「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」第44話「バリンバリンの全開」の感想など。


 意外なところでの、アルホーエンハイムの再会。

 が、今のホーエンハイムはこのリオールの復興の手伝いをしてたもんで、住民に声をかけられ、話はいったん中断する。

 その後、以前ラジオを直してあげたおっさんに、自分達がコーネロにちょっかいを出したことでこのようにリオールが大変なことになったのを詫びるアルだが、そのおかげで街が正気を取り戻したのだから気にするなとフォロー。

 その様子が、みんながわだかまりを捨てて復興のために働いている光景に表れていた。それを見て、アルだけでなく、ザンパノジェルソ、ついでに引きずられながらヨキも手伝いに行くことに。


 住民達から、アルが息子だと聞いてせっかくの再会を邪魔しちゃったかしら、と気遣われたホーエンハイムだが、何年も前に家を出てきたので父親として見られてないかもしれないし、何を話せばいいやらと思っていると、自ら進んで手伝いをすると申し出たので、その心配は杞憂に終わったようだ。


 その後、久しぶりのお風呂を満喫するウィンリィに、ロゼウィンリィが自分を立ち直らせてくれた恩人でもあるとお礼を述べていた。

 それは、エドの足をウィンリィがオートメイルで立ち上がらせるようにしてあげて、エドは自分の目を覚まさせて立ち直らせてくれたという経緯があったからだ。

 確か第2話あたりのことを言っていたと思うが、だいぶ昔のことだよな、今思うと。

 すがるものをなくし、路頭に迷っていた自分に、自分の足で歩け、と声をかけてくれたのがエドだったわけだ。もうちょっと言い方が優しくできないのかと恥じるウィンリィだけど、あれがエドの優しさだと分かってるでしょと言われたら、図星だったのだろう、ちょい赤面。


 一方、グリードを捜すために軍に引っ付いてきたビドーは、よく分からない場所へ来てしまったと呟きながら歩いていた。

 そして、魂の入っていない器だらけの人形がぶら下げられているのを見て絶叫しかけ、思わず誰かが近づいてきたのを察し慌てて隠れる。

 前回のラストで、オリヴィエが少将に国家錬金法の3大制御のことを説明されていた、あの場面がやって来た。

 これが不死の軍団の正体だった。

 とんでもない場所へ来てしまったと気づいたビドーは、急いでその場を離れるべく走り出す。

 こんなところにグリードがいるわけない、と思っていたが、途中でリンの姿をしたグリードと遭遇したのだ。


 その頃、ホーエンハイムに対しリオールの地下通路を目指してここに来たことを告げたアルだが、人前で聞かせる話ではないとのことで、人気のない場所へと移動する2人。

 そこで、国土錬成陣の発生を阻止しようと思ってたこと、セントラルの地下にホーエンハイムそっくりの男がいて、そいつが何者かをホーエンハイムなら知っているかもしれないだろうと話した。

 だがここで釘をさすホーエンハイム。もし自分があっち側の人間であれば、かなり筒抜けになってしまっていることだろう。

 ま、あっち側ではなかったけどさ。それよりも、父親として信じてもらった方が嬉しかったわけだ。

 というわけで、ホーエンハイムも自分のことを全て話す決意を固める。ここにエドがいれば手っ取り早かったわけだけどさ。


 そのエドが今どこにいるのか?

 ノースシティの銀行に、エドの銀時計と委任状を持ってダリウスが現れ、口座より金を引き出したいと告げたのだ。

 もちろん金は引き出せたわけだが、そのことはすぐに駐在していた軍に知らされてしまう。


 で、エドを治療してもらった診察所の老夫婦に、結構な額の治療費を手渡すダリウス。口止め料も含まれてるらしいよ。

 が、外の様子を伺っていたハインケルが、早くも追っ手が迫っていたことに気づく。さてどうする?

 ハインケルは特に自分の正体に気づかれていないから治療に来てた客ということで誤魔化しきれたが、奥の部屋で寝ていた(もちろん病気なとこは一切ないけど)ダリウスは誤魔化しきれない。

 そこへ食い物を買ってきたエドが戻ってきたようだけど、特徴を説明されている途中、最後のチビの部分でブチ切れたエドが伸しちゃったよ(爆)

 その後、結局はエドが1人で3人の軍人を叩きのめしちゃったわけだ。もう怪我の方はすっかり完治したってわけか?


 そして診療所を後にしたエドは、自分が赤コートと三つ編で捜索されていることを知り、しばらくは今の格好で行動した方が吉と思ったその時、別の軍人に見つかってしまう。

 幸いなことに、エドは気づかれていなかったから、逆に銃を向けられていたダリウスとハインケルがエドを人質にするフリをして脱出を試みる。

 途中で足を確保して逃げるが、車の性能上雪道ではスピードで不利。

 そこで、エドの指示通りに道を曲がり、軍の車もすぐに追いかけたのだが、何故か逃げていたエド達の車を見失ってしまう。

 どうやらエドの錬金術で車の外見を変えたようだ。止まっていた車がまさにエド達のものだったってことで、追っ手を撒くのに成功。

 が、あまりにも個性が強すぎて目立つので、とりあえずもう少し質素なものにしてくれ(笑)

 センスに文句があるのかって、ありすぎだ!のWツッコミ炸裂よ(爆)


 その後、何でもいいから情報を得るべく、アル達との合流を目指して行動することになる。

 だが、どこにいるのかは分からない。

 もしアルであればどのように行動するか、それを逆トレースするエドであった。


 そのアルは、ホーエンハイムから話を聞いて固まってたらしい。ホーエンハイムの言葉に我に返った形だからさ。

 そりゃあね、自分の父親が昔は奴隷であり、賢者の石であるなんて聞かされて驚かないのがいたら、そいつは精神がまともじゃないよ。

 が、アルだからこそ納得は早かった。自分がこんな体だからこそって助かりがあった。

 そして、不死なのはどんな感じかと聞かれたホーエンハイムは、体自体は便利ではあるが、大切な人が先に逝ってしまうのは嫌だという本音は隠さすにはいられなかった。


 その後、アルは自分が持っていた不安を確認しようとする。

 ホーエンハイムは賢者の石でできているまっとうな体ではないのだろう、と告げたことで、果たして自分はまっとうな体なのか、という不安を持っていたのだろうと看破されるわけだ。

 ホーエンハイムの場合、賢者の石と融合はしているが、あくまで核となっているのは自分の体である。

 だが、セントラルのお父様は、ホーエンハイムを模した皮袋に入っているような存在である。故に、その皮袋を破ればお父様は倒せるはずであると告げた。

 そして、ホムンクルスの企みに気づいたことを話し、手っ取り早いのは地下トンネルだろうと急くものの、あそこにはプライドが待ち構えているとホーエンハイムに止められる。

 錬成陣はとっくに完成しているかもしれない。だが、何故ここまでホーエンハイムが落ち着いているのか?


 まだ、その日ではない。


 アルに対し、いろいろな視点で物事を見るよう諭すホーエンハイム。お父様はおそらく、来るべき日を待っているのだろうと呟くのだ。


 一方、傷を負ったビドーは逃げ回っていた。背後からは、グリードが襲いかかって来る。

 行動の癖から、グリードみたいな真似をしやがって、と告げるビドーに、俺がグリードだと名乗るグリード。

 だが、ビドーの言葉を受けて何かが引っかかるグリード。頭の中で動揺が一瞬広がるのだ。

 ダブリスと聞いて何かを思い出したかのようなグリードの様子に、希望を見出したビドーであったが、次の瞬間、グリードに体を貫かれてしまう。

 記憶など、戻ってなどいなかったからだ。

 だが、断続的に襲いかかる心の動揺。昔の仲間の光景が見え、苦しみ出すのだ。

 そして、今はグリードに体の主導権を奪われているリンが、精神的にグリードを追い詰めようとしていた。

 前のグリードの記憶であれば、ここまで苦しむ必要などないはずだ。

 仲間というのは魂でつながっているもの。だからこそ、記憶を忘れるはずなどないとリンに怒鳴られた結果…


 その後、ブラッドレイの家に何者かが訪れてきた。それも平和的にではない。

 そこにいたのは、グリードであった。そして突然、ブラッドレイに襲いかかったのだ。ってことは、このグリード、おそらく体を取り戻したリンか、もしくは錯乱状態のグリード本人のどちらかであることが想像できる。



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