松岡農林水産大臣死亡(続報) 自殺だとしたら首相の責任は大きい | PAGES D'ECRITURE

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フランス語の勉強のために、フランスの雑誌 Le Nouvel Observateur や新聞の記事を日本語に訳して掲載していました。たまには、フランス語の記事と関係ないことも書きます。

松岡農林水産大臣が死亡しました。報道に基づき、とりあえず自殺という前提で書いておきます。在職中の閣僚の自殺は戦後初です。


松岡氏の任命責任認める=「内閣への影響大きい」-首相


 安倍晋三首相は28日午後、「政治とカネ」問題で追及を受けていた松岡利勝農水相が自殺したことについて「内閣、政権への影響は大きい」とした上で、「任命権者だから、首相として閣僚の取った行動に責任を感じている」と述べ、任命責任を認めた。後任人事については「農林水産業の改革に情熱を持って取り組むことができる人を選びたい。認証式の日程も考慮に入れながら決定したい」と語った。


任命責任は認めています。しかし、内閣の体面を保つために、辞任させずに「法律に基づいて」だのと屁理屈をこねて留任させたことの責任はどうなるのでしょうか。

「辞任していれば…」=元農水相ら弔問続々-松岡氏自殺で衆院議員会館

5月28日19時33分配信 時事通信


 衆議院第一議員会館2階の松岡利勝農水相の事務所には、大島理森元農水相、同階に事務所がある深谷隆司元通産相ら議員や農水関係者らが続々と弔問に訪れた。
 大島元農水相は、殺到した報道陣に「お亡くなりになっている。静かにしておやりなさい」と言葉少なげに話した。島根県選出の竹下亘自民党副幹事長は「(松岡農水相は)孫の顔を見に、島根に来ていたようだ。お悔やみの言葉は言いようがない。そういう気持ちをお伝えした」と話した。
 隣に事務所を構える近藤基彦議員は「大ショックだ。隣同士で仲が良かった。これからますますご指導いただこうと思ったのに」と話した。
 深谷元通産相は「相当悩んでいらしたんでしょう。活動的な人でいつもにこにこ応対してもらって、やり手だった。辞任されていれば、心の重圧はなかったのかもしれない」と心中を推し量った。



<松岡農相自殺>首相の擁護裏目 参院選に影響必至
 
 安倍晋三首相は、松岡利勝農相が緑資源機構の談合事件に絡む政治献金を受け取っていた問題や光熱水費疑惑で与党内から辞任を求める声が出ても、擁護し続けた。柳沢伯夫厚生労働相が「産む機械」発言や公的年金の支給漏れ問題で批判を浴びていることから、「辞任ドミノ」を招き政権が弱体化しかねないと懸念したからとみられる。だが自殺という結末を迎え、首相の対応は裏目に出た形だ。(毎日新聞)
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辞任していれば、自殺には至らなかったかもしれない。そして、政治資金問題についても真相の解明がなされたかもしれません。内閣の体面を保つためだけに、屁理屈でごまかしてきた首相の責任は重いと言えます。

この首相は、人の生命を何とも考えていないのでしょう。ついに、戦後初の在任中の大臣の自殺という自体を招いたしまった首相は、別の意味で「戦後レジーム」の総決算をしたつもりでしょうか。


間違っても、自殺の責任が、松岡氏を追及した野党の側であるなどという論調を認めてはいけません。狡猾で卑怯な自民党は野党の追及が松岡氏を自殺に追い込んだなどと論点をすり替え、同情票を獲得しようという戦略に出る可能性がありますが、そんな手は通用しません。あのような疑惑があれば、追及するのは野党として当然です。責任は、内閣の「辞任ドミノ」による「弱体化」を防ぐために姑息な手段で庇い続けた首相にあるのです。


あくまでも、自殺という前提での話です。本当に自殺かどうかは、司法解剖を含む厳正な捜査によって判断されるべきでしょう。
長崎市長暗殺事件に対しての首相の最初のコメント、「捜査当局で厳正に捜査が行われ、真相が究明されることを望む」が適用されることが望まれます。が、司法解剖はされない模様。自殺が明らかだから? そういう問題でしょうか。



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