本を並べる!ということで生計を立てる幅さん、32歳。

マンガの初回と最終回を並べた。そこには人だかりがすぐにできた。

ブックディレクターとして成り立つのは彼がその並びでのみ売り上げを伸ばすからだ。

企業や美術館、銀行のロビーなどにも需要がある。「資本論」の傍に「働きマン」が並ぶ。読んだ本しか並べない。10月からはオススメの一冊を語るラジオ番組にも出演開始。雑誌のコラムも大好評。

本が売れないといわれる時代に必要とされる彼とは

ドイツベルリンにいた。買い付けのために海外を回る。手始めにアートブックの専門店に入る。「ゾクゾクする。珍しい本が次々に見つかる。」「自分がファンになった本を買い付ける」という。1時間で数10冊、そしてまた本を探す。結局3時間で50冊。30万円相当を買い込む。

愛知県豊橋市、1ヶ月がかりで集めた本を並べる。オーナーの本を並べることや、'男の書斎風にする’ことも条件。

そこに何も印刷されていない本が40冊届く。

まずは自分で買い付けてきた本を並べる。新しい本と、オーナーの本を並べて置く。しかし古書の存在感が予想外に大きく、新しい本に手を伸ばしてもらえないと感じる。そこでオーナーの本を減らす。8時間掛けてようやく完成。男の書斎風に出来上がった。「ここに立ち寄った人が手を伸ばすような本棚にする。」

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有限会社バッサを立ち上げた。会社は順調そのもの右肩あがり

1976年生まれ、本が大好き。慶応大卒業後、本の知識を買われて雑誌のブックレビューに携わり、本の配置に関わりブックディレクターという位置を築いた。

東京渋谷の自宅にはひっきりなしに来客が訪問。妻の真美子さんも雑誌社の編集者。自慢は自宅の本棚。自分が3歳のときに読んだ絵本まであり、我が子と同じ絵本を読む。このうえない死あわせだという。

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この日はリハビリテーションセンターを訪問。幅のアイディアでパラパラマンガを置く。谷川俊太郎の詩を置き、それを書くリハビリも提案。好きな詩を書くほうがリハビリに効果的。

9月、結婚式場のロビーに本棚を置く依頼が舞い込んだ。そこに持ち込んだのはドラエモンののび太の結婚前夜。注文者も感激する。

番組の為に本を3冊選んでください!という依頼をスタッフからする。あとで発表。

結婚式場の本棚は、本を100冊選んで集めたが、本棚をどう見せるかを悩む。ニーチェやゲーテの結婚について残した言葉と、それに近い本を並べる。本を並べること自体はもの作りではないという。

完成した並びは、新郎新婦へのはなむけになっていた。

「結婚するのは愚か者である。結婚しないのはもっと愚か者である。」や「愛するそれは一緒に同じ方向を見つめることである。」なんて偉人の言葉とともに、いろんなジャンルの関連する本が並ぶ。

10月にオープン。新郎新婦にも好評。本の力、本棚の力がそこには満ちていた。

最後に番組の為の3冊。

スヌーピーたちの人生案内」・・・小またで半歩前に進もう!

就職しないで生きるには」・・・仕事をしないという意味ではなくて

週間少年ジャンプ」・・・自分らしい