GWのころにこの本(↓)を購入し、読み終えました。(詳しいお話は ⇒ こちら


謝るなら、いつでもおいで/集英社

¥1,620
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友だちを殺めたのは、11歳の少女。被害者の父親は、新聞社の支局長。僕は、駆け出し記者だった―。

世間を震撼させた「佐世保小6同級生殺害事件」から10年。―新聞には書けなかった実話。

第十一回開高健ノンフィクション賞最終候補作を大幅に加筆修正。


【著者プロフィール】
川名 壮志 (かわな・そうじ)
毎日新聞記者。1975年、長野県生まれ。

2001年、早稲田大学卒業後、毎日新聞社入社。

初任地の長崎県佐世保支局で「佐世保小6同級生殺害事 件」に遭遇。

同支局離任後も、少年事件の取材を続ける。

警察回りや証券取引等監視委員会なども担当し、

現在は東京地方裁判所・東京高等裁判所を足場とした司法取材に取り組んでいる。




思うところがあって、こちらの本についての感想をUPしようかどうかためらっていたのですが、


どんな話なのか、どんな感想を持ったのか是非・・・というお話をいただき、UPすることにしました。


話の内容がかなり濃いものだったので、長文の感想になりますが・・・



この事件については、良く覚えています。
10年前・・・当時、わたしの長男が小学3年生くらいでした、
教育現場で、しかも(少人数教室とはいえ)学校の教室で起こった少女による少女殺傷という事件は、
同世代の子供を持つ親という立場もあり、非常に興味を持って事の成り行きを見ていました。
とはいえ、あくまでマスコミから提供される断片的な情報(しかもかなり偏った情報)だけでしたから、
わたし自身の受け取り方が正しかったのかどうかはわかりません。


事件に対する印象が強かったので、
正直なところ、本を手にしてみたものの読み通せる自信がなかったのですが・・・


それでも、10年後のいまでも記憶に残っている、あれだけショッキングな事件について
かなりきちんとした描写がされているにもかかわらず、
女性のわたしが不快感を持つことなく、最後まで立ち止まることなく読み終えられたのは
筆者の、暖かい目線で書かれている本だからだと思います。


事件の大小にかかわらず、
わたしたち第三者にとっては、犯人が逮捕されたところで事件は終わってしまうけれど、
当事者の方々にとっては、事件が終わることはなく・・・
どちらかといえば、

そこから(犯人が逮捕されたところから)が本当の意味での始まりなのではなのかもしれませんね。


知り合いの精神科の先生が、時々「時薬」という言葉を口になさるのですが
(この本の中では、同じような意味合いで「日薬」という表現がされています)
「忘れる」ということではなく、「気持ちの折り合いをつける」ということに対して
たしかに時というのは何物にも代えがたい効き目を持つ薬のような気がします。

この事件にかかわった人々の心の痛みが、

10年という時に少しずつ癒されているということに安堵するとともに、
本当の意味で心安らかな日々を送ることができる日が訪れることを切に願っています。


COCO