不倫の関係を続けていると、たいていの人は苦しくなってきます。

思うように会えない苦しみとか、相手の心が信じられなくなってくる苦しみとか、相手の配偶者に対する嫉妬の苦しみとか、もしかしたら別の異性ともそういう関係になっているのではなかろうかという嫉妬の苦しみでなどです。


不倫の関係を続けながら、幸せな満ち足りた気持ちになったり、幸せを感じたりは絶対にしません。無理なことです。


なぜでしょうか?


アドラー心理学では、人生の課題(タスク)、つまり、人生を生きていく上で解決していかなければ生きていけない課題を三つ挙げています。


ビジネスタスク(仕事の課題)


交友のタスク(いろいろな人との交友関係の課題)


loveタスク(愛の課題 家族=運命共同体の課題)


の三つです。(現代アドラー心理学では本当は後二つ考えられているのですが、アドラーが主張した課題はこの三つです。)


◎ビジネスタスクというのは、生きていくために仕事をこなしていくという課題です。

もちろん、仕事をうまく行かせるためには、仕事上の人間関係もうまく行かせる必要があります。

ですから、職場での人間関係とか、仕事上付きあわざるを得ないお客さんや取引先、お得意様との関係とか、近所づきあいとか、子どものPTAでのつきあいとか、親戚づきあいなど

要するに義理的な人間関係も仕事の課題です。子どもにとっては、学校に行くことも仕事の課題です。

別名、生きていくための課題とも言います。


◎交友の課題というのは、どのような人とも、友だちのように親しく分け隔てなく付き合っていくという課題です。これを、
フレンドシップタスクというのです。

人間を、敵と味方に分けて考えているようだったら、まだ、フレンドシップタスクが不全なのです。


◎loveタスク=愛の課題というのは、配偶者や配偶者を予定しているセックスパートナーとの関係です。

一緒に子どもを作って、死ぬまで一緒の家庭を作って、共同して生活していきます。(同性愛の方の場合や子どもができなかった夫婦の場合は子どもは作らないかもしれませんが、家庭を作り、維持していくことには変わりありません。)


ですから、子どもと親の関係も愛の課題です。配偶者の親との関係も愛の課題です。運命共同体としてうまくやっていくと、愛の課題がクリアされます。


愛の課題は、運命共同体の課題なのです。

運命共同体ですから、経済は一体ですし、子どもができたら、子どものために惜しげもなくお金を使います。運命共同体なのですから。


友だちとの境はこのあたりです。友だちには大きなお金を無条件に差し出したりしないでしょうし、そうしたらおかしいと言わざるを得ません。

さあ、不倫の関係は、この三つの人生の課題のうちのどれでしょうか?



愛の課題の対象の人々に対する、非常に不誠実な行動です。


だから、不倫をしていると、愛の課題がズタズタになります。

もちろん、相手にも離婚してもらって、自分も離婚して、その相手と新しく結婚したら、それは、立派なラブタスクです。


しかし、不倫の間は愛の課題においての幸せな関係性が絶対に構築されないのです。

ましてや、離婚するつもりもないし、相手と結婚する可能性はないという不毛な不倫は、人生の中でどういう位置を占めるのか?


幻なのです。


遊びに過ぎないのです。


実際の家庭でうまくいっていなくてとか、本当のセックスパートナーを作るのが恐くて、ラブタスクという課題から逃げて、ラブタスク的な恋愛感情・愛情を
擬似的な相手ともてあそんでいるだけなのです。


そんな偽物に真剣になるから苦しいのです。


人間の幸せは

1:自分のことが好きで
2:他人を基本的に信頼できて
3:自分が周囲や社会に貢献できていると感じる

という三つの条件を満たしたときに、達成されます。


さあ、不倫の関係はどうですか?


周囲に嘘を付き続けて、自分のことが好きになりますか?嘘で塗り固めているその不倫相手に信頼感が高まりますか?何かこの不倫関係によって貢献できますか?


三つとも満たさない関係ではありませんか?苦しんで不幸になるのは当たり前だと分かりますか?


不倫関係を続けている人を責めているのではありません。


どうしようもない事情でそうなったのでしょう。私も聖人君主じゃないし、神様でもないので、そういう事情や感情は十分理解できます。


でも、「不倫関係を続けながら幸せに満ち足りたい。」というのは、あり得ないのです。


選択肢は二つ。

1:不倫関係を続けながら不幸なままでいる。

2:不倫関係を、何らかの形で精算して、本当のラブタスクと向き合い、幸せを求めていく。

の二つです。


そして、決断するのは、あなたが決断したくなってからでいいのです。いつでもいいのです。


納得するまで不倫関係を楽しんでもいいのです。まあ、不幸な感覚は覚えますから、楽しむどころじゃないかもしれませんけど、刹那的な快感は感じるかもしれません。

あまりお勧めしません。

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不倫は、愛の課題の感情を、運命共同体じゃない人に使っているのです。あまりにも不適切な人間関係ですよね。