今日は餃子でビールの日 | COCOのおいしい話

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(注)このブログの更新は時差のせいで一日遅れになっています。

我が家では毎週金曜日を「ビールの日」ビールと定めています。

ご飯、パンなどの炭水化物は食べず、ビールに合いそうなおかずを肴に飲む、とただそれだけなのですが、結構いい気分転換になるんです(他の日には絶対飲まない、という訳でありません)。居酒屋風のメニューになることが多いかな。

今日のメニューは


COCOのおいしい話-1/14/11


*餃子
*さつまいもと赤パプリカとスナップピーの甘辛煮
*大根、人参、セロリのスティックw/味噌ディップ
*きんぴらごぼう

でした。

何の変哲もない地味な献立ですが、ひとつこだわりと言えば、餃子は挽き肉ではなく、薄切り肉をフードプロセッサーでミンチにしたものを使っていることでしょうか。

昔サンフランシスコに留学していた頃、英語学校で一緒になった台湾からの留学生の女の子達と仲良くなったことがありました。

そのうちの一人、キャロルさん(本名ではなく、イングリッシュ・ネームを使う人も多かったです)が、ある日姉と私を食事に招いてくれました。

お料理に興味があったので、作る所から見せてもらう事にしたその日のメニューは、酸辣湯(サンラータン)と螞蟻上樹(マーイーサンスーと読みます)…これは私たちが言うところの麻婆春雨でした…と、トマトと卵の炒め物(中国名は忘れました)だったと思います。

料理の説明を聞き、当然挽き肉と薄切り肉を使うのだろうと思っていたら、彼女が取り出してまな板にのせたのは、1kgはあろうかという堂々としたカタマリ肉。

キャロルは大きな中華包丁をかまえると、ゆうゆうと、それを細かく切り始めたのです。

「えーっ、わざわざ切るの? 挽き肉は使わないの?」

驚く私たちに、彼女は挽き肉を使うなんて考えた事もない、とばかりに言いました。

「ノウ、ノウ。ディス イズ、マッチ ベェター。」

春雨の中の肉の粒が、木の葉(針葉樹かな?)の中にまぎれこんだアリの様に見えるからこの料理の名がついたのだと、キャロルはその発音を不思議な抑揚で繰り返しながら教えてくれました。

食事が終わった後、彼女が好きだと言う谷村新司の「昴」(その当時でも十分懐メロでした。いい歌ですが、シブい趣味ね…)のテープ(!)を聞きながら、さすがは中国四千年、あの国では(台湾ですが)二十代の女の子も、大包丁を自由に操って豚を寸断するのかと恐れ入ったものでした。

また、この女の子達4、5人がある日、前の日にみんなで作ったと言って、揃ってお弁当に餃子を!持って来た事がありました。

カフェテリアで隣に座っていた私は当時にんにくが好きではなく、「うわ、何てこった…。午後の教室も大変なことになるゾ」とおののいたのですが、中身は何を入れたの?、と聞くとその中に「ガーリック」が出てこない。

「にんにくは入れないの?」と聞くと、これまたとんでもない事を、と言わんばかりに「ノーッ、餃子ににんにくは入れないわよー!」

餃子もにんにくが入ってなければおいしいだろうになあ…と常々思っていた私は我が意を得て、それからは自分でも餃子を作るようになりました。

その後私の食の幅も広くなり、にんにくもすっかり平気になりましたが、今でも餃子はにんにく抜きで作っています。

時間のない時は挽き肉を使う事もありますが、自分で豚肉を挽いて作った餃子はやはり味が濃い。

是非一度試してみることをお勧めします。b(^V^)d