早稲田のY先輩から1時間の講義をしていただきました。メモ書きになりますが、興味が或る方は時間があるときにご覧ください。


「日本の未来を考える」(過去を振りからずに、坂の上の雲を目指せ)


①60歳 還暦 少年 冬眠を破る
70歳 古希 青年 春光を浴びる
77歳 喜寿 壮年 夏山のごとく
88歳 米寿 高年 秋天を知る
99歳 白寿 聖年 神人と化す

僕より若い人からみれば歳をとっているかっもしれないが、まだまだ人間臭く生きようと思っている。


②情報過多であるが、情報となっていない。ただ、文字が羅列されているのとかわらない。情報として、意味づけをする力が必要。


③鶴のような大型の渡り鳥が数千キロの空を飛んでくる。自分の力だけでは到底無理。上昇気流を何度もつかまえて、アジアの山々を超えてくる。人間も遠い険しい道を進むときには、風の流れを読むことが必要。鶴は流れを読むのに知識をもっているだろうか?彼らは本能で風を読み、つかまえている。


④アフリカのサバンナでライオンの数は一定。それは、ライオンが自ら本能で自ら決定していると思う。食物連鎖だけではない。


⑤鮭が減らないように、人間が稚魚を放流して、多くの鮭が戻ってきた。しかし、体調はちいさくなってきている。個体数が多くなりすぎたことで、かれらは餌が枯渇しないように自らの鮭の体調を小さくしていると考えられる。彼らは相談しているわけではなく、本能がそうさせている。


⑥アフリカの原住民は視力が5.0あるという。人間も隠れた能力をもっている。私たちは動物たちから遠く離れることで、本能が機能しなくなっている。


⑦砂漠地帯に住むダチョウは十数キロ先の空を見て、雨が降ることをしり、走りぬけ、草が生えるのをしる。間違えると死活問題だ。


⑧人間は貯蔵、貯蓄をすることで安心を手に入れることで、本能を置き忘れた。ライオンは腹が減れば、食べ、満腹になれば、それ以上の餌を貯蓄しない。


⑨風の方向を知り、風に乗るために本能センサーを持つことが大切。


⑩1960年代に、マーケティングが流行った。それは、めたらやたらに商売をするのではなく、方向をつかみ効率的に進行するための方法だった。早稲田の小林太三郎先生、慶応 村田昭治先生のゼミの学生はもてはやされた。


⑪しかしながら、世界の動きはもっともっと速くなり、調査・分析が追いつかない。それは、ちょうど、明日の天気が知りたいのに、昨日の天気ばかりを分析しているようなものだ。そこで、ポストモダンマーケティングが出てきた。スティーブン・ブラウン


⑫過去を追っていてはいけない。研ぎ澄まされた本能を持っていきぬかなくてはいけない。それは、脳科学でいえば、右脳を鍛えること。創造性を働かせる芸術と文化が右脳による世界。


⑬最近、ブータンの国王がGNHという国民総幸福量という考えを国連で講演した。70万人の小国家が提案したものだが、ブータンの国民の90%以上が幸せだと感じているという。お金ではなく、精神的な豊かさを持っている国。さて、そのブータンがこの考えを広めるために、パートナーを日本にしようと提案してくれている。それは経済的な繁栄から斜陽にむかう日本が精神的な豊かさの大切さをを共有してくれるだろうからだという。とても光栄なことだと思う。


⑭実は、日本には西洋諸国にはない豊かさが存在している。それは、自然との共生だ。一神教の世界の人々の多くは砂漠の中で生まれた宗教だ。ユダヤ、キリスト、イスラム教はエルサレムのゴルゴダの丘が聖地である。自然は脅威であり、闘う相手なのだ。多神教の日本では自然と人間との境界はなかった。自然物にすべて神が宿る世界を持っている。一神教は白と黒で判断をする、多神教は多種多様な色が存在することを認めている。どちらが豊かな絵(世界)を描けるだろうか。世界が行き詰まりかけているときに、日本が世界から求められる時代がくることが間違いなくあると信じている。その時のために、日本人は完成を磨かなくてはいけない。軍事力だけでは幸せも平和も訪れない。感性豊かな日本人の出番となる。


⑮東大阪出身の井山雄太氏は囲碁の100手先のひらめきを得るために、右利きであるにも関わらず、左手で指し、右脳を活性化させる努力をしている。感性、ひらめき、想像力は右脳の力であり、それを動かすことが大切。


⑯TEDというのをご存じだろうか?テクノロジー、エンターテイメント、デザインの3つの頭文字をとったものだ。これら3つをテーマに世界で活躍する人々が年に1回モントレーでプレゼンを行う。これは面白いということで、4回目に神戸に誘致をした。発起人はリチャード・ソール・ワーマン。(ちなみに、OK会もTEDのような魅力的な会にしたいと前々から思っていました)


⑰堺市の文化振興で年間30のビッグネームを呼ぶ。お土産に堺の包丁を持って帰ってもらっている。最初は万能包丁、2度目に来たらさしみ包丁、3回目は出刃包丁。5回くらい経つと、全部そろう。平原あやかは大喜びしていた。ちなみに、12月11日には由紀さおり。M氏がアナゴで町おこしを考えているが、まだ弱い。もっともっと良く考えなくてはいけない。協力したいと思う。観光は大きな資源となる。観光に必要なものは「美味しい、安全、ショッピング、きれいさ」


⑱日本書記の話の中で、岩戸をあけるシーンがあるが、力だけではあけることが出来なかった。それは扉は外から開けるものではなく、内側から開けるものだから。そとで、女性が半裸で踊り、楽しそうにしていると、内側から戸が開き、太陽が再び戻った。理屈や力ではなく、感性や心を揺さぶり、自らが戸を開くようにしなくてはいけない。


⑲ルミナリエを企画、制作、段取りをしたことを認められ広告協会から大賞を頂いた。それには神戸市の市の職員が大きな役割を果たした。最初、彼に相談をしたら、山ほどの規制のために、絶対にできないと言い放って物別れになった。その後、かれから連絡があり、どうしても神戸の震災のレクイエムのためにやりたくなった。建造物ではなく、芸術作品としてなら、規制が大きく減り、認可が下りやすいというアイデアをもらった。物を縦に立てるだけでなく、横に寝かせることで見え方がかわり、物事が動く。とても感謝している。


【感想】

この内容をご覧になって、Y氏のお年をおいくつに感じたろうか?先輩の物の考えの柔らかさ、物語をつくる力、人生を楽しむ生き方に、自分よりも若々しい感じをうけた。先輩はもっと人生を楽しめとおっしゃった。人生を楽しむためには、知性と感性と遊び心が必要だ。先輩の話を聞きながら、自分も少し若返ったような気がした。とても良い時間を頂き、感謝しています。