とんでもございません 2 | ほどよい敬語~「コミュニ敬語」でいこう

ほどよい敬語~「コミュニ敬語」でいこう

プロのライターでも経営者でも間違えることがある敬語。相手を思いやるコミュニケーションツールとして「ほどよい敬語」を使いこなして「デキル人」になっちゃおう。

前の記事の続きです。

「とんでもございません」がいくら許容される傾向にあるとはいえ
あまり連発するのも考えものです。

例えば、相手からのメールで、次のような書き出しがあったとします。

「すみません。メールをいただいていたのに気がつきませんでした」

「申し訳ありません。お返事が遅くなってしまいました」


軽い謝罪の気持を込めたメールですよね。

これに対して「いえ、とんでもございません」と挿入し、
返信するのは少し行き過ぎの感もあります。

「いえ、お気になさらずに」という程度で受けておくのがよいでしょう。

また、1本の電話で数回も「とんでもございません」を聞くと、少し工夫が足りないように受け止められることがあります。

つまりは、乱発されすぎているのです。

遠方へ出向いた際、相手の方が「遠くからわざわざお越しいただき、ありがとうございます」と言われた。
→「とんでもございません」

こちらの指摘に対して「わざわざ教えていただきありがとうございます」と言われた。
→「とんでもございません」

どんな場面でも一様に「とんでもございません」を使うのではなく
ケーバイケースで、言い換えを工夫したいところですね。

「遠くからわざわざお越しいただき、ありがとうございます」に対して
  →「こちらこそ、ごていねいにありがとうございます」
  →「いえいえ。私の楽しみでもありますので」
  →「どうぞお気遣いなくお願いいたします」


わざわざ教えていただきありがとうございます」に対して
  →「恐れ入ります」
  →「いえいえ。どういたしまして」
  →「おやすい御用です」


気遣いのある敬語がすっと言える人は、見ていてとても素敵だと思います。


──────ポイント

☆何でもかんでも「とんでもございません」で対応するのではなく
言い換えを工夫してみましょう。
言葉の言い換えは、語彙を豊富にし、
コミュニケーションセンスを磨いてくれます。