このブログに「X301A」「SSD換装」「メモリ増設」というキーワードで検索して
やってくる方が意外といるようです。
【ASUS X301A】
このノートPCはこれといった尖ったところのないPCですが、CPUにPentium B980を
使っており、そこそこのパフォーマンスを見せてくれるので、今なお使っている方も
多いのだと思います。
SSD(半導体ディスク)への換装は以前の記事、ノートPCのHDDをSSHDに換装するで
X301AのHDD(ハードディスクドライブ)をSSHD(ハイブリッドHDD)に換装する手順を
書いたので、同じ手順で換装ができると思います。
今回はいよいよX301Aのメインメモリを4GBから8GBのものに交換します。
色々検索してみましたが、日本では誰も挑戦していないようなので、人柱覚悟です(;´▽`A``
ちなみにメーカーのASUSでは「X301Aはメモリ交換不可」としっかりうたっているので、
転んでも泣かない!の精神でチャレンジです。
【無理して8GBにする必要はあまりない】
先に書きますが、Web閲覧やメール、Officeソフトの利用といった、ごく一般的な作業しか
このX301Aでしない方は、危険を冒してまでメモリを増設する必要はありません。
一般的な用途ではメインメモリが4GBあれば十分です。
私の場合、ClipStudioProと3D-CADソフトのSketchup、そして最近3DCGソフトの
メタセコイアを使い始めて、それらを同時に立ち上げるようになったので、メモリ4GBでは
いよいよ厳しくなってきたからです。
マンガ作成ソフトのClipStudioを使っている方は「メモリは最低8GBほしい」「いや16GBだ」と
言います。やはり本格的なマンガの作画には大量のメモリが必要なのでしょう。
PCそのものを買い替えるという手もありますが、私の場合は大して凝ったマンガもCGも
描きませんので、手持ちのX301Aのメモリを8GBに増設してこの場をしのごうと思います。
【メモリの種類を選ぶ】
このX301Aのメインボードに使われているチップセットはモバイル インテルHM70 Expressで、
メモリは16GBまでサポートされているのですが、ノートPC用の16GBメモリは1万円前後します。
失敗したら泣きます。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。
私の用途では8GBあれば十分なので、Transcend(トランセンド)製ノートPC用メモリ
PC3L-12800 DDR3L 1600 8GB 1.35V-1.5V両対応 204pin SO-DIMM TS1GSK64W6H
(↑Amazonの該当商品へのリンクです。田舎ではPCパーツは通販が頼りです)
を購入しました。5,200円ほどでした。
本来X301Aのメモリ規格はPC3-10600 DDR3 1.5Vなのですが、上位規格のこの製品の
ほうが安かったのでこちらにしました。
メモリに関しては、上位規格のものを使用することができます。
ですが、すぐ上位の規格のものに抑えたほうが無難です。2段階以上上位の規格だと
メモリを認識しないなどの問題が出てくる恐れがあります。
【工具を用意して分解】
大した工具はいりません。ドライバーとこじ開け器(なければ使わなくなったプラ製のカード)で
十分です。今回はバラしついでに内部に溜まった猫毛や綿ぼこりを掃除するのにエアダスターを
一緒に用意しました。
最近ノートPCやタブレットをバラす機会が増えたので、上の写真のようなスパッジャー(こじ開け器)も
一緒にAmazonから購入しました。百円から数百円のシロモノです。
※注意!!
PCの分解時には必ず電源ケーブルを抜き、バッテリーを取り外してください。
猫がそばにいない環境で作業を行ってください。ネジや部品を転がされて無くされます。
【オープナー】
前回の記事のとおり、本体底面のネジを外したら、キーボード面をこじ開けます。
こういうプラ製のへらがあると便利です。
もちろん使わなくなったプラ製のカード(会員証やポイントカード)などでもOK牧場!!
本体手前からオープナーで、キーボード面と底面をつないでいるツメをはずしていきます。
【キーボートと基板をつなぐケーブルをはずす】
キーボードと基板とは、本体左奥の2ヶ所のケーブルでつながれています。
白い固定ツメをパチンと起こすと簡単にケーブルがはずせます。
【基板面】
上記の赤丸の部分が外すべきネジの場所です。
先にHDDを外してから、基板のネジを外していきます。
右側のアルミ箔(シールド)は両面テープで止められているだけなので簡単にはがせます。
また、手前のCMOSバックアップ電池(黄色い円形のもの)もテープ止めしてあるだけです。
【左奥のミニ基板】
本体左奥の小さな基板のネジも外します。
また、冷却ファンはメイン基板と一体になっているので、固定ネジを外します。
【メイン基板の手前側を浮かせる】
すべての固定ネジを外したのを確認してから、メイン基板を左右にずらしながら持ち上げると
手前側を浮かせることができます。
メモリは左手前側、メイン基板の裏面にソケットで止めてあります。
基板を全部取り外そうとすると大変なことになるので、メモリのある左手前だけ浮かせてください。
【メモリを交換する】
このX301Aにはメモリソケットが1つしかありませんので、メモリは増設ではなく交換になります。
元々取り付けられていた4GBメモリ(サムスン製でした)を引き抜き、新たに購入した8GBメモリを
ソケットに取り付けます。
※狭いすき間での作業になりますが、ソケットへの取付は確実に行ってください。
私の場合、最初メモリきちんとが差さっていなかったようで、PCの起動ができなかったので、
再度バラして、確実にメモリを差し込んで、2回目でうまく起動しました(;^_^A
メモリを交換したら、メイン基板を元に戻します。
ここではまだ基板をネジ止めしないでください(理由は上のとおり)。
キーボードのケーブル類を基板に取付し、HDDを再度取付し、ACアダプタのみつないで
電源を入れて、Windowsがきちんと起動するか確認します。
Windowsが起動しない場合は、メモリがきちんとソケットに差し込まれていません。
電源を切り、ACアダプタを抜き、再度メモリの取付を確認してください。
うまく起動できれば、再び電源を切り、基板をネジ止めし、キーボードをはめ込み、元に戻します。
【メインメモリ(RAM)が8GBになった】
X301Aを起動し、コントロールパネルの「システム」で、実装メモリが8GBになったことを確認します。
【Windowsエクスペリエンス・インデックス(4GB)】
Windows8.1はWindowエクスペリエンス・インデックスがグラフィカルに表示できなくなったので、
WIN SCORE SHAREを使って測定しました。こちらは以前のX301Aです。
【Windowsエクスペリエンス・インデックス(8GB)】
メモリを8GBに交換したら、スコアが向上しました。
これでX301Aで、あと2年は戦えます(←誰と!?)
インデックス値のとおり、CPUのPentium B980はCore i3には劣るものの、まあまあのパフォーマンスを
見せてくれます。少なくとも最近のノートPCによく使われているCeleron N/Uシリーズよりも
処理速度はずっと速いです。
今回の作業は、PC本体を破損する危険を伴います。
メモリ4GBでも、普段使いには困ることは少ないと思います。
X301Aでグラフィックツールなどを使用するなど、メモリを多用するような使い方をあまりしないので
あれば、メモリの交換はおすすめしません。
ちなみに作業時間は1時間ほどでした。