こんにちは。
今日は快晴です。
 
今朝、悲しいニュースが。
またひとり、ブロ友さんが旅立ちました。
ぼくと同じ大腸がんで、同い年。
彼女の頑張りと励ましに何度助けられたことか。
いたろ~さん、ありがとう。
あなたのことは忘れません。
また会う日まで。。。
 
 
今回は、免疫チェックポイント阻害薬について、ぼくの知る限りの情報をまとめてみました。
 
 
■免疫チェックポイント阻害薬について
 
免疫CP阻害薬は、従来の殺細胞型の抗がん剤、分子標的薬とは異なるアプローチでがんを治療する新しい抗がん剤です。
 
リンパ球などの免疫機能は、過剰に働き過ぎて正常な細胞まで攻撃する場合があるためにその働きを止めるブレーキがついています。
がん細胞は、このブレーキを踏むことで免疫機能の働きを弱めてしまいます。
免疫CP阻害薬は、このブレーキをきかなくする(阻害する)ことで免疫機能を高め、がんを治療します。
 
日本では、2015年末に「オプジーボ Opdivo」(一般名:ニボルマブ Nivolumab)が非小細胞肺がんの治療薬として承認されました。昨年は、その効能よりも、薬価が高いという報道で有名になりました。
 
そして二番目の免疫CP阻害薬として、「キイトルーダ Keytruda」(一般名:ペムブロリズマブ Pemblolizumab)が、非小細胞肺がん悪性黒色腫の治療薬として昨年承認、2月15日に薬価収載とのこと。
 
・新薬11製品が薬価収載へ MSDのキイトルーダも
 
・PD-1抗体キイトルーダ薬価収載決定 オプジーボと同額1日薬価3万9099円
 
非小細胞肺がんに対しては、オプジーボよりもキイトルーダの方が効果があるという臨床試験データがあるようです。
 
免疫CP阻害薬もすべての人に効果があるわけではありませんが、この薬で助かる人も必ずいるわけで、薬の選択肢が増えることはすべてのがん患者にとっても喜ばしいことです。
 
 
■大腸がんへの効果と、臨床試験について
 
大腸がん(直腸、結腸がん)に対しては、残念ながら免疫CP阻害薬の効果は低いと言われていますが、大腸がん患者向けに臨床試験(治験)が行われています。
単剤での効果がなくても、他の抗がん剤と併用することで効果を発揮するかもしれません。
 
大腸がん患者向けに行われているキイトルーダの治験情報を、参考までに載せておきます。
一般的に、治験を受けるには厳しい条件があります。
まず主治医と相談されることをお勧めします。
 
・臨床研究情報ポータルサイト の情報
①切除不能・再発結腸・直腸癌患者を対象としたBBI608とPembrolizumabの同時併用療法 第Ib /ll相臨床試験
 
がん情報サイト「オンコロ」 の情報
②大腸がん キイトルーダとがん幹細胞阻害薬ナパブカシンの併用療法の第1/2相試験
 
③【治験広告】進行大腸がん対象 免疫チェックポイント阻害薬の治験のご案内
 
※①と②は同じ治験をさしているものと思われます。
 
 
■リンチ症、MSI(マイクロサテライト不安定性)について
 
免疫CP阻害薬は大腸がんに対して効果が低いと書きましたが、例外があります。
 
家族性大腸がんの一種、「リンチ症」の患者さんに対しては非常に効果が高いのです。
上記③のリンク先や下記リンク先を見ると、6割近い患者さんに効果が出ています。
 
・リンチ症候群(主に遺伝性大腸がん) ペムブロリズマブ(キイトルーダ)が有効な可能性 ASCO2015
 
がんは、遺伝子のコピーミスが原因でできると言われていますが、リンチ症の患者さんは、コピーミスを修復する機能(DNAミスマッチ修復機構)に生まれながらに欠陥があり、がんに罹患しやすいそうです。
 
DNAミスマッチ修復機構に欠損(MMR欠損)があると、遺伝子はマイクロサテライト不安定性(MSI)という遺伝子にたくさん傷がついた状態になります。
 
MSIかどうかは遺伝子検査を受けると判別できます。
 
MSI遺伝子検査で陽性反応がでると、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)と診断され、リンチ症である可能性が高いそうです。
 
③の記事によると、ステージ4の大腸がんの患者さんの5%程度がMSI-Highということです。
 
年間5万人の方が大腸がんで亡くなると聞きますので、その5%、2500名の方が免疫CP阻害薬の治療を受けられれば、その6割の1500名の方に効果が出るという計算になります。
 
ぼくが知る限り、MSI遺伝子検査は保険適用外で、自己負担100%、費用は数万か数十万かかるということです。
 
国立がん研究センターが中心になって進めているゲノム解析プロジェクト SCRUM-Japanに参加すると無料で検査を受けられるのですが、大腸がんを対象にした検査は打ち切られてしまいました。(大腸がん以外は継続中)
 
ただ、国立がん研究センターのサイトを見ると4月から大腸がんを対象にしたプロジェクトが再開されるようです。
 
MSI遺伝子検査と、MSI-Hの患者さんを対象にした免疫CP阻害薬の治療が、一日でも早く保険適用になることを切に願います。
 
 
■海外の情報
 
ブロ友さんから教えていただいた、海外がん医療情報リファレンスへのリンクです。
参考までに。
 
・ペムブロリズマブの情報
 
・近赤外光線治療の情報
がんに対する標的光免疫療法の進展