男と女、オスとメス、哺乳類が子孫を残すには絶対に必要な組み合わせだ。

ところがあるレズビアンのカップルが、日本の研究者に子孫を作って欲しいと要望を出した。今夜のテーマは命の取扱説明書。

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東京農業大学に行った二人は、まずは青山ほとり(大根踊り)で歓迎される。微動だにしない応援団から大根をプレゼントされる。

大学の中に入ると、醸造科では実習として利き酒をしている。勉強なのだ。下戸の田中が飲まされる。「おいしいです。」は評価としては的確でないという。

いよいよ本題のバイオサイエンス学科に行く。顕微鏡だらけの通路を抜けると、そこに、マウスの卵子の映像があり、染色体を抜くところが紹介された。

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発生生物学の先駆者である河野先生。命はなぜできるのか?を研究している。

代理母のお腹から出たばかりのネズミが映し出されて、それが今は死んでるけど、かぐやと名づけられたこのねずみは、なんと「お父さんがいない」、受精なしで出来たねずみなのだ。メスとメスの間から産まれたようなもの。

精子の染色体が無いのだ。赤ちゃんマウスの染色体に精子と同じようなマーキングをするとオスの精子と同じ働きをするのではと閃いて実験した。

生命がどうしてできるかの証明になったのだ。ではもう男はいらないのか?

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かぐやのクローンねずみが何匹かいいる映像が出て、太田「いいのこんなことして。」と疑問を呈する。

先生「生殖工学に関わる技術は一般の人が考えている以上に進んでいる。」

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今や、遺伝子操作の植物などは普通に出回っている。

ここからちょっと怖い映像が出た。頭の無いやつとか、ある芸術家は緑に光るウサギ(蛍光ウサギ)は世界に物議を醸し出した。

ここでヒトはどうなのか?という境界線の引き方で議論。

太田「実験人間を作ればいいじゃない。」

先生「マウスでやって出来ればそこまででいいでしょう。」

太田「人間への応用が最終目的だから・・。」

先生「それは違う。各国で規制があるから。」

先生「人間は理論的にはできるけど、ものすごい犯罪行為。大犯罪です。」

先生「ややもすると空想的な観念からもてはやされるようになりそうだが、それはいけない。パンドラの箱が開いたときのようなもの。」

先生「こういった研究をしている人が肌で感じるのが、生命の素晴らしさ。だけど一方でフレキシブルなものなので、こんなのが産まれてしまっていいんだろうかという葛藤もある。」

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最前線の科学者はみなこの問題に悩む。池上高志、浅島誠、岡野光夫など、この番組でも取り上げらた科学者は皆例外なく悩んでいた。

先生「希少価値の動物を生かすためにはといったことに利用できるかも。」

太田「トキは良くて、テンは殺すべきというのは先生どう思います?」

太田「先生のやったことも宇宙の法則のひとつの中でやったことなら、大丈夫なんじゃないの?そのときの判断でしか動けないから。」

太田「宇宙に脱出しなければならないような場合は、やるでしょう。」

先生「これからの若い人たちは大変だと痛感する。」

一匹のネズミが変えた世界。

先生「ネズミと人間の境界線、人間とは何かをもう1回考える機会になった。」