著者自身が寺を親から継いだ若きお坊さん。そして父親を最近亡くした。その父が入院中に原稿を最後まで読んでもらったという。
これは凄い親孝行だ。ライトノベルでは賞も獲得した新鋭。
とにかく会話のやり取りなどに、今の若い人たちの軽妙さがあって心地良くスラスラ読める。
もちろん「仏教」の教えも、それなりに散りばめられ、ふむふむという部分もある。
ミステリーとしてはチト弱いけど、兄妹の愛情、親への想いなど、読んでホンワカしたので、問題なし。
★★★★☆
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三十路間近な住職・日比野隆道和尚は、父母を失った高校三年生のゆかりにとって唯一の家族であり、歳の離れた“兄ちゃん”だ。兄妹ふたりの暮らす寺にある日、泣きぼくろが印象的な美女がやってくる。「夫から逃げてきた」と訴える彼女を、兄は妹の大反対にあいながらも居候させることにする―。すこぶる爽快、おもわず落涙。コイする青春“禅”ノベ