東京江東区10月にオープンしたクイーンズ。

人気なのが詰め放題のmy弁当370円。業務用食材の「神戸物産」が経営しているため、素材が安く手に入る。日本最安値が売りだ。

豆腐とポテトサラダを買った奥さんの自宅訪問。外食よりは家で食べるのが増えたという。

そんな中で外食産業はどうしているか。coco壱番屋は人気のカレー店だが、苦戦は否めない。カレーに替わる国民食で勝負に打って出る。

ほかに北海道の人気立ち食い店や客が殺到するファミレスまで外食ピンポイント戦略を取材。

消費者は外食を減らし、支出を抑え、安い食材を使って、家庭で調理する“内食”へと舵を切る。それに対抗して、値下げ競争が激化。価格破壊が進行する。このような消耗戦を突破しようと、新たな戦略に打って出た外食チェーンがある。その裏には、「ハンバーグ専門」、「立ち飲み」、「地方限定」と業態を絞ったピンポイント戦略があった

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江口君、昼飯で外に出る。ハンバーグ定食780円の看板にひかれて入った。その店はハンバーグ定食のみ。

それにしても何で今、ハンバーグなのか?

愛知県一宮市、1978年創業開始したcoco壱がカレーに替わる主力食品を模索していた。

うまこくカレーラーメン!商品開発担当者新本周平課長(33歳)が店を回る。まずスープの温度を測る。そして味を確かめる。しかし昼時でも客がまばら。そこでもっとなにかをと考えたのが「にっくい亭」ハンバーグ専門店だ。ハンバーグ専門店は今かなりの大手も進出している。「ハンバーグ大魔王」は居酒屋チェーンが展開している。客数が130%から150%増加しているという。専門店にすることで、メニューを絞り込む事が出来、コストダウンを図れるのだ。消費者が外食にカネを使わなくなった現在、異業種からの参入が相次ぐ。

coco壱では店長候補田端さんが研修を受けていた。商品企画部の中村さんが指導する。手こねが売り!焼きあがると肉汁がジューシーだ。店長候補は形がまだできずに焼き上がりがイマイチだった。

1月19日に系列のパスタ店で試験販売開始。値段はご飯と味噌汁つきで850円。作るのは田畑さん。特訓の成果が出てキレイに形が出来上がっていた。ふっくらとおいしそうに焼けたハンバーグ。客の評判も上々で、数も出た。大忙しの田端さんも確かな手ごたえを得た。

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客が殺到するファミレス。茨城県古河市で決起集会が開かれていた。北関東中心に和食ファミリーレストランを60店舗以上展開する外食チェーン創業35年の「ばんどう太郎グループ」

引っ張るのが青谷英正営業部長。利根川が坂東太郎といわれることに由来する。店内は待つひとが並ぶ人気。

秘密はメニュー構成だという。三世代を狙った和食中心のメニューで、お年寄りの集客を狙ったのが当った。

低価格のファミレスが流行る中、ばんどう太郎は1500円くらいが中心。それでも評判なのは接客にあった。

一度来たら、次からは名前で呼ぶ!、外に出迎えて、外まで送り出し。一流旅館並みの接客だ。

また祝い事や法事などができる広い座敷にもできるため、リピーターが多い。

しかし、さすがに不況では売り上げを落とした。そこで部長が店舗を視察して回る。問題点をチェックし、店長や従業員に伝える。しかし7分と定めた時間が守れない。部長はついに取材拒否で叱責する。

1月18日つくば店である会合があった。社長も出席した「だっぺ会」同じ北関東エリアに展開する、ラーメンやとんかつなどのローカル外食産業。彼らは、社長同士が情報交換し、勉強会を開いてきた。地場の外食産業同士が、助け合ってデフレを乗り切ろうと言う。相乗効果で互いの客を呼ぼうということで協力し合っている。

北関東165店舗で大手に対抗しようという。

1月末に龍ヶ崎市にオープンしたばんどう太郎、だっぺ会の仲間も駆けつけていた。

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江口君、仕事を終えて職場の仲間と立ち飲み屋へ。注文と同時にオカネを払っていく。小銭を用意するのが立ち飲み屋での飲み方だ。

北海道根室に買い付けにきたのが平山徳治社長。目を付けたのがキンキ。B級品だが味は変わらない。市場の隅々まで見て歩く。

「根室食堂」新橋店は今ハヤリの立ち飲み屋。新橋や渋谷などで北海道の新鮮な魚介類を安値で提供するチェーンの社長が平山さんだ。立ち飲み店が乱立する状況の中、平山徳治社長が考えたのが、地方とのタッグ。

根室に徹底して拘るなか、1月中旬、次の一手を考えた。北海道の中でも小樽や函館など東京からの観光客も多い地域に比べて、観光客が年々減少していた、根室に目をつけたのだ。

東京でのアンテナショップと位置づけた平山社長は、街との提携に成功。漁協や漁師との関係作りから、食材の仕入れや運搬にまで及び、新鮮な魚介類を、立ち飲みならではの安さで提供することが出来るという。

年明け、新たな地方ブランドの食材に挑戦することになった。今回は海ではなく牧場に向った平山さん。牛に目を付けたのだ。牧場主と交渉し、牧場主の条件は「一頭買い」、一頭なので不要な部分もあるものの、まずはそこからスタートすることになった。

新橋根室食堂、今使っていない4階を根室の牛肉を供するフロアにしようとしていた。アイディアは花咲ガニをジャンに漬け込んだタレを使うことにし、鍋はジンギスカン鍋を使用。

店内では急ピッチで改装が行なわれ、間もなく根室食堂が誕生する。

1月29日に焼肉屋オープン!およそ11坪の店。夜7時を過ぎると大勢の客が。立ったまま食べられる席も設けた。タレも人気。「根室の代弁者になるくらいの勢いでやりたい」と社長。

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江口君・・・3週連続の「デフレとの戦い」、こういうときこそ新たなビジネスが生まれるチャンス。