「Technics EAH-210」をリペア | Photograph to Life ~生活に写真を~

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EAT-T11とセットで落札した「Technics EAH-210」...、いろんな部分の状態がよろしくないので簡単にながらリペアしてみました。

EAH-T11については、以下のリンクを参照願います。
Technics EAH-T11を落札
EAH-T11のプラグを交換

0378・Technics EAH-210

ヘッドフォン近代博物館」にある記載を見ると、EAH-210は1974年に発売されたヘッドホンの様です。ドライバは、60mm口径のセルロースコーンで、言ってみれば「スピーカーユニットでヘッドホンを作った」と言うような感じですね。
実際、使われているユニットはいかにもスピーカーユニットを思わせる形状です。

0424・劣化著しい(´・ω・`)

とにかく、至る所に劣化が見られる訳ですが、ハウジング自体に割れや大きなキズは無いので少し手を入れてやればかなり見栄え良くなりそうです。
シルバーの帯の部分は、塗装や別パーツでなく「ヘアライン仕上げのメタリックテープ」を貼ってあるだけですので、貼り替えるか塗装するかすれば補修できます。
ハウジングの銘板は、アルミプレートにロゴプリントしてあり、さらに樹脂コートされていますので、少量のピカールで研磨して汚れと傷を落としました。

0379・イヤーパッドを外した状態

写真が前後しますが、イヤーパッドを外すとこんな感じ。密閉型と言っても、ハウジングとの接合面にパッキンなどは付いていませんし、吸音材の類も入っていませんでした。
「553H」のシールが何を意味するのかは不明です。

0427・貼り直し用メタリックテープ

シルバーの帯は、ダイソーの「貼れるメタリックシート」を切り出して貼り直すことにしました。幅1cmで切り出す必要があるのですが、シート裏面に1cm間隔で方眼がプリントされているので切り出すのは簡単でした。ヘアラインに並行にカットするとハウジング一周分の長さが無いので、上下二分割で貼ることにしました。

0428・メタリックテープを貼り付け

テープはヘッドバンドの取付部で上下に分けて貼り付けています。オリジナルは、同じ位置から一周分の長さのテープを貼ってありました。
また、オリジナルはテープの上にも樹脂コートしてあったようで、剥がすと透明な樹脂が割れて剥がれ落ちてきました。

0429・ヘッドバンド取付け部

ヘッドバンドの取り付け部分は、樹脂のブッシュにステンレスワイヤーの先端を差し込む方式です。EAH-2x0シリーズには、他に「EAH-220」「EAH-230」がありますが、ハウジングは全機種共通。内部的にはドライバが異なり、外見的にはコードがカールコードであるかないか、ヘッドバンド取付部の樹脂パーツ素材と形状、ヘッドバンド調整部の構造、ボリュームの有無(EAH-230のみ)などです。

0430・ヘッドバンド取り外し

EAH-210は、イヤーパッドもそうなのですがヘッドバンドのクッション部分の表皮が「ビニール素材」です。経年劣化で固くなり、しなやかさが無くなっているために長期保管で付いた凹みなどが元に戻りません。そこで、イヤーパッドは似た形状の他機種の物を流用することになります。試してみたところ、片方だけしか付いていなかった為に外してあったオーテクの「ATH-PRO5 MK2」のイヤーパッドがキツイながらも取り付けできることが判りました(上下がキツイ)

ヘッドバンドについては、手持ちの端切れ革を使って縫い上げることに決定。元のヘッドバンドを取り外し、それを型にして革を切り出します。
とにかく、硬くなっていて平らに伸ばすのが困難なためボール紙に転写して型紙を作成、それを元に革を切り出します。

同じ形状を2枚切り出しそれを縫い合わせる訳ですが、革だけですと厚みが足りないので元のヘッドバンドクッションを芯材に使うことにしました。
一辺を縫い合わせた後に、クッションとハウジングの左右を繋ぐコードを挟み込んでもう一辺を縫い合わせます。縫い合わせた後に左右を繋ぐワイヤーを通して組み直し。

0431・本革手縫いのヘッドバンド

元のヘッドバンドカラーも茶系だったので、オリジナルより若干明るめですが茶色の革を使ってみました。なにぶん、革細工の道具など持っていないので縫い目も雑ですが、元の状態よりはかなり良くなりました。

0432・残すはイヤーパッド

現時点でイヤーパッドが片側にしかついていないので実用になりませんが、それさえ解決すれば普通に使えるようになります。
このヘッドホンは、私が小学生の頃に一番ポピュラーだったタイプで、オーディオに興味をもった同級生もこのタイプのヘッドホンを欲しがったものでした。当時は高くて買えなかったヘッドホンですが、この歳になって手に入るとは思っていませんでしたね。

0433・標準プラグをどうしようか

EAH-210も旧いヘッドホンなのでプラグが標準プラグです。オリジナルにこだわるならそのまま使うと言うことになるのですが、現代のオーディオ機器だと利便性が非常に悪い。もちろん、ギターアンプで使うのであればこのままの方が良いのですが、変換アダプターを使う方法もあるので、いずれステレオミニプラグに交換すると思います。


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