先週末から、
小豆の仕事で頭の中はあんこでいっぱい・・・。
脳みそが1/3くらいあんこになっていそうでした
色々大変なこともありつつ、
うれしい出会いも。
とても稀少な備中(びっちゅう)の白小豆を探している際に
岡山の、小豆の知恵袋のような方に出会い
幕末からの備中の歴史、長州との関わりなど、
興味深いお話をたっぷり聞かせてもらうことができました。
備中松山藩の陽明学者、山田方谷(ほうこく)先生が小豆をもとに藩の財政難を見事に立て直し、
新政府への出仕を断って、生涯後進の育成に努められたことも。
高杉晋作らも大きな影響を受けた、優れた方だったそうです。
小豆は、ストレスや鬱に対抗する成分も多いので、
環境が変わり、気を遣うことも増える結婚の祝いにお赤飯を食べるのは、
そうした栄養の面からも理がかなっているそうですよ。
そのお赤飯も、
関西では腹切りにつながることから
皮の破れる小豆でなくささげで作るということも聞きました。
長くお話しているうちに、まるで旧知の方のように励まして頂いたり・・・
情の厚い、日本の食文化振興にに熱い情熱をお持ちの、すてきなおじさまでした。
白いんげん豆で代用することの多い白あんですが、
作ってみると白小豆の上品な風味に驚きます。
その中でも備中のものは、香りもなにもかも違うそうです。
こしあんや白あんは、つぶあんと違って
ゆでて→つぶして→こして→水にさらして→沈殿させて上澄みを捨てて×5回→沈殿部分を砂糖と一緒に練り上げて・・というふうに、かなり手間がかかります。
その点つぶあんは皮を除く手間もないので、まだいくぶん楽ですが
丹波の大納言小豆のように、皮が薄くて口に入れても気にならない、
いい豆を使うかどうかで仕上がりがずいぶん違います。
ゆでこぼしも火加減も、大事。
豆料理も魚料理も、習うより慣れろの部分が多く、
作った回数や扱った豆の種類の分、何気ないけれど大事なこつが
つぎつぎ見えて来て、何ともいえず面白いです。
結婚して間がない頃に
初めて作ったおはぎのあんをふっくらと炊けなかったことと、その舌ざわりを
今も時折思い出します。
そのときの固かった?おはぎを食べてくれた高校生が、
料理の道に進まれ研鑽を重ねられて、
いまは恵比寿の「魚豆根菜(うおずこんさい)やまもと」というおいしいお店を開かれています。
時の流れは、本当に早いですよね・・・。
せっかく頭の中があんこでいっぱいなので、
つぶあんのレシピと
試作した変わりメニューを、いくつか紹介させてもらいますね。
*つぶあんのレシピ
材料
小豆200g、グラニュー糖160~200g、塩少々
作り方
1、小豆はざるに入れてよく洗う。厚手の鍋に小豆と2カップの水を入れて蓋をし、強火で煮る。
2、沸騰したら1カップの水を差して、沸騰させて2~3分煮たら火からおろしてざるにあげ、
水洗いしてまた鍋に戻し、3カップの水とともに火にかけて中火で煮る。水分が減ってきたら差し水を。
3、豆が一回り大きくなり、しわがなくなったらざるにあげ、また水洗いする。
4、鍋に小豆と3カップの水を入れて、沸騰したら今度は火を弱める。豆が見えないように差し水をし、豆が踊らないように1時間半ほど煮て、指でつぶれるくらいに炊き上げる。
つぶさないようにやさしく汁気を切る。
5、耐熱ボウルに入れてペーパーをかぶせ、2分から少しずつ様子を見ながら水分を飛ばす。
(ここまで多めに作っておいて、小分けにして冷凍し、使う分は翌日練り上げたり、料理に使ったりすると便利です。)
6、鍋に入れてグラニュー糖を加えて火にかけ、中火で練っていく。途中で塩を加え、さらに練る。
冷めると固くなるので、使う固さより少しやわらかいくらいで火からおろし、バットに広げて冷ます。
煮上がりはとろとろとしていたのですが、
冷めるとこんなにしまります。
自分で炊くと好みの甘さにでき、おいしさも違います。
大変と感じなければぜひ試してくださいね。
出来上がったつぶあんの楽しいアレンジをふたつ紹介しますね。
面倒に感じられた方は、市販のあんでどうぞ。
*あんこのごく細春巻き
春巻きの皮を対角線で切って細くくるくると巻きます。
ゆずの皮の細切りといちごの角切り入りを2種類つくりました。
甘栗やみかんなどでも。
冷めてもおいしいですよ。
*あんフォンデュ
冬にぴったりのデザート。
あんを温かく楽しめます。
あんこを少しの湯または牛乳でゆるめてウオーマーであたためます。
なければレンジでかまいません。
フルーツ以外は、からめるだけでなく、芯まであたためてから食べるとよりおいしいです。
添えたものは・・・左からいちご、二色白玉、もみじ麩、麩のフレンチトースト。
本当はこんがり焼いたよもぎ麩がおいしいのですが、
冷凍庫にもみじ麩しかなかったので、切って焼いてみました。
小さいけれど焼いた生麩はおいしいです。
かりかりとして、このあつあつのあんにはよく合います。
その他に、よもぎ粉と白玉粉で作ったよもぎ白玉とふつうの白玉、
すき焼き用の麩を戻して絞り、甘い卵液にひたして焼いた麩のフレンチトースト風、
それにいちごです。
他にも、あんが合いそうなものなら何でも、細切りのトーストもいいですね。
カリカリしたものは全般にいい相性だと思います。
冬なので温かい方を紹介しましたが、
あんは乳製品との相性もよいので、生クリームとあわせてアイスクリームにも。
抹茶やきな粉も添えて、アイスや生クリームで和パフェも、ね。
長々と書かせてもらったおかげで、
あんこでいっぱいだった脳みそが
少し元に戻ったようです。
最後まで読んで頂いた方に感謝。 m(_ _ )m
次回は、
白あんのアレンジをご紹介させてもらいますね。