今年もやはり異常気象なのか、最近 ヘンなお天気が続いている。 朝は晴れているのに、お昼前後から土砂降りの雨、とい日が多い。
それに そろそろ梅雨の季節なのに未だに梅雨前線が南に停滞したまま。 沖縄・奄美はとっくに入梅したというのに、本土は梅雨の気配がない。
ところで、まったく話は変わるが、これから夏になるとメロンの季節。 そのメロン、かなり昔から食べられていたのをご存知だろうか?
メロンというと、マスクメロンなどの網目のあるネットメロンを思い浮かべるので、明治以降に輸入されたものと思いがちだけれども、実は『日本書紀』にもその名が登場するほど古くから日本では食べられていた。
もちろん、当時のメロンは現在のように甘みのあるネットメロンではなく、キュウリに近いマクワウリと呼ばれるもの。 しかし 瓜もメロンの仲間であることには変わりない。
ところで、このメロン、起源はどこにあるのだろう? メロン、スイカはアフリカ地域に古くからみられる とありますが、原産地については諸説あるようで、どこ、という特定はされていないようです。
日本でのメロンの歴史は、アールスメロンなどいわゆるハウスメロンについては、1920年から1930年にイギリスから導入されたということでかなり詳しくはわかるのですが、それ以前のものについては明確にはわかっていないらしい。
では諸説、一般論はどうなっているのだろう。
『ケンブリッジ世界の食物史大百科事典』という食品科学の専門書には、「メロンは西アフリカに起源し、中国あるいはドイツが第二次拡散中心である」と書かれている。
さらに「アフリカ、アラビア、南西アジア、オーストラリアの砂漠およびサバンナにおいて、野生メロンの自生が報告されている」とある。 水気のない砂漠やサバンナでメロンが自生とは!
そこで1981年発行と、ちょっと古い資料になるが、朝日新聞社の『週刊朝日百科 世界の食べもの』を見てみると・・・
そこにはメロンを貴重な食材として利用しているブッシュマンが紹介されていた。
メロンは水供給減として生のまま食べ、果肉の部分は鍋で煮てどろどろになった汁を粥のようにすするとあり、ブッシュマンの最も重要な主食植物とある。
もちろん、ここでいうメロンは現代人が食べているような甘く香りの強いものとは違うようであるが、その見た目はメロンというよりスイカに近いが、確かになじみのある姿。
そして「スイカの原種であるツァマ・メロン」という記述がある。
えっ! メロンとスイカは親子のような関係?
確かにメロンもスイカも同じ瓜科の植物なのでルーツは同じ。 親子でなくとも親戚であることには変わりないのかも。
メロンとスイカの関係については前述した『ケンブリッジ世界の食物史大百科事典』にも書かれていなかったので、定説のようなものはまだないのかもしれない。
メロンとスイカの栽培にしてもこの本によると、メロンの栽培は中国では5000年以上、イランでは5000年、ギリシャやエジプトでも4000年前に行われていたと書かれている。
またスイカは作物として6000年前に北アフリカ、南西アフリカで現れたとある。 いずれにしてもメロンもスイカも古くから人類にとって重要な食物だったことには変わりない。
高級な果物というイメージの強いメロンだが、弥生時代の日本で、また アフリカの大地で多くの人たちに食べられてきたことを考えると不思議な気持ちがする。