「モン・ビジュー」?「ドゥ・ヴィ」??-要するに「ギョギョーム」のキャラメルチェリームース | COCOのおいしい話

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*Caramel Cherry Mousse*

9月も早中旬に入りましたが。

こちらは最高気温41℃という日が3日ほど続き、昨日は39℃。

今日は30℃台半ばくらいらしいので、多少は涼しく感じるかな…?と思いきや。

やっぱり35℃でもキツいです…ロサンゼルス郊外、シャーマンオークスはまだまだ暑さ本番です。


さて、先々週のことになりますが、買って来たチェリーが今ひとつ甘くなかったのでケーキにしちゃうことにしました。

暑い時期ですのでムースにすることにして、それを前から食べてみたかったキャラメルムースと組み合わせてみました。

夫が淹れてくれたエスプレッソでコーヒータイム。


コーヒーセット2


中に挟んだチェリーとレーズンを綺麗に切れなかった上に、暑い日だったのでぐずぐずと写真を撮っているうちにケーキはダレて来ちゃうし、コーヒーのクレマは消えちゃうし…(あ、クレマと暑さは関係ないか?)。

こちらは後日撮り直したものです(やっぱり上手く切れてませんけど…^^;)。


キャラメルチェリームース2


チェリームースの方はお気に入りのイチゴのムースのレシピ(→「Pretty in Pink-苺のムースはピンクのかわいこちゃん」)を応用しましたが、キャラメルの方はネットで探しての初挑戦でした。

台は手抜きをして、市販のレディーフィンガー(こちらのスーパー等で市販されている、薄くて柔らかいスポンジケーキのようなお菓子です)を使いました。

底の抜ける型に敷き詰め、キルシュヴァッサーを入れたシロップをうちます。

チェリーのムースはそれより一回り小さい底の抜ける型で作り、扱いやすいように冷凍しておきました。

レディーフィンガーの台の上にチェリームースを乗せ、その上に半割りにしたチェリーのコンポートとラム酒漬けレーズンを散らし、キャラメルムースを流し込んだら冷蔵庫で固めて出来上がり…なのですが。


キャラメルチェリームース、断面


断面を見てもお判りだと思いますが、キャラメルムースが思ったより固めの仕上がりで、ムースと言うよりババロアかゼリーのようになってしまいました。

卵黄と牛乳、砂糖を混ぜて作ったアングレーズソースを合わせてリッチに仕上げたほろ苦いキャラメルムースと、レモンの絞り汁とキルシュで風味漬けした甘酸っぱいチェリームースの組み合わせは、大体想像した通りの味だっただけに残念です。


キャラメルチェリームース1


上に垂らしてあるのは、ブロ友さんに送っていただいたアプリコットジャムにチェリーの煮汁を混ぜて裏ごししたソースです。

程よい酸味とホンの微かな苦味のあるキリッとした味のアプリコットソースが、キャラメルの味を引き立ててくれていました。

雪娘さん、本当にご馳走様でした。


この次作る時はキャラメルムースのゼラチンの量と作り方の手順を少し工夫して、満足の行くものに仕上げたいです。

…と言っても、さすがにもうチェリーは手に入らないですね。

先週末、スーパーの今まで桃やチェリーが置いてあった場所がリンゴや梨に取って代わられているのを見て、「あはれ今年の夏もいぬめり…」と少し寂しくなってしまいました(本歌は「秋」ですけれど…)。

チェリームースとの組み合わせは来年の楽しみにして、何か他の素材で試してみるのもいいかも…と思うあたり、ちょっと朝の連続テレビ小説「まれ」に影響されてるかな?

そう、市販のスポンジで手抜きをしましたが、今回私にしては凝ったケーキを作ろうと思い立ったのは。

ナナメ見している「まれ」に出てくるようなフランス菓子が食べたくなったからなのです(いえ、私が作ったのは「フランス菓子」なんかじゃありゃしませんが…)。

番組中「あぁん、食べてみたいなぁ」と思わせるような本格ケーキが次々と登場するのです…が、しかし。

そのケーキについている名前が…随分とややこしい。

「ジュテーム・モワ・ノン・プリュ」やら「マルジョレーヌ」やら「ドゥ・ヴィ」やら…。

今日本で売っているフランス風ケーキが皆こんな名前なら、私、ショーケースの前でマゴマゴするおのぼりさんになってしまいそうです(私にフランス語の素養がないからですけど)。

作り手の思いがこもっているのは分かるのですが、こういう名前のケーキを見ると思い出してしまう漫画があります。


モンビジュー


玖保キリコ作「シニカル・ヒステリー・アワー」。

小学生の日常を、タイトル通りシニカルかつコミカルに、時にはピュアリーに描いた作品です。

ナルシストでちょっと(かなり?)ワガママな女の子ツネコちゃんと、いつも彼女に振り回されがちな幼馴染みのキリコちゃん、その他のクラスメート達やその家族がそれぞれ個性的で、でも作品中には「こんな子、いるいる~」「こういうこと、あるある~」が満載で、とても楽しいんです。

私が初めて単行本を読んだのは高校生の時でしたが、雑誌掲載は1982年~1995年だそうです。

現在はどうやら大人になった登場人物を描いた続編が雑誌に掲載中なようですね…読んでみたいような…読まないほうがいいような…?


閑話休題、ケーキの名前の話でした。

ツネコちゃんの街のケーキショップに「モン・ビジュー(私の宝石、宝物)」という名前のイチゴのタルトが新登場します。

「モン・ビジュー」はエスプリ好みの、お店の娘がつけた名前だったのですが。

ツネコちゃん、キリコちゃん始めお客は誰も名前で注文してくれません(「そのイチゴの」とか「赤いの」で用は足りるんですよね)。

二人が友達にそのケーキの説明をしている時「何て名前のケーキ?」と聞かれ。

「…何かジャとかギュとかいう感じだったよね」

「そう、ギョギョームとか何とか…」

「ギョギョームね」

かくしてこのタルトにはツネコが命名した「ギョギョーム」が定着してしまい、エスプリ娘は嘆くのですが、オーナーシェフである父親は。

「お客がギョギョームって言うならギョギョームでいいじゃないか」と名前を変更してしまったのでした。


ギョギョーム


めでたし、めでたし。

(文中の漫画の台詞はうろ覚えですので原作とは違っていると思います、悪しからず…。)

絵画のタイトルや焼き物の銘等と同様、ケーキの名前も意味がわかれば想像が広がって楽しいんですけどね…。

日本で日本人向けに作って売っているお菓子なのだから、もっと日本語を駆使した名前をつけてもいいんじゃないか…と思う私なのでした。


気温が高い日が続いているので「これ以上血圧が下がらないように」という大義名分を掲げて、ダイエットを小休止しています。

その上調子にのって、禁断のケーキ作りにまで手を出してしまったのですから…体重計の目盛りはもちろん…。

あやうし、あやうし。

ま、気温と共に上昇した体重ですから、気温が下がって来れば体重も…?

…暑さで思考回路までがギョギョームになっているようです。


ではまた。

きっと近いうちに。





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