日本語を大切にしたい若者たち(平成20年度「国語に関する世論調査」の考察1) | ほどよい敬語の使い方~「コミュニ敬語」でいこう

ほどよい敬語の使い方~「コミュニ敬語」でいこう

プロのライターでも経営者でも間違えることがある敬語。相手を思いやるコミュニケーションツールとして「ほどよい敬語」を使いこなして「デキル人」になっちゃおう。

さまざまな日本語についての調査では「最近の日本語は乱れている」「特に若者が短縮語を濫用したり、おかしなバイト言葉を使うのは」と警鐘を鳴らすような回答もたまに見かけます。

しかし、日本語が乱れているのは若者だけのせいなのでしょうか。
平成20年度「国語に関する世論調査」の結果を見てみると、若者達が美しい日本語を使いたがっている様子がうかがわれます。

まず「日本語を大切にしているかどうか」という問いには次のような結果が出ています。

$ほどよい敬語の使い方~「コミュニ敬語」で行こう-平成20年度「国語に関する世論調査」


「大切にしていると思う」と「余り意識したことはないが大切にしていると思う」を選んだ人の合計「大切にしている(計)」は76.7%。この数字は7年前から増加しているそうです。

調査開始の7年前、この数字は
20代で54.1%、30代で60.9%でした。これが20年では20代で70.9%、30代で71,2%。増加率を示したグラフは以下のようになっています。

$ほどよい敬語の使い方~「コミュニ敬語」で行こう-平成20年度「国語に関する世論調査」

このグラフから読み取る限り「日本語を大切にしたい若者」は確実に増えています。
日本語が乱れている現状を若者ばかりのせいにして嘆くのは、筋違いのように思えてなりません。実際の接遇場面では、40代以上でもずいぶんおかしな日本語を使う例は多く見られます。

企業において「自分も敬語を間違えて使っている場合がある」ことを認識している中間管理職は少ないと推測しますが、それも勘違いです。

大なり小なり、多くの人が日本語を間違えて使っています。紙の上に書くテストであれば間違わない人も、実際に目の前に人がいる状態で「つい、使ってしまう」ことが多いのです。(自省も含めて書いています)
つい口をついて出ていませんか?「それでは今からお話をさせていただきます」「いつも拝見させていただいております」というような言葉が。

いま、日本では未来に希望を持つことができず、漠然とした不安を抱えている人が多いと思います。しかし、「日本語を大切にしている若者が増えている」ことは、日本の未来にとって確かな希望であると私は考えるのです。


なぜなら、人は言葉で思考し、言葉で関係をつくるものだからです。日本語を大切にしたいその気持ちは、相手を思いやる思考から生まれているのでしょう。そのことが行動や人間関係に必ず良い結果をもたらし、ビジネスを円滑に進める助けとなると思います。

日本語を大切にしていますか。
日本語を母国語としている私たちにとって、これは極めて重要なことです。