前の記事の続きです。
「とんでもございません」がいくら許容される傾向にあるとはいえ
あまり連発するのも考えものです。
例えば、相手からのメールで、次のような書き出しがあったとします。
「すみません。メールをいただいていたのに気がつきませんでした」
「申し訳ありません。お返事が遅くなってしまいました」
軽い謝罪の気持を込めたメールですよね。
これに対して「いえ、とんでもございません」と挿入し、
返信するのは少し行き過ぎの感もあります。
「いえ、お気になさらずに」という程度で受けておくのがよいでしょう。
また、1本の電話で数回も「とんでもございません」を聞くと、少し工夫が足りないように受け止められることがあります。
つまりは、乱発されすぎているのです。
遠方へ出向いた際、相手の方が「遠くからわざわざお越しいただき、ありがとうございます」と言われた。
→「とんでもございません」
こちらの指摘に対して「わざわざ教えていただきありがとうございます」と言われた。
→「とんでもございません」
どんな場面でも一様に「とんでもございません」を使うのではなく
ケーバイケースで、言い換えを工夫したいところですね。
「遠くからわざわざお越しいただき、ありがとうございます」に対して
→「こちらこそ、ごていねいにありがとうございます」
→「いえいえ。私の楽しみでもありますので」
→「どうぞお気遣いなくお願いいたします」
わざわざ教えていただきありがとうございます」に対して
→「恐れ入ります」
→「いえいえ。どういたしまして」
→「おやすい御用です」
気遣いのある敬語がすっと言える人は、見ていてとても素敵だと思います。
──────ポイント
☆何でもかんでも「とんでもございません」で対応するのではなく
言い換えを工夫してみましょう。
言葉の言い換えは、語彙を豊富にし、
コミュニケーションセンスを磨いてくれます。