ARBAKIROCKFEST.13に潜入!!②~ワークショップ出展団体の魅力に迫る(前編)~ | COLORweb学生編集部

ARBAKIROCKFEST.13に潜入!!②~ワークショップ出展団体の魅力に迫る(前編)~



 ARABAKI ROCK FEST.13に潜入!!②~ワークショップ出展団体の魅力に迫る(前編)~


カラー調査部

ここでは、ファッションや料理、音楽ではなく
ARABAKI ROCK FEST.13のエリア内のワークショップエリア「ZAO View Village
に焦点を当てます。

「ZAO View Village」では、アウトドアクッキングの講座が受けられたり、へナタトゥーや民族楽器、手作りキャンドル体験ができたり、またはボランティア情報の提供をしていたりと、様々なワークショップが集結していました。
今回はそのうちの、2組の出店団体に着目し、お話を伺ってきました!!!

まずARABAKI ROCK FEST.13初日は、COLORweb学生編集部員のがーすーが
キャンドル&ヘンプブレスレット制作のワークショップを行っていた「HaTiDORi」さんの代表みずほさんにお話を伺ってきました。



カラー調査部

「HaTiDORi」とは……?

東日本大震災による原発被害が起こったことをきっかけに、これからのエネルギーとわたしたちの未来についてみんなで話し合える場と、音楽・アートイベントを融合したイベントを仙台で定期的に開催している団体です。イベントの寄付金は福島の子供たちを守るために活動している団体に寄付されています。


がーすー(以下が)「HaTiDORiは原発被害を考えるイベント活動をされていますが、実際被害について心を痛めているがなかなか行動に移せない人も多いと思います。みずほさんは何か具体的なきっかけがあったのでしょうか?」


みずほさん(以下み)「元々、沿岸部の支援活動をしていました。ダンスをしているのでチャリティイベントで支援金を集めたり、ツイッターで寄付金や物資を集めたりして、避難所や仮設住宅に届けるという活動をしていました。最初は津波被害のあった地域だけの支援だったのですが、原発事故のあった福島の友人が子どものために地元を離れるという話をしていて、色々と原発について気になり調べ始めて、福島のために何かできることはないかと考えだしました。もともとダンスや音楽イベントをやっていたので、その要素を取り入れたエネルギー問題について学べるイベントを行い始めました。その一環として、イベント出演アーティストの特技を生かして、キャンドル作りやブレスレット作りを寄付につなげられるような活動をする様になりました。」


が「HaTiDORiはみずほさん一人で活動しているのですか。」

み「HaTiDORiは最初は二人だったのですが一人は東京へ行ってしまったので、今は私が中心でその時その時で協力してくれる仲間に声をかけさせて頂いています。」


が「こういったイベントをする上でみずほさんの原動力になっているものは何ですか?」

み「苦しんでいる人がいるのが分かっているのに、何もしないというのが、考えられなかったんです。」


が「なるほど、ワークショップではなぜキャンドル作り体験をされているのでしょうか?」


み「もともと趣味で作っていたのですが、震災があって電気がつかず真っ暗になったときに灯りの大切さを感じたのではないかなと思います。石巻の友達にキャンドルを送ったときにすごく助かったと言われて。その後被災地の仮設住宅や避難所でもキャンドルナイトをしていました。
その後キャンドル作りを生かして苦しんでいるひとの力になれないだろうかと考え、ワークショップの収益を被災地や福島のために寄付をするということを始めました。」


カラー調査部

ワークショップの様子


が「以前、COLORwebでランチの取材をしたゴリラ食堂 の店主さんも青森出身で手作りキャンドルを販売されていますよね?何か繋がりが?」

み「そうです、キャンドル繋がりです。被災地でキャンドルナイトをすると言ったら快く貸してくださいました。キャンドルナイトをしたら被災地の方々が喜んでくれて、津波で亡くなった旦那様のために飾りたいと持ち帰ったおばあちゃんもいました。ゴリラキャンドルさんはじめ、キャンドルを作っている人たちは平和を祈る人たちが多いのです。祈りや、癒しなどの意味もありますが、もちろん楽しいので続けているというのが一番です。」


が「今回のワークショップでのキャンドル作り体験はお子さんも多いですよね。」



カラー調査部

ワークショップの様子


み「お子さんでも簡単に安全に作れるようなワークショップにして、親子でも楽しめるよう心がけています。
基本的に、アートの力を借りて楽しんでチャリティをしています。ただ寄付金を送る、ということはしていないです。

イベントでも芸術、音楽の力を使うというところを大事にしています。基本は、エネルギーや福島の支援について話し合う場を作るのが目的なのですが、あまり政治やエネルギーの話は友達の間では話さないですよね。イベントに来る方々にマイクを渡すと、友達や家族にも話せないという人が多いです。参加者には福島の人も多いのですが、あまり県内でも話せないという人もいました。

イベントには大学生の女の子もいっぱい来てくれます。社会人になるということで自分も社会の問題を意識し始めて、その第一歩として来てくれる人もいます。」

が「学生でも被災地支援の団体さんがたくさんありますよね。交流を持ったりすることはあるのですか?」

み「あまりないですが、イベントには十代から五十代まで幅広い年代の方が来てくださっています。大抵の方は原発について気になってはいたけど人には言えなかった、という人が多いです。あまりコアな人が集まるような場所ではないですね。
HaTiDORiは、仙台の「ちいさなたびジャパン」という福島のお母さん子供たちと線量の低い地域で保養合宿をしている団体さんに寄付を続けています。子供たちは普段外で遊べないので思い切り遊ばせてあげて、お母さんたちはヨガをしたりして、リラックスしつつ話しやすい空間を作る活動をしています。参加者のお母さんたちは、放射能への不安やお子さんのこともそうですが、女性ならではの悩みも抱えているそうです。
今回のワークショップ収益は、奄美大島遠征に行くための費用となります。」


カラー調査部


が「今回のような大きなイベントには良く参加されるのですか?」

み「アラバキは今回が初めてです。去年はAIR JAMに別の団体と一緒に参加しました。他には長町で行われるマルシェや、七ヶ浜のお祭りなど、色々とお声をかけていただいています。HaTiDORiをやる前からダンスやキャンドル作りをやっていたのでそれもあったからですね。本編のHaTiDORiのほうもメディアテークさんと共同で開催させていただいたりもして、徐々に認知度や行動範囲が広まっていると思います。
大きいフェスなどに呼んでもらえるようになったので、今後もこつこつHaTiDORiを広めていきたいです。」

が「対話の場をつくることでHaTiDORiさんが目指すこととはなんでしょうか?」


み「最終的には、みんなが自分に自信を持ってしいと思っています。
森が火事で動物たちがみんな逃げる中、ハチドリだけが火を消そうと小さなくちばしで水を森に運んでいくという、インディアンに伝わる「ハチドリのひとしずく」というお話があって、それがHaTiDORiの由来になっています。小さくても自分にできることをしようというのがはじまりです。
きっと自分がなにかしたり、発言をしても世界は変わらないと思っている人が多いと思うんです。でも、自分の意見や想いを話すことで自分に自信を持って、ひとりひとりが世界を変える力があると思ってほしいと考えています。
そうすればきっと、よりよい未来をつくっていくことができると思います。」


が「最後に学生に何か一言お願いします!」

み「自信を持って楽しく!」



カラー調査部



福島の原発事故は世界に衝撃を与えました。あれから2年が経ちましたがいまだその被害に悩まされている方は大勢います。
しかしどこかで事故の記憶が薄れていくのを実感することがあります。「どうせ私には関係ない」このような無関心の壁を、HaTiDORiさんはただ一方的に伝えるのではなく話し合う場を作ることで、少しでもその壁を乗り越え、人々の意識を変えていこうという強い思いが感じられました。


逆に「何かしたいけど何から始めたらいいかわからない」そんな思いを抱えている方も多いのではないでしょうか。そんな方はぜひHaTiDORiさんのイベントに足を運んでみてください。同じ意思を持つ人が集まり、考えを共有する、きっととても有意義な時間になると思います。 

●2日間で181名がキャンドル&ヘンプブレスレットのワークショップを受けてくださり、24,150円を『ちいさなたびジャパン』に寄付しました

■HaTiDORi次回イベント情報

概要:『シューナウの思い~自然エネルギー社会を子供たちに~ 上映会』
   ドイツの小さな街が「市民の市民による自然エネルギーの電力会社」を誕生させる
   までの軌跡をつづった映画
   『自然エネルギー・コミュニティ・市民の力についてのお話会&ワークショップ』
   『ミニLIVE』
   イベントの詳細はこちら から
日時:2013年6月8日(土) 
OPEN17:30 START18:00  CLOSE22:30
場所:PANGERA仙台 
料金:1000yen(ワンドリンク+ワンフード代として)
備考:25名限定