攻城の種類(火攻め/焼き討ち) | 「ニッポン城めぐり」運営ブログ

攻城の種類(火攻め/焼き討ち)

久々に攻城の種類シリーズ。先日落雷の話題をしたので、それに関連して今回は「火攻め/焼き討ち」です。

日本の城の多くは、当然燃えやすい木を主体に作られているわけで、かつ火攻めの例は戦国時代によくみられるとする文献もあるのですが、実際直接的に焼き討ちが原因で落城した城を思い浮かべると、案外ありません( ̄_ ̄ i)

戦国時代だと、信長による比叡山焼き討ちや、伊勢長島一向一揆攻めの際の屋長島・中江砦焼き討ち、というのがあります(例としては微妙ですね…)。他にも、火を放った例はありますが、すぐ消し止められたり、延焼するにしてもそれは城内の内通者によるものだったりします。

一方で、籠城側が敵が攻め寄せる前に城を自焼して退去したり、または落城時に火を放つという話は多々あります。これは自分の城を後々敵が拠点として活用できないようにするのが目的なので、逆に考えれば、城を攻め落とした後の占領地支配を考えると、今目の前で攻めている城を焼いてしまうのは賢くないという判断があったのかもしれません。

また、城側でも当然火攻め対策をしていて、漆喰や泥の塗り込められた塀や土塀などできるだけ燃えにくい素材を使っていたことも焼き討ちだけで落城した城が少ない理由のひとつでしょう。

ということで、前回の「水攻め」同様、「火攻め」も言葉はメジャーながらさほど実例が存在しない攻城法でした。自分が攻められるならどっちがマシかなー。「」かな…。