日本最後のトキ餌付の地 | 島暮らしスペシャル

日本最後のトキ餌付の地


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年末のことですが、

12月に日本最後のトキ餌付の地に

キンちゃんと宇治金太郎さんの記念碑が建てられたとのことで見てきました。



佐渡市田切須地区に日本最後の野生のトキとなったキンと

その保護をされた宇治さんのことを後世に伝えたいと

地元有志で立派な記念碑が建てられました。




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記念碑には次のように記されています。



日本最後のトキ餌付の地

 ~宇治金太郎さんとキンちゃんの碑~


1967年8月、西三川に野生のトキが一羽舞降りました。
その時、トキ観察員の宇治金太郎さんがトキの世話係となり
毎日毎日、餌のドジョウを持って「コーイ、コイコイコイ」と、
この場所でトキを呼び続けました。或る日、宇治さんが呼ぶと
大空から舞降りて、野生のトキが人間の手からエサを食べました。
この年の冬は大雪でしたが、宇治さんは毎日2キロ離れた道程を
歩いて来て、一日中トキと過ごしました。佐渡の厳しい冬の中、
実に127日間に及んだといいます。
1968年3月、トキの保護を頼まれた宇治さんは、野生のままが
いいのかもしれないと、悩みながらも、トキを自らの手で
保護しました。このトキは、宇治金太郎さんの名前をとって
「キン」と名付けられました。キンは日本の野生で生まれた
最後のトキとして36歳(人間で言うと100歳を超える年)まで
生き続けましたが、関係者の努力の甲斐もなく子孫は
残せませんでした。しかし、長い間のキンの人工飼育で
日本の繁殖技術が生まれ中国に伝えられた事で、二羽のトキが
日本に贈られました。そして、2008年9月、27年振りにトキが
佐渡の大空に野生復帰を果たし、宇治金太郎さんの夢も
叶えられました。
この地で、餌付けに成功した宇治金太郎さんとキンを偲んで
この碑を建立します。
              平成21年12月 地元有志会




記念碑の除幕式の様子などは

佐渡トキファンクラブ のサイトに紹介されています。




その当時、宇治さんが活動された様子をテレビ番組で

紹介されていたのを以前に観たことがあります。

記念碑にあるレリーフのように、田んぼで宇治さんの手からキンが

エサを食べている映像が紹介されていたのを覚えています。

すごい光景だと思いました。


そして、どうするのが最も良いのか葛藤されながらも、

最後は保護のためにと手からエサを食べるキンを

そっと抱きかかえたあと

「オレは世界で一番の裏切り者だ」と言われたというお話は

とても印象的でした。



また'68年以前のように今はトキが佐渡島の空を飛ぶようになりました。

うまく共生できて宇治さんのようなトキとのふれあいができるくらいになれば

どんなに素晴らしいことでしょう。


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