入り口はこちらになります | ほどよい敬語~「コミュニ敬語」でいこう

ほどよい敬語~「コミュニ敬語」でいこう

プロのライターでも経営者でも間違えることがある敬語。相手を思いやるコミュニケーションツールとして「ほどよい敬語」を使いこなして「デキル人」になっちゃおう。

あるお店でレジに並びました。

フォーク並びです。
入り口、出口と表示があります。

もともと大きく「入り口」と書かれたその近くに
「入り口はこちらになります」と書かれています。

順番がきて、清算をしてもらいました。
クレジットで支払いを完了。

「こちらが、お控えのほうと、レシートのほうになります」

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「~になります」を使う場合は、どういうときかは、以前ご説明しました。
> こちら をご覧ください。

つまり、
「入り口は実は、こっちになるんですよ、どうですか?びっくりしたでしょ」とか
「入り口は先日まで左だったけど、今日からこっちになるんです」とか
「見ていてくださいね、今は入り口ではないけれど、ジ~ッと見ているとほ~ら不思議、入り口になりますよ!」というようなときに使うとぴったりです。

とまあ、まわりくどい説明がなくても、適切かどうかは「~になります」を「~です」で置き換えられないか、チェックしてみるとすぐに判断がつきます。

この場合
×「入り口はこちらになります

「入り口はこちらす」
言い換えることができます。


「こちらが、お控えのほうと、こちらがレシートのほうなります

ここであげた「お控えのほうと、レシートのほう」の「ほう」は誤用ではないかと思う方もいるでしょう。その前にどんなシーンかをご説明しましょう。
レジの方が私の手に、1枚ずつ順番にクレジットの控えと、レシートを置かれたのです。
つまり「こちらがお控えのほうですよ、次がレシートの方ですよ」と説明をしながら渡されたので、必ずしも間違った用法とはいえません。

もちろん、「こちらがお控えと、そしてこちらがレシートです」のほうがスッキリはしますが、説明したいという意図からであれば「『ほう』とつけては絶対に変!」とまではいえません。

しかし「~になります」はやはり変ですね。
ジ~ッと見ているそばで、控えがレシートに、レシートが控えに、マジックで変化していくわけではないのですから「~です」でいいでしょう。

「~になります」を「~です」「~でございます」で置き換えて、すっきりさせましょう。