アメリカ・シアトル郊外の人気食品「SURIMI」はカニカマのこと。

カニカマを買ったアンジーさんのお宅にお邪魔する。ベーコン巻きやサラダに使われていた。友人達にも大人気だ。

インスタントラーメン、レトルトカレーと並び、“戦後食品の3大発明”とも言われる「カニカマ」。魚のすり身を繊維状にした、カニ風味のかまぼこだ。それを生み出したのが、石川・七尾市にある水産加工会社の「スギヨ」だ。

従業員650人。スケトーダラのすり身を使い、色素を加えてカニっぽくする。スギヨが1972年に開発した商品だ。

日本販売の5年後にアメリカにも進出した。

早くから世界にも目を向け、30年前には日本の地方の中小企業としてはまだまだ未知なる市場だったアメリカに進出。今や、欧米各国で「SURIMI」の名前で親しまれるまでに広まった。他社の競合商品も増えたが、高級カニカマも開発。今後も石川の地から、オセアニアや東南アジアなどまだまだ未知なる国へ進出していく予定だ。

杉野社長「中小メーカーは常に考えて挑戦していかないと」と語る。

他にも福井の酒蔵 リトアニアのビール党を酔わせろ!&茨城の干しイモ アフリカの大地へ・・・

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江口君・・・「好きな外国料理アンケート」の結果を発表。三位はイタリア料理、二位が中国料理、そして第一位は日本料理だった。ヘルシー指向が人気を押し上げた。

日本酒の消費している国を世界地図で紹介。まだ消費していない国がかなりある。

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焼酎やウイスキー人気に押され、国内では苦戦が続いていた日本酒業界だが、ここ最近、海外輸出が伸び続けている。福井県鯖江市の「加藤吉平商店」は輸出に力を入れる酒蔵の一つ。

無添加純米酒に拘ってきた。「梵」というブランドで日本でも大人気で、28年間増収を続けている。純米酒部門のチャンピオンにもなるなどこれまで、アメリカ、中国、韓国、シンガポールなどで高い評価を得てきた。海外での売り上げが2割まで占めるようになった。

その加藤吉平商店の加藤さんが今年1月に向かったのは、バルト三国の一つ、リトアニアだった。人口わずか300万人。日本酒は全く普及していない。しかし、加藤さんは「誰も来ていない市場だからこそ、魅力がある」と話す。いち早く未知の市場を開拓しようとしていたのだ。

加藤さん、大使館に寄り、覚えてきたリトアニア語で挨拶。早速晩餐会で日本酒が振舞われた。

翌日からワインショップなどを巡って営業。

ワイングラスに注ぎ、香りを楽しみながら味わってもらう。おいしいと言われたが価格が高すぎると商談は成立しなかった。

酒屋をのぞくと、ビールの価格は1本90円程度。平均月収が10万円ほどというリトアニアでは、国民のほとんどがビール党なのだ。ワインも数百円程度。しかし日本から輸出する加藤さんの酒は、720ミリ瓶1本あたり、3000円以下にはできない。

しかし、これまで数々の未知なる国を攻めてきた加藤さん。めげずに高級ワインの販売店に狙いを絞った。リストニアのソムリエ協会会長に会い、持ち込んだ最高級の日本酒を試飲してもらう。

日本での市場価格は1万円する酒だが、果たして受け入れられるか。会長は「日本酒を飲んだことが無いリトアニアの人には価値がわからないのでは」と進言。

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3月下旬、小松空港に加藤さんが出迎えたのは、あのソムリエ協会の会長さんだ。加藤さんが招き、酒蔵を見てもらおうという計画だ。

産地に拘ったコメから始まり、蒸したコメにコウジカビを振り掛ける場の見学、さらに手で攪拌する作業は実際にやってもらった。

全て「手作り」であることに感動し、加藤社長にリトアニア招待を表明した。5月下旬にリトアニアで日本酒の説明会を実施。

実際に試飲もしてもらい参加者には好評だった。日本酒ファンを徐々に増やす算段で、会長さんの店に置いてもらうことが決まり、雑誌にも紹介された。

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江口君、日本から海外に進出したもので好評な商品を紹介。「爪きり」、「化粧筆」など、地方の中小メーカーが世界シェアを席巻している例を紹介。

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茨城県つくば市、道の駅などで人気なのがほしいも。

茨城県は、日本一の干しイモの産地だ。茨城県東海村で、自らサツマイモを栽培し干しイモに加工している「照沼勝一商店」は、大手の一つ。

干し芋は皮を剥き、カットしてから干す。照沼さんは2代目社長だ。

しかし、2年前の福島第一原発事故によって、一気に経営が悪化した。

干し芋から放射性物質は検出されなかったが、風評被害により、売り上げは3割も減った。東海村で起きたJCOの臨界事故のときも風評で経営が悪化したが、そこから回復しきらないうちに、福島第一原発の事故が起きたのだ。

東海村は福島県ではないが、今回の原発事故でも風評被害は深刻だった。代表の照沼勝浩さんの悩みは深い。

そんな中、アフリカで干しイモを作らないかというオファーが届く。

依頼主はルワンダでBOPビジネスを展開するルワンダナッツカンパニーの長谷川竜夫さんだ。長谷川さんによると、ルワンダの隣国、タンザニアでは、サツマイモが主食の一つになっているにもかかわらず、美味しい干し芋はない。

現地で、干し芋に適した品種のサツマイモを仕入れ、美味しい干し芋を作れば、ビジネスになるし、アフリカの食事情に貢献できるというメリットもあるという。

5月タンザニア、長谷川さんの待つアフリカに、照沼さんが向かった。

「チャンスがあるのではないか?」という期待を語る照沼さん。まず学校に向かい、持ってきたイモを食べてもらう。

感想は「おいしい」と大好評でおかわりしだした。

早速、適したサツマイモの品種を探す。多くは蒸すとパサパサして干しイモには向かないものだった。

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そして1週間後、探し求めていたイモに出会った。一面に広がるサツマイモ畑。掘り出してもらうと、それはオレンジ色のふっくらしたイモ。生で食べてみたら甘い。

次に近くのハウスに寄るとホシイモを並べていた。ここのものを食べてみると、温度が高くて焼けてしまって火ぶくれが出来ていた。

造り方は皮をむいて茹でていたが、日本のやり方である皮のまま蒸すことを教える。そしてハウスではなく風通しの良い屋外で干す。

2日後にはオレンジ色のおいしい干しイモが出来ていた。ここで責任者と事業展開の話し合い。

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5月下旬、帰国した照沼さんに衝撃のニュースが飛び込んできた。

またしても放射性物質の記事だ。ならばタンザニアのホシイモを逆輸入することはどうか。新たな可能性を考える照沼さんだった。

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↓照沼勝浩さん
生誕半世紀からの存在証明-ガイア