根小屋
「根小屋(ねごや、ねこや)」っていう地名が全国に結構あります。みなさんのお住まいの近くにもあったりするかもしれません
で、その「根小屋」って何なのという話ですが、戦乱が続いていた時代はみんな守りに適した山の上に城を築いていたわけですが、実際問題そんな所に住んでいたら日常生活におおいに支障をきたします。
一度でも山城跡に登ったことがある方は分かるかと思いますが、山頂にたどり着く頃にはたいがい「ゼェゼェ、ハァハァ」の状態になります。
そうすると、いちいち上り下りが面倒なので、上か下かのどっちかに引きこもっていようという発想になりますが、城主が上に引きこもると、家来や来客の方々からクレームが来るので、自然な流れとして山の麓に住もうかということになるのです。
つまり、「根小屋」とは平時における城主たちの住まいのことを指します
で、戦さになったら山の上にさっさと逃げ込んでしまう、という構図が出来上がります。
このような理由で、全国にはたくさんの「根小屋城」とか「根古屋城」という名前の城が存在します。あまりに一般的だし、山城の方と別けてそう呼ぶ場合があってややこしいので、個人的にはもっとそれぞれユニークな名前を付けて欲しかったのですが、実際多いです。
これら、平時の居館があった場所の名残が、「根小屋」という地名として全国に数多く残っているというわけなんですね。
戦国時代は戦さが日常茶飯事なので、山城メインでしたが、ご存じの通り平和な江戸時代が訪れると、政治や経済活動に便利な、平地に立てられた平城が次第に主流になっていきます。