ねぇ、見たぁ?あの人のフロッピー!
真っ黒やったで~!」という同僚の話に
「ホンマホンマ。すごい黒かったわ。」とついつい同調していたのです。



そんな風にしていると、段々苦しくなってくるんですね。
自分が一貫性のない行動をとっていることが。



心理学用語に「一貫性の法則」という言葉があります。

私たちには「自分が言ったことやコミットしたことを守ろうとする」習性があります。



たとえば下記のような例です。

※A君は山ほど仕事を抱えているとします。



課長:A君はいつも僕の期待に応えてくれるから、本当に頼もしいよ。


A君:そうおっしゃっていただけると、本当にうれしいです!
   課長の期待に応えるのが私の喜びですから。


課長:うれしい言葉をありがとう。実はキミにぜひお願いしたい仕事があるんだよ。
   何せパソコンスキルに優れているのがキミしかいないから・・・この企画書何とかしてもらえないかな? 


A君:(死にそうなんだけど・・・と思いながら)そ、そうですか。かしこまりました!
   何とかします!



「課長の期待に応えるのが私の喜びですから」と言った後に依頼されたものだから、「一貫性の法則」が働いて自分の言葉に従おうとしてしまうわけですね。



「人間関係=難しいもの」というイメージがあると思いますが
ツボをしっかり押さえておけばいいのです。



そのひとつが「悪口に同調しない」ということです。


同調すると、悪口の対象になった人と親しく話すことにジレンマを感じます。



さらに「あの人もそういってたよ。」とリークされる危険性もあります。



だから常に中立的な立場を守りながら

「へぇ~。」「ふーん。」とあいづちを打って聞いておくのが無難。



「その通りですね!」「私もそう思います!」などと同意するのはやめておいた方がいいでしょう。



すると“誰かの味方”、という立場ではなく、あくまでも“自分は自分”という立場で
ニュートラルにつきあう、という一貫性が生まれるのです。