長崎県佐世保市。その郊外にジャパネットたかた本社がある。

社長が出社するとスタジオに入る。その日の天候を見て番組の商品を決める。この日は雨でクリーナーに変更した。

スタジオを隅から隅に動き、撮影する。

地元のカメラ店からスタートしテレビ通販で飛躍した。「提案型」であるため、使い方の照会も多く、オペレーターが同じ商品を実際に使って答える。

特に力を入れているのがタブレット端末。パソコンやタブレットを高齢者に販売。自宅を訪問して使い方を説明するなど、持ち前のコミュニケーション力で販売促進する。

ジャパネットは家電量販店と比べて特に安くは無いが、高齢者などの信頼が厚かった。

しかし急拡大するネット通販に対して、テレビやカタログ通販は曲がり角に差し掛かっている。そのため、いま新たな収益源を模索する動きが加速。

他にも東南アジアでテレビ通販を始める会社。“ぽっちゃり”“のっぽ”など、アパレル業界がこれまであまり作ってこなかったサイズに商機を求める。生き残りを賭けるなど通販業界の新たな戦略を取材。

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江口君、テレビ通販を見ていたが、奥様はネット通販で購入したという。

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売上高は20年足らずで70倍以上に伸びたが、12年12月期の決算は2期連続の減収減益となった。
インターネット通販などに押されているのが原因のひとつ。「2013年に最高益を出せなければ社長を辞任する」。ジャパネットたかたの高田明社長はそう語る。

これまで頑なに長崎の佐世保でやってきたが、去年、六本木に大規模なスタジオを併設した東京オフィスを開いた。狙いは、大手メーカーが集まる東京でヒット商品の掘り起こし。そして、ネット通販の専用番組を始めること。
副社長の高田旭人(社長の長男)が東京サイドの責任者。

佐世保のVTRを六本木で見て、東京サイドの売り方を決める。ジューサーだが、東京側は栄養価について力説。これを逆に佐世保でも見る。東京側は売り上げが伸びなかった。放送後すぐに社長から電話が入り、「おいしさ」を伝えるよう指導。

2箇所になったことで競争意欲が芽生えたと社長。

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東京オフィスには商談に訪れる会社が多い。これも東京進出の狙い。

他にもスポーツ用品など非家電系にも力を入れる。

今年2月からは、遠赤外線調理器と食材のセット販売も始めた。「ザイグル」と「三元豚ベーコン」のセットで17900円ちょっと。食材の追加注文も狙いのひとつだ。しかし放送後の販売は延びなかった。

6月21日、社長が東京にやってきた。早速スタジオに向かう。父と息子、1ヶ月ぶりの対面。MCや技術も呼んで喝を入れる。

世代交代への布石を打っているがさてその先は。

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名古屋市に本社を置くオークローンマーケティング。NTTドコモグループのオークローンマーケティングは、今年3月、「ショップジャパン」というブランドでサービスを開始した。健康器具が主力だ。

ネットの拡大で日本の市場が飽和状態になる中、海外に活路を求める通販業者が相次いでいる。いま通販が活況を呈しているのがタイだ。

オークローンもタイに進出。29歳の経営企画室目付さんが責任者。タイはテレビの多チャンネル化が進んでいることに加え、中間層が増えて消費が拡大していることが背景にある。

TVディレクトが提携先。ここ数年大きく通販が伸びているという。

タイでは韓国の通販大手も進出。住友商事傘下のジュピターショップチャンネルも、今夏にもサービスを始める計画だ。

オークローンはフィットネスマシーンで挑む。現地スタッフには「売れる」と太鼓判をおされた。目付さんは次の地、インドネシアに向かった。

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江口君、ニッセンの入っている渋谷の店に。スマイルランドという女性服売り場。店員もぽっちゃりだ。サイズの大きいものを揃え、ジーンズには股ズレするための手当てもしてある。通路も広く、試着室も広~い。

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今年3月。東京・渋谷のパルコで開かれたファッションショーが熱気に包まれた。モデルは、少し太めの女性ばかり。そのパルコに“ぽっちゃりさん”専門の店舗を開いたのは、カタログ通販大手のニッセンだ。

1970年創業のカタロク販売老舗のニッセン。ネット通販の猛追を受ける中、ニッセンが目をつけたのが、“ぽっちゃり”の女性だ。

尼崎市にある「スマイルランド」、店舗スタッフもぽっちゃりさんだ。

横じまのシャツは敬遠されていたが、コーディネートを提案。リピーターが多いのが特徴だ。客とジカにコミュニケーションが取れるため、貴重な意見も吸いあがる。

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全国に5店舗あるスマイルランド。商品開発は岩瀬さんが担当。普通の店には売っていないブラが最も売れる。

ぽっちゃりさんは1%といわれる市場だが、カタログ通販のデータからDMなどで掘り起こす。

意外な効果を生んでいるのが雇用だ。ぽっちゃり体型の女性が店員を目指して面接に押し寄せている。

さらに、“のっぽ”や“ミニ”。こうしたサイズは大量に売れないため、メーカーが嫌がり、これまで扱う店が少なかった。

だが、少数派でも確実に需要はある。大量生産できない分、いかに需要を予測して少量生産し、それを売り尽くすか。

佐村社長は1%でも欲しいという人たちがいるならニーズはある。と語る。

小柄な女性の悩みを受けて作ったブランド。できた製品を社員の小さい人たちが試着し、完成度を上げていく。

顧客の反応も良く、専用カタログを作ることも決定した。

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↓ジャパネットたかたの高田明社長

生誕半世紀からの存在証明-ガイア