Sortons du nucléaire 核からの脱出を訴える仏社会党議員 | PAGES D'ECRITURE

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フランス語の勉強のために、フランスの雑誌 Le Nouvel Observateur や新聞の記事を日本語に訳して掲載していました。たまには、フランス語の記事と関係ないことも書きます。

4月2日の 国民を「保護する責任」 la "responsabilité de protéger" に続いて、大震災関連(?)の記事を挙げておきます。

電力の80%を原子力に依存するフランスにおいてさえ、このような記事が出るほどに、どこかの国の震災に関連した人災の影響は大きいということでしょうか。

4月8日に『ル・モンド』のサイト Lemonde.fr に掲載された Sortons du nucléaire (核から脱出しよう)という記事です。著者は、フランス国民議会議員(社会党)のクリストフ・カレッシュ氏、ジャン=ポール・シャントゲ氏等です。


Point de vue

Sortons du nucléaire

LEMONDE.FR | 08.04.11 | 09h04 • Mis à jour le 08.04.11 | 09h16

 

福島の核の破局は原子力産業のための時代の終わりを画す。原子力産業が世界において確実な復活を迎えていたまさにその時に、その影響が今もなお全面的には知られていない、この破局はその発展を妨げることになろう。その突発が一つの国、一つの地域、さらには地球全体に持続的に悪影響を与えるであろう核の事故について、世界中で、各国の国民が疑問を抱いていている。核の危険性は、明らかに、他の危険性と同じようなものではない。その範囲とその持続性から、他の産業的危険性と比較することはできない。今後、このエネルギーの競争力をきわめて乏しくする保安基準に見合って上昇した価格でなければ、少なくとも民主主義国に原子力発電所を売り込むことは非常に困難になるだろう。あとは独裁国家が残るだけである…

フランスは明確にこの現状確認を行うべきである。1980年代から右翼と左翼の間での強い政治的合意をめぐって作り上げられた核を国家的誇りの対象にしてきた国にとって、痛みを伴うことである。しかし、未来を準備し我が国のエネルギー政策を新しく方向づけたいのなら、必要なことである。フランスをヨーロッパと世界において孤立させることになる出口のない道に固執することほど最悪なことはないだろう。

それに対して、化石エネルギーをでなければ原子力の真の代替手段は現在ないと答える人々がいる。何年も前から電力の消費を奨励し再生可能なエネルギーの開発を妨害することに献身しているのは、しばしば同じ人々である。


代替手段は存在する。まず、その潜在力が著しい、我々のエネルギー消費の削減によって。それから、太陽光、風力、バイオマスといった、再生可能なエネルギーの開発によって。それらは、不幸にも遅れをとったままでいる我が国を除いて、多数の国でエネルギー生産の優位な割合を占め始めている。核を選択することは、エネルギーの有効性と再生可能なエネルギーを選択しないことでもある。

この視点から、「核から脱出すること」は我々の優先課題と投資の新たな方向付けの条件である。一部の例外を除いて、核からの脱出が明日から可能だとは誰も考えておらず、我が国の「mix énergétique (エネルギーの混淆?)」が、この方向性が決められることなくなされると考えることは偽りであろう。再生可能エネルギーの領域における「環境のグルネル」の中断がそのことを証言している。

権力を行使することを熱望する社会党は、この選択に直面している。その関心は、この論争を党の内部で最後まで続けることである。今日それを行わないことは、大統領選挙運動の期間にその候補者を弱くする曖昧さを維持することになる。我々は党に、自らの立場を明確にし核から脱出することを呼びかける。


Christophe Caresche est député (PS) de Paris ;

Jean-Paul Chanteguet est député (PS) de l'indre ;

Aurélie Filippetti est députée (PS) de Moselle ;

Géraud Guibert est animateur du pôle écologique du Parti socialiste.

 

Christophe Caresche, Jean-Paul Chanteguet, Aurélie Filippetti, députés (PS), et Géraud Guibert, animateur du pôle écologique du Parti socialiste

 


http://www.lemonde.fr/idees/article/2011/04/08/sortons-du-nucleaire_1504573_3232.html


比較的近い過去に、全原子力発電所を一時停止したにもかかわらず、特に停電を必要としなかった程度には原子力発電所が実は必要不可欠でもない、どこかの国の某TEPCOとかいう巨大私物企業と、そこに巣食う魑魅魍魎どもは、あくまでも原発利権にしがみつきたい一心からか、夏に向けての電力不足プロパガンダに躍起になっています。せめて志ある政治家が(存在すれば)上の記事のような(フランス語の原文のような格調高い言葉によってではなくても)主張をしないものでしょうか(してるかもしれませんが)。

個人的な直近の課題としては、都知事選を痴爺選にしないことでしょう(都合により期日前投票しました)。手遅れかもしれませんが。


【追記】4月10日
恐れていたように、都知事選は都痴爺選になってしまったようです。
あと4年これが都痴爺という天罰を喰らわなければならないのは、私が前世で重大な罪でも犯したからなのでしょか。東京に住んでいること自体が、今や罪と言える時代なのかもしれませんが。