グスクって何?
先日「陣屋って何? 」をブログでやりましたが、本日は「グスク」について。
そう、城めぐりでは主に沖縄県に存在する城です。
とはいえ、厳密には「グスク」=「城」ということも断言できないようです。
グスクは、奄美諸島から沖縄諸島、先島諸島の島々で広範囲に見ることができ、本土の城のそれとは違った、ウネウネした曲線美が美しい石垣を持っていることが特徴のひとつです
沖縄でも12世紀以降、各地に按司(あじ)と呼ばれる豪族が台頭し、「三山時代」と言って本島を中心に按司勢力の拡大した時代がありました。
沖縄各地の按司たちは、他勢力からの攻撃を防ぐために要所に城塞を構築し、これがグスクの起源とも言われているようです。
※ちなみに、グスクの総数は200~300とも言われているようですが、感覚的にはもっとあるような気もします。実際に、まだ確認されていないグスクもあるとかないとか
で、この説明だとまったくもって城と変わりないのですが、いわゆる城としての役割だけではない、という説もあるのです。(これは、北海道のチャシとも共通するものがありますね。ってチャシの話はまた後日ブログで)
例えば、「グスク聖域説」というのがあって、グスクが信仰に関する空間を持っていることが根拠とされていて、それぞれのグスクの中には聖域があって、神と人間を結ぶ機能を果たしていた、というものです。城としての役割は後付けだという考え方です。
他にも、「グスク集落説」という説があり、これはグスクの成り立ちが集落に近いものであって、その周囲を石垣で囲ったものである、という説です。これも、集落そのものを守る目的から、次第に城塞としての軍事的な意味を持つようになったと考えれば、自然な考えな気もします。
いずれにしても、はっきりとした答えは出てないようですが、実際に沖縄のグスクに行ってみると、そんな難しい話は忘れてしまうほどの美しさに圧倒されます。
ほとんどの場合、石垣のみ残っている、という状態ですので、特に石ジョー の方は必見です。
有名な首里城や今帰仁城など、沖縄の主要な史跡群は、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として、世界遺産にも登録されていますので、わたくしをはじめ、「城でも行く」と言うたびに家族に嫌な顔をされている方も、それを理由にグスクめぐりを計画してみてはいかがでしょうか。