普段素行の悪い人が、少し良いことをすると抜群に好感度が上がるのはなぜ?


   
―不良少年が道端に捨てられた猫を拾う、というシチュエーションの漫画ってよくありますよね?「ギャップ」があるほど好感度が上がるのは、なぜなのでしょうか。
   
「例えば、見るからに品の良さそうな紳士が良いことをするのは、私たちの予想の範囲内の行動ですよね。その一方で、一見ガラの悪い人がお年寄りに席を譲っただけで、とても良い人に見えてくる。これを心理学では『対比効果』と言います。
   
対比効果の実験では実験参加者をペアにし、コミュニケーションを取ってもらいます。ただ、実は片方の参加者が仕掛け人で、演技のトレーニングを受けています。6回ほど仕掛け人の参加者と会う中で、①『ずっと良い人』②『ずっと悪い人』③『前半は悪い人で後半から良い人』④『前半は良い人で後半から悪い人』の計4パターンを演じ分けてもらったところ、一番好感度が高かったのが③『前半は悪い人で後半から良い人』だったのです。」
   
―最初からずっと良い人よりも、途中から良いイメージになる方が好感度が高いのですね。合コンでも使えそうなテクニックです!
   
「いやいや、何度か会う中で印象を変えることで効果が現れるので、1回目の印象が悪いと次はないような場合や、1回しか会う機会が無い場合はとてもリスキーで注意が必要ですよ(笑)。」